(cache)SHOWROOM前田裕二がAKB48・大西桃香を絶賛する理由(特別対談) | 現代ビジネス | 講談社(3/4)


SHOWROOM前田裕二がAKB48・大西桃香を絶賛する理由

彼女の躍進から学べること
特別対談

今ビジネスマンに必要なのは「解釈力」

前田 こうやって話していて思うんですが、大西さんって人の数倍強い「解釈力」を持っていますよね。

大西 解釈力?

前田 そう。人生をよりよく生きる上で、当然いろんな力を駆使していかねばならないわけですが、中でもとりわけ重要なのが、「物事を良い方向に解釈する力」だと思っています。朝5時半に配信するという一見辛いことを「楽しんでやった方が得」と思うのは、まさに解釈の力だなと。人生は、程度こそ違えど、誰にとっても苦難の連続なわけで、それらの苦難をどう解釈できるかで、結果が大きく変わってくると思うんです。

ある方に聞いた話なんですが、その方の友人が、海外旅行中に車を運転していて、大事故を起こしてしまったらしいんです。そして、病院でふっと目がさめると、自分の右足がなくなっていた、と。もう絶望感に打ちひしがれて…。でも、日本から飛行機に乗って、お見舞いに来た奥さんが、病室に入った瞬間、なんて言ったと思いますか?

大西 泣き崩れて、何も言えないんじゃないかな…。

 

前田 普通はそうですよね。でも彼女は「あなた。本当によかったわね。左足が残ったじゃない、命が残ったじゃない」と涙を流しながら言ったそうなんです。それで、彼は、何とも言えぬ、救われた感情になった。この話を聞いて、人生のおける「解釈する力」の重要性を教わりました。

大小問わず、嫌なことって起こり続けるじゃないですか。最近でいうと…例えば台風とか。

大西 嫌ですね。私は実家の奈良から東京に通ってるんですけど、台風で電車が止まっちゃうと帰れなくなるので。

前田 でも、「台風で電車が止まった」という出来事を「帰れなくなったから最悪」と捉えるのではなく、「帰れなかったことによって、東京でしかできないことができる」と解釈する。これが解釈力です。

そして解釈って筋トレみたいなものだと思ってて。頑張ってダンベルをあげてると筋肉がつくみたいに、解釈力もトレーニングすることで身に付くんですよ。

大西 解釈力は鍛えられるっていうことですね。

前田 そうです。休日出勤も、「嫌だな」と思わずに「みんなが休んでいるときに頑張ったら差がつくな」と解釈するようにすると、むしろ積極的に出勤したくなる。

大西 それ、すごくわかります!ちょっと嫌なこと、例えばレッスン後の片付けも「めんどくさいな」ではなく「続けていたら誰かが見ていてくれて、いいことがあるだろう」と思うようにするとか。実際、後々メンバーがステージ上で「桃ちゃんはお掃除を率先して頑張ってくれてる」って言ってくれたり、ファンの方が「偉いね」って褒めてくれたりしたんです。だから頑張って続けてよかったなって。

前田 なるほど。そういうところに、やっぱり大西さんの解釈力の高さを感じますね。

大西 ありがとうございます(笑)

前田 仕事にもこの解釈力が必要です。例えば、「will, can, must」の話で説明しましょう。この「will, can, must」のフレームワークは、ベンチャー経営者の間でよく語られているものです。

大西 「will, can, must」、初めて聞きました。

前田 willは「やりたい仕事」、canは「やれる仕事」、そしてmustは「やらねばならない仕事」です。ここでポイントなのは、取り組む順番です。

仕事って大体、「やりたい仕事」じゃなくて、「やらねばならない仕事」から始まるんですよ。そのあと「やれる仕事」、「やりたい仕事」というステップを踏んでいく。

最初から「やりたい仕事」ができると思っていると、目の前の「やらねばならない仕事」がおろそかになって、「やれる仕事」も増えていかずに、結局、「やりたい仕事」ができないという悪循環に陥ってしまいます。

そうではなくて、まずは「やらねばならない仕事」をたくさんクリアして、また新しい「やらねばならない仕事」任されて、その範囲を広げていって、その中で「やれる仕事」を増やす。その成長の過程でだんだんと「やりたい仕事」ができるようになるんですよね。人によっては、canが広がっていく過程で、自分の「やりたい仕事」にはっと気づく、という場合もあります。

前田裕二

大西 へぇ。なるほど。

前田 でも、「やらねばならない仕事」って、楽しくないこと、嫌なことの場合が多いんですよね。たとえばバイトで任される仕事。

僕は学生時代とても貧乏だったこともあって、ものすごく多くの数のバイトを経験したんですね。で、そのうちの一つにパチスロ台を作るバイトがあった。その工程で、パチスロの番号とかが印刷されているロール紙に、ラミネートを貼るという地味な作業があって、最初はすごく嫌だったんですよ。全く楽しくなかった。ちょっと気をぬくとズレるし(笑)。

けれど、「俺は1時間に〇〇枚貼れる」と威張っているラミネート貼り歴10年以上のおじさんがいて、これは面白いな、と。この道まだ1ヶ月の僕が、彼よりも多くの枚数を貼れるようになったらすごい驚くだろうなって考えたら、段々楽しくなってきて。

1ヶ月くらいめちゃくちゃ本気でやったらおじさんよりも速く貼れるようになって、結果的に正社員に誘ってもらったりして。あ、こんなことで内定をもらえるんだ、と(笑)。

大西 すごい!

前田 こんな風に、楽しさっていうのは、解釈力さえ磨けば誰にでも発明できるものだと僕は思っています。

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