日本相撲協会は8日、東京・両国国技館で理事会を開き、未成年の弟弟子に暴力を含むいじめを繰り返していた鳴戸部屋の三段目力士の引退届を受理した。師匠の鳴戸親方(元大関琴欧洲)には3カ月、10%の報酬減額処分を下した。
従来、幕下以下の力士に対しては「出場停止のほか、けん責、または懲戒に至らない注意処分」が基準だった。ただ、問題を調査したコンプライアンス委員会の答申は「引退勧告相当」。昨年9月~1月、柔道の絞め技で失神させるなど、危険かつ悪質な行為だったことで基準を上回る答申が出された。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「事案に応じて処分内容を厳しくします、ということ」と説明した。
今回は、理事会で引退勧告が決議される前に引退届が受理された。また、三段目力士に命じられて被害者への暴力に関与していた2人の弟弟子には注意処分(成人)、指導処分(未成年)が出された。鳴戸親方には処分に加え、定期的な指導計画書の提出も命じられた。