ゆっくり魔理沙「だぜー」
前回の駆逐イ級との出会いから2日後、間宮さんもいない甘味処間宮にて天龍は唸っていた。
唸っている理由はこれからの事と資材についてだ。
前者はもしもの深海棲艦の襲撃に備えたいがそれには他の艦娘を建造するしかないのだが後者の在庫も考えなければならない。
戦艦は多い方が良いがその分資材の消費量も半端じゃ済ませられない。
かといって遠征をしようにも今は資材の消費を抑える為に自分を含めた6人に留めている。
大本とも言える大本営に連絡すべきだろうが二次創作あるあるな頭が固いか黒い感じだったらと考えると慎重にもなる。
さらに気になるのは自分達がいる鎮守府を廃棄されたのかと言う謎もあって困っていた。
「ホント困ったよな…」
「たのもーーーーーーーーーーーー!!!!」
うーむと唸っているといきなりの大声に天龍は驚いて立ち上がろうとして膝をテーブルの角にぶつけて悶える。
「な、なんだ…」
痛みに涙目になりながら天龍はよろよろと向かうと大声を聞いてか他の5人も来ていた。
そんな5人の前に天龍には見覚えのある艦娘を2人連れた女性がいた。
2人の艦娘は戦艦に属する扶桑と山城の姉妹で引き連れている者は白い軍服を着ていた。
ちなみに胸が大きいので扶桑、山城と見ていた吹雪ははうわ~と喜んでいた。
と言うか、天龍には女性の顔が思いっきり見覚えのある顔であった。
「ほう、廃棄されたとは聞いてはいたが、艦娘がいたのだな」
「えっと……あんた誰?」
興味深そうに自分達6人を見る女性に天龍は薄々勘づきながら質問する。
「余か?良いだろう。余は帝政 音呂!この鎮守府より離れた所の鎮守府の提督をしている!そして両隣にいるのは我が伴侶の扶桑と山城だ!」
「(やっぱりこの人!赤セイバーもといネロ・グラウディウスだぁぁぁぁぁぁぁ!?)」
自信満々に名乗り上げる女性に天龍は憑依する前で知っていたキャラだと分かってガチョーン!となる。
ちなみに伴侶と言われた扶桑と山城は照れてる様で顔を赤くしていた。
「あ、あの…その提督さんがなんで此処に?」
「ん?ああ、この鎮守府に余の友が着任する事が決まってな。ただ放置されていた期間を考えて視察に向かってくれと頼まれた」
恐る恐る聞く五月雨に音呂はそう答えてからまぁ、この様子じゃあ大丈夫の様だなと呟く。
「ただ、ちゃんと報告書を纏めて報告せねばならぬから中の様子を見させて貰う事になるが構わぬだろうか?」
「良いぜ。どうせならこっちも聞きたい事があるから終わった後で良いか?」
そう頼む音呂に天龍は了承してそう聞き、うむ、話せる範囲で良いぞと音呂が答えてから天龍達は3人を連れて鎮守府を巡る。
様々な場所を見ては時たま天龍達に聞いて音呂は扶桑と山城と共に報告書に書き留めて行く。
「これで良いな…感謝するぞ。そして保ってくれた事を感謝するぞ妖精さん」
「いえいえ~おきにならさず~」
食堂にて纏まった報告書を見て礼を言う音呂に妖精さんは手を振る。
「それで、最初にも言った聞きたい事があるんだけど良いか?」
「うむ、こっちも言ったが話せる範囲で良いぞ」
そんな音呂にそう聞く天龍に本人は笑って言う。
「ならさ…なんでこの鎮守府にいた提督は此処を破棄したんだ?大型建造を出来るって事は優秀な奴だったんじゃないのか?」
「………それか……」
気になっていた事を聞く天龍に音呂は真面目な顔をして腕を組む。
扶桑と山城も悲しい顔をする。
「……確かにこの鎮守府に着任していた提督は優秀で妖精や艦娘にも気に掛ける優しい男だった…お前達はケッコンカッコカリを……建造されて間もないから知らないだろうな。簡単に言うなら極限まで育った艦娘との絆の1つでそれをする事でした艦娘はさらに強くなる事が出来る。ただ、此処にいた提督は艦娘との結婚を真面目に考えていた」
「それって素敵ですけど……なら結婚して退役したんですか?」
そう説明する音呂に吹雪はそう聞くが音呂は首を横に振る。
「………結婚を考えていた艦娘が轟沈したのか?」
「……とある日の事だった。ある日を境に全鎮守府、泊地、基地から3人の艦娘のドロップ・建造がぱったりと途絶えた。さらに言うともともとの建造やドロップで所属していた該当する艦娘達も艤装を残し、神隠しにあった様に消えてしまった」
まさかと考えて聞く天龍に再び首を横に振った後にそう言う。
それに天龍達6人はもしかしてと音呂を見て音呂は口を開く。
「消えてしまった艦娘は『綾波型1番艦 綾波』、『睦月型8番艦 長月』、『睦月型9番艦 菊月』…その中で提督が結婚しようと約束していた艦娘は長月…突然消えてしまった長月に提督は酷いショックを受けてマトモに鎮守府を動かせる状態ではなくなり、上司である余の叔父により保護され、この鎮守府に所属していた艦娘達は信頼できる提督達の所へと転属された。余の扶桑と山城も元々は此処の所属だったのだ」
「……此処の提督と長月さんはホントにお互いを愛していました。人間と艦娘関係なく、ホントに仲が良かった」
「私達が見ても生涯を共に過ごすと思っていただけに、突然の消息不明には驚きました」
厳しい顔で言う音呂の後に扶桑と山城はその時を思い出してか悲しい顔をする。
「そうだったのか…」
「ただ、最近になって綾波が1人見つかったと叔父から聞いた。今はとある前線基地に所属してるそうだ」
それは確かにショックがデカいだろうと天龍が考えていると音呂がそう言う。
見つかったのならきっと長月と菊月も見つかるかもしれないと言うのが音呂の言動に含まれていたのを天龍は感じた。
「気分が落ち込む事を聞いて悪かったな」
「いやよい。そなた達は話を聞いて悲しんでくれていた。それだけで十分だ」
謝る天龍に音呂はそう言う。
その後に帰る音呂達を見ながら天龍は見つかると良いなと願った。
次回を待て
ゆっくり霊夢「と言う訳であとがきだよ~作者代行のゆっくり霊夢だよ~」
ゆっくり魔理沙「助手のゆっくり魔理沙だぜ☆」
ゆっくり霊夢「はい、いきなり重い話をしてしまいました」
ゆっくり魔理沙「この話は知り合いの作者さんである刹那・F・セイエイさんの『特型駆逐艦、綾波(偽)と申します。』から許可を貰ったので入れたんだぜ」
ゆっくり霊夢「どうして廃棄されていたのかの理由で悩んでいたからホントに刹那さんには感謝するばかりだよ」
ゆっくり魔理沙「活動報告にちょっとしたアンケート募集を行うから見てくれると嬉しいな~」