§しをおもふ§#rumblin'figure12

人は自分の意志と関係なく生まれ、死ぬ。
生まれた瞬間に死はスタートし、それに向かって走り出す。

死こそは尊いもの。
もっとも平等で、価値あるもの。
そして常に目前にあるもの。

でも、ぼくらがその「死」を目の当たりにすることはほとんどない。
文明の発達とともに死は隠ぺいされ、ぼくらの認識から遠ざかる。

では、ぼくの食卓の前に広げられたこの「屍」はなんだと言うのだろう?
ぼくらは確実に「死」から遠ざけられた「屍」しか知らない不幸な子供達なのだ。

今日、ぼくらは尊い「死」の上に立ち、生きていく。

それは「罪」ではない。
「死」を知らないことが罪なのだろう。

偉大な「死」の先には何もない。

だからぼくは必死で走る。
死に追いつかれる前に。



JUN@Apr 2003