自分を信じる。常にそう言い続けてきた宇野が、今大会はそのポリシーを曲げて臨む。「練習してきたわけではないので、自分を信じるとかではない。こっちに着いてから練習してきたものを、試合でぶつけることができるように頑張りたい」
理由は、昨年末から続くアクシデントだ。12月の全日本選手権で右足首を捻挫。大会後は約10日間氷に乗らず、回復に努めた。その後に練習を再開するも、再び同じ箇所を負傷。また1週間休養した。さらに、大会出発2日前に再受傷。約1カ月間で3度の捻挫に苦しみながら、今大会を迎えた。
「今は全く痛みなく滑れている」としているが、想定外の“冬休み”を挟み「体力面できつい試合になるかもしれない」と宇野。焦りも不安も「あった」という。それでも「出るからにはハンディはない。最善を尽くして、より良い順位を取りたい」と拳を握った。
今大会は5度目の出場。5、4、3、2位と着実に順位を上げてきた。「その流れでいくと1位になってほしいという思いはあるけど、まあ頑張るだけ」と宇野。控えめに、頂点への階段を上がる。