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鳩レース全国1位 小松の吉田さん飼育の「雨姫」

(上)吉田憲二さんが鳩舎で飼育しているハトたち(下)日本エースピジョン賞全国1位のハトを飼育する吉田さん=いずれも小松市向本折町で

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北陸勢24年ぶり 日本AP賞制す

 放したハトが戻るまでの速さを競う「鳩(はと)レース」。距離の違う三レースで優秀な成績を収めたハトに贈られる「日本エースピジョン賞」(日本AP賞)で、全国一位のハトが小松市にいる。北陸勢が同賞で全国を制するのは、二十四年ぶりの快挙。飼育する会社員の吉田憲二さん(63)=小松市向本折町=は二十日にレースシーズンの開幕を控え、「目指すは二連覇」と意気込んでいる。

 「雨の中、ハトが帰って来たとき、心臓が飛び出るぐらいに感動した」。昨年五月にあった日本AP賞の対象レースの一つ「桜花賞」を振り返る。北海道沼田町から小松まで約九百五十キロ飛ぶ過酷な道のり。スタート翌日の午前十時ごろ、雨が降りしきる中、疲れた様子で戻ってきた。夜には優勝が分かり、そのハトを「雨姫(あめひめ)」と命名した。

 日本AP賞には、短距離から長距離まで飛ぶ万能さが求められる。レジョナルレース(四百~五百キロ)と地区ナショナルレース(六百~七百キロ)、桜花賞またはグランドナショナルレース(九百~千キロ)の三つが対象。レースごとに参加羽数を考慮した入賞率の合計で、低さを競う。

 桜花賞の優勝から約二カ月後、日本AP賞全国一位になったと発表された。「思いもよらなかった。周りの方の指導と雨姫のおかげ」と謙虚に喜ぶ。

 八年前、職場の鉄工所に迷い込んだハトを自宅で飼い始めたのがきっかけ。自宅周辺で飛ばしていた様子を見た愛好家に誘われ、日本鳩レース協会の北陸南地区連盟金沢競翔連合会に入会した。今では、自宅の車庫の一部を増築した鳩舎(きゅうしゃ)に種鳩と選手鳩計百三十羽が飛び回る。

 鳩レース界では「まだ新人」といい、地元のベテラン愛好家のアドバイスを吸収して、毎年約十レースに挑んでいる。天候の良い日は決まって、出勤前の早朝にハトを放してトレーニング。病気を防ぐために毎日朝と夜、鳩舎の掃除も欠かさない。

 一月には東京都で、二〇一八年度の総合表彰式に出席し、全国各地の仲間からも祝福を受けた。「来年もあの場に立つことができたら」と誓った。

  (竹内なぎ)

 鳩レース ハトを同一地点で放し、それぞれの鳩舎に帰ってくるまでの速さを競うレース。放す地点から各鳩舎までの距離を戻ってくるまでの時間で割り、分速を比較する。一般社団法人日本鳩レース協会(東京)が定める規定に基づき、全国各地でレースが開かれている。同協会によると、2018年11月末で全国に約1万人の会員がいる。

 

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