先週の段階では追い切りで力みが感じられたアドマイヤマーズ。テーマは折り合い。リズムを乱すことなく、本番を迎えたい。そんな2歳王者は、栗東坂路を4F54秒3-13秒0。時計は地味でも我慢を利かせ、精神面での制御に成功して最終デモを済ませた。
「サッと追っただけですよ。ゆったりと追ったので(4F)56秒ぐらいかと思いましたが、この時計でしたから。具合がいい証拠だと思います」と友道師は満足げにうなずく。
新馬戦から4戦全勝で朝日杯FSを制し、最優秀2歳牡馬に輝いた。これまでそのタイトルホースは共同通信杯で6勝、2着2回とほぼ完璧な数字を残してきた。マーズも偉大なる先輩たちに引けを取るわけにはいかない。
「前走からレース間隔が空いていない分、調整はしやすかった。課題は長距離輸送と、1Fの距離延長になりますが、北海道からの輸送でもどっしりと物おじはしない馬だし、マイルから使ったのも朝日杯FSを意識してのもの。問題はないよ」と指揮官。
鞍上のM・デムーロは先週2日の京都で2勝し、JRA通算940勝。区切りの1000勝へ着々と歩を進めている。「先週の追い切りで(マーズに)騎乗しましたが、体は成長していて大きくなっていましたね。左回りでも勝っているし、距離も大丈夫」と胸を張る。今回は朝日杯FSで得た自信を確信へと変えていくための東上。まずは結果を出して、クラシックへと突き進む。 (大野英樹)