大阪ミナミ「半グレ」残党を送検 ぼったくり被害頻発 大阪万博に向け府警が本腰

[ 2019年2月6日 13:57 ]

 大阪府警南署は6日、大阪ミナミの歓楽街で「半グレ」と呼ばれる不良集団「アビス」の菅野義秀容疑者(23)=住所不定、井上昴稀容疑者(20)=大阪市生野区、村川誠容疑者(20)ら幹部3人を暴行、傷害などの疑いで逮捕、送検した。これで同グループの幹部12人全員が逮捕された。

 菅野、村川両容疑者は昨年8月15日に、催涙スプレーを噴射するなど対立グループの店舗を襲撃した疑いで凶器準備集合、暴行などの容疑で、井上容疑者は昨年6月19日、大阪市中央区の路上で、ガールズバーの客3人と料金を巡ってトラブルになり、客の1人に4週間のケガを負わせた傷害の容疑。3容疑者はリーダーの男(20)=暴行罪などで公判中=らトップが逮捕される中、自身らも逃れられないと諦めた模様で、4日に出頭。6日朝に送検された。菅野容疑者は「リーダーの指示で対立グループの店舗を襲撃した」、井上容疑者は「仲間を助けるためにゴルフクラブを持ち出し、顔面を殴った」と容疑を認めている。

 大阪ミナミの路上ではここ数年、ぼったくりによる被害が頻発。南署にはアビスに絡む被害相談が150件以上も寄せられていた。半グレ集団「アビス」は17年秋頃から暴力団のしのぎ(資金獲得)に関わっており、ガールズバーを最大17店経営。酔客へのぼったくり、暴力事件、傷害事件を繰り返していた。メンバーには元甲子園球児もいた。月に5000万円の売り上げがあり、その一部を指定暴力団「任侠山口組」系列の組織に渡していたとみられる。府警捜査4課と南署が取り締まりを強化。昨年12月までに「アビス」の55人を逮捕・送検していた。大阪ミナミを拠点とする「O7」(アウトセブン)」と「アビス」の2大グループがともに解散届けを出すなど、徹底的な潰滅作戦は成功。現在、ミナミの歓楽街でぼったくりの被害はほぼ出ていない。

 ただ、「アビス」のリーダーの男はグループの解散届けを提出した後に再度、グループを結成した過去もあり「(リーダーは)やり口も熟知している。6月にはG20、25年には大阪万博もあり、インバウンドも増える。我々が警戒の手を緩めることはない」と府警南署幹部は徹底的に「半グレ」を根絶させる方針だ。

 「半グレ」は暴力団に属さず犯罪を繰り返す集団のこと。暴力団に属してないことから暴力団対策法の適用を受けない。暴走族の元メンバー、その遊び仲間らがネットワークでつながったグループ。「グレる」の“グレ”で、「愚連隊」の“グレ”であり、また堅気とやくざの中間、黒と白の中間にあたる灰色の“グレー”から名付けられたと言われる。

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