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中華への道! 裏ワザ


このコーナーでは北京で習った中華の裏ワザを紹介しています。裏ワザなんて大げさな題をつけていますが、中華の基本と言った方がいいのかもしれません。
項目をクリックしてください。                    

鶏の唐揚 優れものの中華なべ
フライには生パン粉 中華なべ日ごろの使い方
干し椎茸の戻し方 揚げ菓子の注意点
広東式干し椎茸の戻し方 見切れ品の野菜は得か?
きくらげの戻し方 冷凍食品を使う
干し貝柱、干し海老の戻し方 安全な輸入食材って…
野菜を炒める前に(湯通し) 非遺伝子組み換え食品
バンバンジーの胸肉 おかゆは胃に優しい?
煮魚 医食同源
肉を柔らかく(肉の油通し) 食い合わせ
うす衣(上漿)を付けるコツ 米は熱湯を入れて炊く
肉を柔らかく(肉の湯通し) 安いモヤシと高いモヤシ
肉を柔らかくする(漬け込み) 野菜の水洗い
冷凍むき海老の下ごしらえ     少し腐った白菜・生姜
生ホルモンの臭みを取る 白きくらげの選び方
肉の切り方 ピータンの食べ方
ひき肉を作る 卵はどこから?
肉団子のコツ 煮込み料理の火加減
餃子の具にはごま油 炒め物に強火は不可欠?
水餃子には塩 スープのだしを取る時の注意点
イカを炒める前に 魚は足がはやい?
トイレ洗剤で肉を漬け込む!? 新鮮な蟹の刺身
へたった野菜をシャキッと     果物の食べ方
食品彫刻の鮮度保持 果物の変色を防ぐ
ドジョウ系 鍋から火が出たら
魚の腹の黒い膜 トロミをつけるコツ
豚レバーの下処理 片栗粉とコーンスターチ
油を長持ちさせる 小麦粉には熱湯か冷水か?
野菜炒めのコツ 発酵生地をうまく膨らませるには
もやし炒めのコツ 重曹とベーキングパウダーの違い
卵のあれこれ コシを強くするには塩を少々
酸っぱいだけが酢じゃないよ たくさん捏ねてもしょうがない
酢を使えばスッパイしない 生地を蒸す時は水から
料理酒の効果 茶碗蒸しには圧力鍋
うまみ調味料(味精) 香辛料はレシピ通りに加えるべきか
ラー油 ニセモノの中華調味料
にんにくは欠かせない? 中華調味料の使い方
野菜を冷凍する 食中毒の誤解
中華なべに魂を








鶏の唐揚

内部の温度を60~80度前後にして揚げれば、肉の繊維の間に肉汁が包まれている状態でジューシーに仕上がります。

そのコツは油の温度と二度揚げをすること。
180度のたっぷりの油でほぼキツネ色になるまで揚げ、数分置いてから、また油の中に入れてこんがりキツネ色になるまで揚げます。

味付けは人それぞれだと思いますが、私は竜田揚げのようにカリカリしたものが嫌いなので衣に卵を加えてふんわり感を出します。

 モモ肉をピンポン玉ぐらいの大きさに切り、醤油、みりん、にんにく、しょうがで味付けをして30分ぐらい漬け込みます。にんにくとしょうがのすりおろしを使うと、揚げた時に焦げてしまうのでぶつ切りを包丁で叩いたものを使ったほうがいいです。

 にんにくとしょうがの塊りを取り出して、片栗粉と卵を入れ、揉みこみます。てんぷらの衣の硬さになるように、ゆるかったら片栗粉を足し、硬めだったら卵か水を加えます。

※揚げる時は手でひとつずつ手早く入れ、油から上げる時はザーレンなどの網杓子のようなもので一気に上げるようにします。


フライには生パン粉

西洋料理の要素を取り入れた広東料理にもフライ料理は存在します。

素材に打ち粉(小麦粉or片栗粉)をしてから卵液につけ、パン粉をつけるのは日本と同じですが、サクサクのフライにするのには生パン粉を使うのが一番です。これは水分が蒸発する時にできる無数の穴の働きによります。

パン粉を細かく砕いておくと油を吸う衣が薄くなりますのでカロリー減が期待できます。また、揚げる時は必ず170度~180度のたっぷりの油で揚げましょう。

 


 

干し椎茸の戻し方

干し椎茸は和食でも中華でもよく使う素材ですが、戻すのが結構面倒で電子レンジや熱湯を使う方もいらっしゃると思います。

でも、それだと香りやうまみが半減してしまいます。

最適な戻し方は冷蔵庫で冷水に浸すことです。1日浸しておいても問題はありません。こうすることによって、椎茸のうまみや香りを最大限に引き出すことができます。

急ぐ場合は干ししいたけを砕いたり、スライスされたものを使うと時間が短縮できます。お湯は使わず水で戻すのが鉄則です。






広東式干し椎茸の戻し方

上記の方法で戻した椎茸はそのまま調理に使えますが、ここでは少し凝った方法を紹介します。

 戻した椎茸の水を軽く切って(絞らないでください)、ヒダの部分に片栗粉をふってこすり、汚れを取る。

 水洗いをして片栗粉をとる。

 ガラスープ、オイスターソース、塩、砂糖、鶏油(サラダ油でもかまいません)、ぶつ切りにした葱、生姜をいれた調味液に椎茸を入れて少し煮ます。保存する場合は必ず冷蔵庫へ。

この作り方だと、驚くほどうまみのある椎茸に仕上がります。そのまま食べられます。

ただ、中華ではもったいないことに調味液は捨てられてしまいます。聞くところによると、干ししいたけには干す段階でかなり汚れがついているとの事。育てる段階でも農薬が使われているかもしれません。日本で売られている干し椎茸の多くは中国産なのでぞっとしましたが、戻す前によく水洗いすることによって、戻し汁も衛生的なものになります。

 




きくらげの戻し方

きくらげは海の生き物と思っている人、結構いるのでは?私がそうでした(汗)

きのことはいえ、生のままだと中毒を起こしてしまうので干したものしか売っていません。これも、椎茸と同様、お湯に入れると早く戻りますが、やはり冷水で戻したほうが正解です。お湯で戻すとどろどろになるばかりか、うまく膨らみません。

冷水で戻すと、コリコリした食感を楽しめるばかりでなく、なんと10倍にも膨らみます。子供の頃、似た様なガチャガチャがあり、そのふくらみ具合に驚愕しましたが、そんな感動を味わえます。

もしも、戻した木耳が余ってしまった場合は、水に浸したまま冷蔵庫に保管し、こまめに水を取り替えると2日ぐらいは持ちます。

冷凍保存をすると解凍した時にぐちゃぐちゃになるので、早めに使い切るのが鉄則です。

 




干し貝柱、干し海老の戻し方

蒸します。煮ても戻ることには戻りますが、高級素材を使う場合はやはり面倒でも基本に忠実に作ったほうが身のためです。蒸すことの利点としては、

  蒸気は水の沸点よりも高い温度なので早く戻すことができる。

  うまみや風味、栄養分が流失しがたい。

  形が崩れない。

貝柱を蒸して戻す方法は

  きれいに洗う。

  おわんに貝柱と水、葱、生姜をたたいたもの、酒を入れてラップをしてから蒸し器に入れる。

  手でほぐせるようになったら出来上がり。料理の上に散らしたりして使います。




 

野菜を炒める前に(湯通し)

炒め物をする場合、ほとんどの素材を湯通ししてから炒めます。強火でさっといためる方法では中まで火が通らないことがあるからです。

その時気になるのは風味や栄養分が湯通しによって失われることですが、それを防止するためにはお湯に塩をひとつまみ入れることによって解決されます。素材とお湯の浸透圧で、エキスが流出することを防止できるのです。

反対に野菜や肉からダシをとりたいとき(スープ)は真水から調理してください。調味料は最後に加えます。

この生理食塩水は豆腐を保存する時や、肉を流水解凍する時にも使えます。濃度は1%(水100ccにつき塩1g)。ちなみに青梗菜などの青物を湯通しするときはサラダ油を少したらすと変色を防ぐことができます。

 


 

バンバンジーの胸肉

パサパサにならないように、沸騰したお湯(塩少々を加える)に入れた後は弱火にしてください(沸騰する寸前を維持)。強火でガンガン煮てしまうと凝固してしまいます。また、火が通ったら冷ましたガラスープなどに30分ぐらい漬けておくと火の通り過ぎや乾燥を防げます。

そのほかにも手間はかかりますが、ビニール袋に入れて茹でる方法もあります。
しっとり棒棒鶏の作り方

 


 

煮魚

魚の肉は柔らかいため、煮るときは沸騰したお湯に入れます。そうすると、表面のたんぱく質が固まって煮崩れしないばかりか、うまみや養分が流失してしまうのを防げます。 


 

肉を柔らかく(肉の油通し)

千切りやスライスした肉をそのまま炒めてもおいしいのですが、一般的には薄い衣を付けてから油通ししておいたほうが味も食感も断然違います。薄い衣が水分やうまみが逃げ出すのを防ぎ、柔らかく、おいしくできるからです。もちろん手間はかかりますが、安いゴワゴワの肉が霜降り並みの柔らかさになります。

 切った肉を水につけておきます。蛇口の下に容器を置いてちょろちょろと水を流しておくだけでいいです。これで臭みがぬけます。

 水がきれいになったら軽く握って絞ります。灰汁や臭みのもとになる血液を出せます。

 重曹(100gの肉につき1g)をまぶして揉みこみ、10分おきます。④の調味液に重曹を一緒に加えてもいいです。

 肉の柔らかみのもとになる水分を補給します。肉は500gにつき、約200ccの水分を吸うことができます。その分量の水に塩、砂糖、コショウ、酒、各少々を加え、肉を軽く揉みこんでおきます。(10分)

 10分経つとほとんどの水分が肉に吸収されています。卵液を少し加えて軽く揉みこんでから片栗粉を加えます。片栗粉を加えてからはさっとかき混ぜる程度にします。粘りが出てくるとせっかくの衣が剥げ易くなってしまいます。濃度は、肉の表面にナチュラルヨーグルトがうっすらついているくらいが最適です。

 30分ぐらい置いておくと素材と衣がなじんで衣剥がれを防ぐことができます。すぐに揚げない場合は油をたらして乾燥を防いでください。→揚げる前に混ぜて油を衣になじませます。

 たっぷりの低温(100℃~130℃)の油で揚げます。手でパラパラとほぐしながら一気に入れます。この時点ではダマになっていてもかまいません。千切り肉の場合は菜ばしでやさしくほぐし、スライスの場合はオタマですくうようにしてほぐします。

 赤身の部分がなくなって8割方火が通ったら油から上げてOKです。ざるなどで一気に上げてください。

 炒め物に使う場合は火の通しすぎに注意してください。

ちょっと面倒な時は、肉を調味液に10分ほど漬けて水分を補給し、後に片栗粉を少々混ぜて低温で揚げれば、効果ありです。

 重曹=炭酸水素ナトリウム…ベーキングパウダーにも含まれる、いわゆるふくらし粉です。肉の保水力を高めることができますが、栄養分を損ねてしまうことと、加えすぎると苦味が出るといった短所があります。無害です。

 



うす衣(上漿)を付けるコツ

上記で説明したうす衣をつけることを上漿といい、天ぷらのように厚めの衣を付けることを挂糊と言って区別します。
上漿自体はは薄く、視覚的にも食感的にも表向きには目立たない存在ですが、失敗してしまうと、柔らか効果がなくなるばかりか、衣がはがれてしまってぐちゃぐちゃになってしまいます。


・調味液は薄すぎずに
調味液が水っぽくなると薄くなってしまい、効果が得られません。肉が充分に水分を吸った後にたくさんの調味液が残っている場合は液を捨ててしまいます。
また、下味は薄すぎるくらいがちょうどいいです。

・出来上がりの色を考えて下味をつける
醤油やオイスターソースで炒める場合は下味に醤油を加えたり、全卵を使っても見た目に影響は出ませんが、塩味でいためる場合は塩と卵白を使います。

・卵液を先に、片栗粉を後に
卵液は素材をコーティングして、加熱時に水分の蒸発を防ぐ役割があります。また、卵液は泡立てないように混ぜ込みます。
先に片栗粉を加えてしまうと素材の水分を吸ってしまい、縮みの元になってしまいます。

・低温の油で揚げる
油の温度は100℃~130℃ほどが最適です。
まずは衣を付けた素材を少し油に入れてみて、底の方でシュワシュワと細かい泡を出しているくらいの温度が最適です。
温度が低すぎると衣が剥がれてしまいますし、高すぎると素材同士がすぐに引っ付いたり、硬くなってしまいます。
油に入れた後は菜箸などで優しくほぐしてあげます。

・揚げすぎに注意
油通しした段階で少しぐらい生っぽくても余熱で火が通りますし、最後に炒めることを考えれば半生でも問題ありません。
スライス、細切りした肉は思ったよりも早く火が通ります。

・冷凍物の素材に上漿する場合は完全に解凍してから
凍ったまま、もしくは半解凍のまま衣を付けて揚げると、素材の水分が後から溶け出してきて衣がはがれやすくなってくるので、完全に解凍した素材を使います。

・水分、脂分が多い素材の場合
このような素材は水分の多いうす衣を付けても剥がれてしまいますので、下味をつけた後は片栗粉をまぶすだけにしておきます。

・原料によって上漿方法を変える
素材がしっかりしていて型崩れしにくいものは上記の欄に説明したように、調味液につけた後、片栗粉や卵液をもみこみます。
やわらかい素材は揉みこむうちに型崩れしてしまうので、調味液や片栗粉、卵液を混ぜ合わせたもの(混合液)に素材を和えるような方法で衣を付けます。

・海老は上漿する前に塩でもむ
海老は水分が多いので衣がはがれやすい素材です。塩で揉むことによって余分な水分や臭みを出すことが出来ますし、その後に上漿液に漬ける事によって衣がしっかりとなじみます。
海老の場合は肉と同様、調味液につけてから卵白を加えて揉み、後で片栗粉を加えます。

・貝柱の場合
肉や海老の方法と同じです。
水分が多くやわらかいので混合液を付けただけでは衣が剥がれてしまいます。
まずは調味液に漬け込んだあと、卵白を優しく絡めます。
卵白がなじんだら片栗粉を加え、軽く混ぜ込みます。
最後にサラダ油を少々加えて混ぜます。
サラダ油を衣に混ぜることによって粘度が増し、貝柱に均等に衣が付きます。

・寝かせる
時間がないときは上漿した後にすぐ揚げることが出来ますが、出来れば30分ほど寝かせた方が、素材が充分に水分を吸うことが出来ますし、衣の付きもよくなります。
レストランの厨房ではたくさんの肉を一気に上漿して、ラップをして冷蔵庫に保管しています。
この方法だと1日~2日は保存することが出来ます。







肉を柔らかく(湯通し)


上記の方法のほかに、湯通しする方法もあります。

 たっぷりの水を沸騰させ、いったん弱火にします。

 上記の方法で衣付けした肉をパラパラとくっつかないようにお湯の中に入れます。

 強火にして沸騰させ、8割ぐらい火が通った時点でざるにあけます。

 ざるごと水にさっとつけます。これによって衣が凝固してツルッとした食感になります。


油通しすると結構油っこくなるので、家で食べる場合はこの方法が最適かもしれません。

※油通し方法よりも水っぽくなるので、トロミをつける炒め物に使うのが最適です。

 


 

肉を柔らかく(漬け込み)

重曹を肉に使うと保水力が高まるために柔らかくなりますが、わざわざ重曹を使わなくても柔らかくなる下処理の方法があります。

パパイヤ抽出物(パパイン)を粉末にしたものを使う。

 生姜汁や、すりおろした玉ねぎを加えて揉んでおく。

  生の果物(パパイヤ、パイナップル、キウイ、梨、りんごなど)のすりおろしを加えてもんでおく。

酢豚にパイナップルが入っているのは肉を柔らかくするためなそうですが、きっと、漬け終ったパイナップルがもったいなかったのでしょう。

生姜汁を使うときはチューブ入りのを使わずに生のすりおろしを使います。チューブ入りのは性質が変わっていますので、風味はあっても薬効などは失われています。

 


 

冷凍むき海老の下ごしらえ

調理後のピンク色の海老は食欲をそそりますが、冷凍することにより生の状態でもこのピンク色は濃くなります。この濃くなった色は実はなまぐさみの素で、これをとることから安い海老がプリプリの高級海老に早変わり(?)します。

 解凍した海老を飽和食塩水でかきまぜ続けると、次第に赤い筋が取れてきます。

 海老が白くなったら水を切って、片栗粉をまぶして軽くかき混ぜ30分ぐらい置いておきます。

 水洗いをして、片栗粉をとってから少量の水に漬けておきます。

 背開きするか、爪楊枝をさして黒いワタを取り除きます。


濃い塩水で細胞を収縮させることによって赤い筋を取ることが出来ます。

片栗粉は水分と一緒に海老のなまぐさみや汚れを取る作用があります。

最後に水に漬けることによって失われた水分を補給します。 

といっても、日本人にとっては海産物のなまぐさみは中国人ほど敏感ではありません。簡単な下処理の方法としては


 解凍した海老のワタを取り、片栗粉で揉んで汚れを取ります。

②少量の水+塩少々+重曹少々をいれて馴染ませます。続いて卵白少々、片栗粉少々を加えて軽くもんでから10分ほどおきます。→冷蔵庫に入れておくと身が引き締まります。

 ③低温の油(100℃~130℃)で、ほんのり赤味がかる程度に油通しして、炒め物などに使います。


片栗粉と卵白の膜は水分が飛ぶのを防いでくれるため、縮みを防ぐことが出来ます。

いずれにしても、冷凍むき海老は氷の膜に包まれているため、解凍した時点ですでに小海老サイズに縮んでしまいます。多少手間がかかっても無頭殻つき海老などを使ったほうが無難です。

 


 

生ホルモンの臭みを取る

生ホルモンって強烈なにおいがしますよね。袋を開けた時点で調理する気が萎えてしまいます。火を通してもなかなか消えません。一般的には食塩やミョウバンを使って臭みを取るのですが風味に影響が出てしまいますので、小麦粉or塩を使います。

 生ホルモンを水洗いして粘りを取る。

 小麦粉をまぶして擦るようにしごく。

 水洗いをして小麦粉を取り除く。

 沸騰したお湯(酒、塩、コショウ)で湯通しをしてから冷水に浸します。

これで結構臭みは取れます。

 


 

肉の切り方

チンジャオロースーなど、肉を千切りにするときは必ず肉の筋に沿って切ることが大切です。これによって、加熱しても肉の組織が崩れずにまっすぐな千切りに仕上がり、また、ボロボロと砕けてしまうのを防ぐことができます。反対にスライスする時は筋に対して直角に切ります。これによって肉が硬くならず、また、くるっと丸まるので汁もつきやすく見た目もよくなります。これは牛、豚、鶏肉全てに当てはまります。

 


 

ひき肉を作る

ひき肉と言えば、スーパーで売っているパック入りのを使うのが当たり前ですが、塊りを包丁で叩いたひき肉のほうが実はおいしいです。

肉のうまみや臭みは全部細胞内にあるわけですが、包丁で叩くと言う手作業では細胞が受けるダメージは不均等なため、細胞の破壊が比較的少なく、肉汁の流失は最小限に留まります。一方、機械を使ったひき肉はかなりの圧力を肉にかけて搾り出すのでほとんどの細胞が破壊され、臭み、うまみ、血液がすべて流れ出るので当然風味は落ちてしまいます。加熱すると肉汁は結構でますが、肝心の肉のほうはスカスカになってしまいます。

手作業で作ったひき肉は肉の食感があるためにおいしく感じますよ。

 


 

肉団子のコツ

柔らかい肉団子を作るには闇雲に混ぜればいいというわけではありません。まずは肉の粘りを出すことが大切です。

①肉は冷蔵庫から出したばかりのは使わずに、室温に置いておき、包丁の背で軽く叩いておきます。

②塩を混ぜ、一方向にかき混ぜて粘りを出します。逆方向に混ぜるとうまく粘りが出ません。この粘りが保水力を高めます。→塩分は肉のたんぱく質の保水力を高めます。

③粘りが充分に出てきたら葱姜水(葱と生姜のぶつ切りを漬けた水)を少しづつ加えます。

④片栗粉を少量加えます。これは余分な水分を吸い取るためと、加熱したときに水分の蒸発を防ぎます。但し、加えすぎると固くなってしまうので注意です。

⑤スープなどに入れるときはあまり煮過ぎずに、あくが出てきたらOKです。

※醤油を加える場合は少しずつ混ぜるようにします。

※揚げ肉団子を作る時に葱や生姜のみじん切りを加えると焦げてしまって、味も見た目も悪くなってしまいます。葱姜水を使いましょう。


 


 

餃子の具にはごま油

餃子の餡にはひき肉のほかに白菜などの野菜を入れるのが一般的ですが、生の野菜をそのまま使うと塩気によって水分が出てしまうので事前に塩もみをして水分を出しておくことが大切です。

が、面倒ですし、野菜の歩留まりも悪くなってしまいますので、こういうときはみじん切りした野菜にごま油をなじませておいてから調味した肉餡に混ぜ合わせます。油の層が塩気から守ってくれるからです。

また、風味も増すので一石二鳥です。

※野菜を湯通しして水気を取る方法もありますが、旨みの損失は免れません。

 


 

水餃子には塩

最近ではスーパーでも水餃子が売られるようになりましたが、食べる時に餃子同士が引っ付いて皮が破けてしまったことがあると思います。そういうときは、ゆでる時に塩を適量入れます。(パスタを茹でる時と同じ程度)

そうすると、皿に盛った後、餃子がお互いにくっついてしまうのを防げます。また、皮の弾力が強くなり、ムチムチした餃子の食感を楽しむことができます。

チルドの水餃子は皮が具の水分を吸ってふやけている場合があるので、冷凍物を買って凍ったままゆでるのが大切です。

※塩分は小麦粉のたんぱく質を凝固させる働きがあります。

 


 

イカを炒める前に…

回転寿司にいくと、私が真っ先に食べるのがイカというほどの根っからのイカ好きです。でも、炒め物にしたときはゴムみたいに硬くなってしまいます。そこで、松笠切り(格子状の切り目)をすることをオススメします。→醤皇爆烏賊

 イカ下足、内臓、耳をとり、胴体を開いておきます。皮をむく必要はありません。

 長細い三角形になった身を、縦方向に切ります。

 切り目を入れます。内臓側に切り目を入れるので内側の白い部分を表にしておきます。右上の角から斜めに包丁を入れていきます。その時の包丁の角度は斜め45度。身を全部切ってしまわないように3/4の深さを切ったところで刃を止めます。のこぎり方式で切ると、皮の部分まで切ってしまうので押すような感じで切り目を入れてください。切り目の間隔は4~5ミリです。

 次に縦に切り目を入れます。包丁の角度は斜めにする必要はありません。

 切り目はこれで完成したので、食べやすい大きさに切ります。イカは加熱すると丸まるので大きめに。

これで松笠切りは完成しましたが、次に大事なのが湯通しです。そのまま炒めても火が通り過ぎて食感が悪くなってしまいます。

 沸騰したたっぷりのお湯に塩を少々入れる。

 イカの切り身を一気に入れ、1~2秒で取り出す。ざるですくい上げるよりもお湯ごとざるにあけた方が過熱しすぎを防げます。

これでほぼ火は通りました。調理に使う際は最後に加えてさっと炒める程度にしてください。湯通しした後はすぐに調理できるようにしておきましょう。

 


 

トイレ洗剤で肉を漬け込む!?

「○○にある食堂では、トイレの汚れ取りで肉を柔らかくしている!」

日本で同じような報道があった(?)のを受けて、中国でもこのような記事が新聞をにぎわせました。ケンタッキーの発がん性着色料事件の前後で、食の安全に関する関心が高まっていた時期だったので、かなり騒がれました。

この時に頭に浮かんだのは「肉+サンポール」。確かに肉が柔らかくなりそう…。でも、このトイレ洗剤の正体は重曹でした。ベーキングパウダーにも含まれる、いわゆる「ふくらし粉」です。

弱アルカリ性の重曹は一定の腐食作用があり、肉を柔らかくするのです。また、汚れを取る洗剤の役目も。
加熱することによって二酸化炭素を発生させるので、パンや菓子のふくらし粉にも使われる他に、消火器の中にも入っているようです。

※一部の厨房では重曹よりも強いアルカリ性の炭酸ナトリウムを使っている所もありますが、中毒性もあることから一般的には重曹を使用しているようです。




重曹のその他の使い方

・焦げ付きを取る・・・磨き粉のように使うか、水を張って小さじ2程度の重曹を入れて沸騰させた後に火を止めて数時間待ちます。アルミ製の鍋は変色しますので不向きです。

・ガスレンジの汚れ・・・重曹を振りかけて油分をなじませてから磨きます。

・シンクの汚れ・・・振りかけて擦ります。

・茶渋、コップのくもり・・・振りかけて磨きます。傷が付かないため、プラスチック製品にも最適です。

・野菜の発色をよくする…枝豆をゆでる時に重曹をひとつまみ入れると、時間がたっても黄色く変色しません。

・野菜洗い・・・大き目のボウルに大さじ2の重曹を溶かして水洗いします。

・脱臭効果…冷蔵庫や下駄箱に1カップの重曹を入れておくと、脱臭効果が2ヶ月持続します。使い終わった後は食用にはせずに掃除などに使います。

じゅうたんにまぶして2時間後に掃除機をかけても良いようです。

・胃薬…胃酸過多になったときに飲むと良いようです。(医者の指導の下)

・マウスウォッシュ…水に溶かしてつかうと口臭予防になるそうです。

・入浴剤に…ひとつかみの重曹を湯船に入れると重曹泉と同じように炭酸ガス効果で血行をよくする作用があります。



重曹のオールマイティーな性格が災いしたこの事件は、いまでも地方で騒がれているようです。調理師の間では重曹を「食粉」という専門用語で呼ぶのと、パッケージの箱がすべて英語(輸入品)なのが、問題解決を遅らせているようです。


※重曹は無害です。多量に摂らない限り…。

※長く保管しておくと性質が変化してしまいますので、食用にするのは避けて掃除用に使います。
※掃除用、食用と、さまざまな重曹が売られていますが、成分は同じです。ただし、衛生面の問題を考えるとやはり調理には食用のを使ったほうが良いです。




へたった野菜をシャキッと

新鮮な野菜は火を通してもシャキッとしてますが、へなへなになった野菜は食感や味が悪くなってしまいます。

そこで、酢を数滴たらした水の中に野菜を入れておくと、シャキッとしてきます。ただ、あまりにもへたってしまった野菜には効果がありません。付け合せのパセリや香菜などの鮮度保持には効果ありです。

 


 

食品彫刻の鮮度保持

中華の付けあわせによく大根やにんじんの根菜で作った花などを使います。それらを保存する際は1%濃度のミョウバン水につけておくと色合いもシャッキリ感も保持できます。


 

ドジョウ系

中華ではシャンイー(魚へんに善)と言う田ウナギをよく使います。ドジョウのでかいやつです。この田ウナギが死ぬととても強い中毒物質ができるので、必ず生きているものを使います。また寄生虫などの問題もあるのでしっかりと火を通すのが大切です。

柳川鍋のドジョウは生きたまま鍋に入れるので残酷な気がしますが、同じような理由からそのような方法で調理します。

 


 

魚の腹の黒い膜

魚をさばくと、内臓と接したところに黒い膜がついていますが、これは布巾などでふき取るようにします。この黒い膜は臭みの原因となるばかりでなく中毒を引き起こすこともあります。


 

豚レバーの下処理

夏になると食べたくなるのがレバニラです(ニラレバでもいいですが)。でも、調理方法を誤るとスタミナがつくどころか中毒を起こしてしまいます。レバー(肝臓)は体の中の有毒物質を解毒する器官なので、弱った豚の肝臓にはまだ有毒物質が残っている場合があるからです。適切な下処理をしておくことが大切です。

 レバーを薄くスライスする。

 水につけて血抜きをする。きれいな水になるまで何度か水を替えます。これによって有毒物質も臭みもだいぶ取ることが出来ます。

 揚げる場合は酒等で下味をつけてから打ち粉をして、しっかりと火が通るまであげます。

 揚げずに炒める場合は先に湯通ししておきます。このときは水に酒、コショウ、塩、砂糖、うまみ調味料各少々を入れて、沸騰したらレバーを投入します。

 お湯が再度沸騰したらレバーを取り出して炒め物に使います。


 

油を長持ちさせる

揚げたり、炒めたりと、サラダ油を使う機会は本当に多いです。揚げ油は濾すことによってきれいになりますが、濾せば何度でも使えると言うものではありません。きれいに見える油でも加熱を繰り返すだけで、化学反応を起こし有毒物質ができてしまいます。とはいえ、しょっちゅう替えてもられません。鮮度の保ち方としては、

  暗いところに保存する。

  濾す。

  不純物を取りたいときは濃い目の水溶き片栗粉を揚げれば、片栗粉が汚れを吸い取ってくれます。

  揚げ物の匂いがついてしまった場合はジャガイモを揚げることで軽減できます。フライドポテトも食えるし一石二鳥。

ただ、濾したりしても沈殿物ができたり、過度の変色、濁り、粘度が出てきた場合は使うのを止めましょう。


  

野菜炒めのコツ

強火で野菜をいためるときはできるだけ水っぽくならないように仕上げたいものです。そのためには塩を加えるのは最後にすることが大切です。でないと、野菜の水分が炒めている間に余分に出てきてしまいます。

また、野菜と一緒に酢を少したらすとベタベタせずにシャッキッとした食感になります。

菜っ葉類を炒める時は酒を入れると変色を防げます。

大切なのは火力です。火力が弱いと煮物になってしまいます。

汁が出すぎて野菜炒めならぬ野菜煮になってしまった場合は、片栗粉を水に溶かして最後に加えると、汁が野菜にからんでいい感じになります。

  にんにくの芽…冷凍のにんにくの芽は別として、生のをそのまま炒めるとなかなか火が通りませんし塩気も染み込みづらいので、これも湯通しをしてから調理するようにします。

  インゲン…インゲンは生のまま食べると下痢などの中毒を起こしてしまいます。冷凍物はすでに湯通ししてあるので心配は要りませんが、生のインゲンを炒める場合は湯通しor油通ししてから炒めるようにします。

  にんじん…スーパーで売っているニンジンはすでに薄皮が剥かれています。調理する場合はタワシで洗う程度で充分です。

  葱…鍋に油を敷いてから葱のみじん切りを弱火で加熱します。そうすることによって葱油ができ、コクが出ます。ただ、葱は焦げやすいので注意してください。

  ジャガイモ…ジャガイモの千切り炒めは代表的な家庭料理です。切った後に塩水につけておくと変色を防げ、シャキッとなります。

  茄子…切った後は変色しやすいので塩水につけておくと変色を防ぐことができます。片栗粉をまぶして高温でさっと揚げると発色もきれいになります。


もやし炒めのコツ

金欠の時は野菜の補給をもやしに頼るしかありません。救世主的な面もあるので料理にはたくさん使いたいものですが、水分が多いために少しでも炒めすぎるとベチャベチャになってしまいます。解決するには炒める前に湯通ししておくのがいいです。

  たっぷりの沸騰したお湯に塩、酢少々を入れ、もやしを30秒ほど湯がく。これで臭みも取れますし、酢を入れることによってもやしが変色せずに白くなります。

  ざるに取り水気を切っておく。

  他の野菜が炒め終わった後にもやしを入れて、軽く炒めてから味付けをする。

直接いためるときは酢を入れていためるとシャキッと仕上がります。

 


 

卵のあれこれ

ゆで卵、玉子焼き、かき玉、茶碗蒸し、ぶっかけご飯…。たまごの用途は計り知れません。まずは保存方法から。

  保存方法…先のとがった方を下にして冷蔵庫に保存しておく。

  表面がざらざらしたものを選ぶ。日本では日付シールが貼られているのでそれを見れば鮮度がわかるのですが…。

  茶碗蒸し…スープで溶かした卵液は85度で固まり、それ以上になると「す」ができてしまいます。卵とガラスープの割合は、卵2個にガラスープ350cc。沸騰した蒸し器に強火で4分、火を消して8分蒸らすのが理想です。また、蒸しあがった後に刻み葱をのせ、熱したごま油をかけると中華風になります。茶碗蒸しには圧力鍋

  ゆで卵…基本は水から煮て、煮上がったらさっと水につけ、冷めないうちに殻をむきます。注意点は、火力が強すぎると衝撃で殻が割れやすくなるので中火で煮ます。また、硬く仕上げる場合も、沸騰後10分以上煮ると黄身が緑色に変色してしまうので注意が必要です。沸騰後5分煮ると半熟卵になり、沸騰後7分煮ると硬ゆで卵になります。

殻が割れてしまった場合は塩をひとつまみ入れてみてください。塩はたんぱく質を凝固する作用があるので、中身が流れ出るのを防いでくれます。

  ゆで卵を切る時は…包丁を熱湯に漬けて熱くしてから切ると黄身もきれいにスパッと切れます。パンやケーキを切る時も同様の効果が得られます。

  ポーチドエッグ…ゆで卵の殻をむくのが面倒なのでよく作るのですが、失敗すると白身が散乱してしまいます。そうならないためには沸騰したお湯に塩と酢少々を入れてから卵を割りいれるとうまくまとまってくれます。

  卵スープ…スープに水溶き片栗粉で軽くとろみをつけてから再度沸騰させて溶き卵を流しいれると、ふんわりときれいに仕上がります。また、最後に酢をほんの数滴落とすとふんわりが持続します。入れすぎに注意してください。

  薄焼き卵…水溶き片栗粉少々を卵に混ぜてから焼くと破れにくくなります。

  かに玉…味付けした卵液に水溶き片栗粉少々を加え、先に1/3だけを鍋に入れかき混ぜます。半熟状態のスクランブルエッグになったら残りの卵液に戻し混ぜ、それから全てを鍋に入れて調理するとふんわりとしたカニ玉になります。

  玉子焼き系の料理を作る場合、うまみ調味料を加えると卵自体のうまみが損なわれるばかりか生臭みが出るので使わないほうが無難です。

 


 

酸っぱいだけが酢じゃないっす(汗)

  酸っぱいのが好きな人…料理にジャンジャン使ってください。

  酸っぱいのが苦手な人…もっとジャンジャン使ってください。酸っぱいだけが酢ではありません。

  酢を肉料理などに使うと油っこさを解消することができ、風味を増すことができます。これは酢が油を細かい粒子にする働きがあるからです。

  たんぱく質を分解する性質があるので肉を速く柔らかく煮ることができます。

  肉や魚などと一緒に加熱すると臭みが中和され、また、酸味と発酵物質が反応してうまみが生まれます。酒も一緒に加えると、この二つの効果は倍増します。

  酢を入れて煮込むと素材のビタミンの流失を防ぐことができ、また、ミネラル分を体内に吸収しやすくしてくれます。

  酢は細胞壁を守る働きがあるので、野菜炒めなどの時に酢を少したらすとシャキッとした食感を維持できますし、さっぱりとした味になります。

※穀物酢の酸味は強すぎるので、黒酢を使ったほうが良いかもしれません。安価な輸入品で充分です。黒酢の上部に白い膜が張ってあるのは変質している証拠なので、チェックしてから買いましょう。






酢を使えばスッパイしない

  上記で紹介した効果を得るには、調理の最初に酢を加えてください(素材と酢を同時に加熱)。最後に入れても酸っぱくなるばかりです。

  酢は過熱すると揮発する性質があるので、酸味を強調したい時は最後に加えます。

  サンラータンなど、酸っぱいスープを作る時は加熱し終わった後に酢を加えます。酢を加えた後に加熱すると風味が悪くなるばかりか、白い泡が出てきます。

  酸味の強い料理の場合、うまみ調味料を入れてもあまり効果は望めません。

  黒酢は酸味がまろやかで調理に向いています。米酢は酸味が強いので加えすぎに注意してください。

  酢の物に使う場合は野菜の変色を防ぐために、食べる直前に和えます。

  カリフラワーをゆでるときに酢を数滴たらすと変色しません。

  レンコンを調理する前に酢を数滴入れたお湯でさっと湯がくと変色しません。

  とんこつなどでダシをとってスープを作る時には酢は加えないでください。





料理酒の効果

中国の料理酒は黄酒というアルコール度数の低いクセのない酒を使います。素材を湯通しする時、炒める時、タレを作る時、スープを作る時、下味をつける時など、用途は様々です。酒も酢同様、いろんな働きをしてくれます。

  肉の臭みをとる…調理前に肉を漬け込みます。酒は肉に染み込みやすく、肉の臭みと結びつき、加熱すると一緒に蒸発してくれます。加熱するときに酒を入れても効果があります。

  引っ付きを防ぐ…肉をそのまま炒める時は、事前に肉に酒を振っておく事によって鍋に付きにくくなります。

  もやしの臭みを取る…もやしを炒める時に酒を加えると特有の臭みが飛んでくれます。

  風味が増す…アルコールが飛んだ後は発酵成分が残り、まろやかになります。この時に酢を一緒に加えると、成分が一緒に飛んで、いい香りを出すことができます。また酒は酢の酸味を軽減する働きがあるため、一石二鳥です。

酒の効果を充分に引き出すには、温度が一番高いときに加えると反応効果が促進されるので、それを考慮にいれて加えるといいです。酢と酒は相性がいいので一緒に使いましょう。

 


 

うまみ調味料(味精)

グルタミン酸ナトリウムです。

中華料理症候群と言われる原因のもとはこのうまみ調味料にあります。ある中華料理店でワンタンスープを食べた複数の客が、めまいや吐き気を訴えたことから明るみになったそうで…。

実験で肉に大量のグルタミン酸を挟んで犬に食わせたら、泡を吹いて倒れたそうな…。

そういえば、中国の屋台でワンタンスープを食べた時はたまに具合が悪くなったことがあります。小さいおわんに醤油と桜海老、岩のり、そして大量のうまみ調味料をお湯で溶いたと言う簡単なものでした。

日本のラーメンや炒飯にも大量ののうまみ調味料が使われています。

なんて書くとうまみ調味料なんて使いたくなくなりますが、要は使う量なのです。醤油でも味噌でも砂糖でも、大量に摂ってしまったら身体を壊すに決まってます。調味料と言うのは適量を使うのが鉄則なのです。えらそうですが…。

  味精+塩=うまみ…塩は味精の増強剤みたいなもので、味精だけなめてもうまいとは感じません。塩味あっての味精なのですが、食塩と味精のバランスは反比例の関係にあります。薄味のものには味精は少し大目、濃い口のものには少なめの味精が、最も口に合うバランスになります。

・使う量に注意・・・舌には、旨み、甘み、しょっぱみ、酸味、苦味を感じる5種類の受容体があります。もしも、旨みが多すぎると、一つの受容体では受けめられずに、苦味の受容体を刺激してしまい、ほんのりビターな料理になってしまうので注意です。

  酢と味精…酸味の強い料理に味精を入れて加熱調理すると、味精のうまみは消えてしまいます。いくら入れても同じです。

  卵と味精…混ぜて加熱すると、卵の臭みが強調されてしまいます。

  加熱…味精は加熱するとうまみが失われてしまいます。煮る、炊く程度の温度でしたら問題はないのですが、油で揚げたり、炒めたりすると化学反応を起こしてしまいます。そのために、炒め物などをする時は最後に味精を加えるようにしましょう。

加工食品の成分表示を見るとグルタミン酸は「アミノ酸等」という表示をされるのですが、味の素も飲料に入れて飲めばダイエットなどに効くのでしょうかねぇ?何はともあれ、使いすぎると良いことは無いようです。

 


 

ラー油

辛い炒め料理をする時は最初に唐辛子を軽く炒めるのですが、焦げやすくて真っ黒になってしまったことが何度もあります。見た目が悪くなるばかりか、肝心の辛味も半減してしまいます。そこで、ラー油を仕上げに使えば簡単に辛味を補うことができます。市販品もいいですが、簡単に作れるので挑戦してみてください。

  一味唐辛子を少し湿らせておく。これによって、辛味と色が充分に油に抽出されます。

  低温の油でじっくり揚げる。泡が出るかでないか程度の低温です。

  充分に色が出たら火から下げ、濾します。唐辛子を入れたままだと余熱で焦げてしまいます。

 


 

にんにくは欠かせない?

にんにくは全ての中華料理に欠かせない素材…と思いきや、そうでもなかったです。むしろ葱と生姜が全ての料理に活躍していると言った感じでした。

中国人は生のにんにくの辛味が大好きです。水餃子にはにんにくが入っていませんが、生のにんにくをかじりながら餃子を食べます。炒め物でも、イタリアンのように最初ににんにくを炒めるのは少なく、出来上がり直前ににんにくのみじん切りを入れるのが多かったです。また、涼菜(和え物)にもにんにくのみじん切りは多用されていて、特に涼拌黄瓜(キュウリをたたいたものに塩、砂糖、酢、味精、ごま油で味付けしたもの)には、生のにんにくの風味は欠かせません。

昼さがりに人ごみの中に入ると必ずと言っていいほど強烈なにんにくの匂いを発している人がいるほどなので、にんにくの匂いについては日本人ほど敏感ではなのは確かです。

日本人には生のにんにくは腹痛のもとになる場合があるので多量に食べるのは禁物ですが、スタミナも付きますし上手にとりたいものです。

  にんにくは必ず叩く…スライス、みじん切りする前に、包丁でにんにくを叩いてつぶすと風味がいっそう強まります。

  まるごと食べる…にんにくを丸ごと湯通しすると、臭みが取れるばかりでなく、甘みも出ます。丸ごとにんにくをあげる時も事前に湯通し(重曹を少々加える)をしておくときれいな色に仕上がります。

  炒める時は低温で…低温の油で焦がさないように炒めます。葱や生姜も低温で炒めます。

 


 

野菜を冷凍する

スーパーで売っている冷凍枝豆って、着色料を使っているかのような鮮やかな緑色をしていますよね。家庭でゆでた野菜を冷凍した場合は、市販品と比べてどうしても色が悪くなってしまいます。市販品は一気にマイナス40度まで冷すので品質を維持できるのです。でも、家庭でも色だけは市販品と同じように新鮮な色を維持できるんです。

  枝豆などの野菜を、2%の重曹を溶かした20度ぐらいのぬるま湯に漬けておきます。(30分~1時間)

  軽く水洗いをしてから、塩を入れたお湯で煮ます。

  冷水にさっとつけて冷まします。

  冷気が直接当たらないようにラップやビニールに包んで冷凍します。

 


 

中華なべに魂を

家庭ではテフロン加工のフライパンを使うのが何かと便利ですが、やっぱり炒め物には中華なべを使ったほうがうまくいきます。自分自身、錆びやすい、かさばる、重い、焦げ付き易いといったマイナスのイメージがあったのですが、使ってみると手放せなくなること間違い無しです。

まずは鍋に魂を入れるところから始めましょう。中国では両方に取っ手のついているものが主流なのですが、日本のガス台で使うことを考えるとフライパンのように長い柄がついているものが使い易いと思います。

  買う。中華鍋には炒めるほかにいろんな用途があるので、マルチに使いたいのであれば大きめのほうがいいかと思います。大は小を兼ねるです。

  錆止め剤がついているので買ってきたら使う前にまず空焚きをします。強火にかけると煙が出てきて黒い鍋がだんだん紺色に変わっていきます。位置を変えたりして、まんべんなく火を通して全体が変色するまで空焚きをします。これをすることによって焦げ付きづらくなります。また、くれぐれも火傷に注意してください。

  火を消して冷ましたら、油を敷き、野菜屑などを炒めて油を鍋になじませます。この炒め物は食べないでください。

  鍋を洗ったあとは火にかけて水分を飛ばしてからしまって下さい。

以上が中華鍋の魂入れの儀式です。これをしないと、焦げ付きまくって使い物になりません。洗うときは洗剤を使わず、たわしでお湯を使って汚れを取るだけでOKです。 

正直めんどくさいと思いますが、確かに手間のかかるやつです。でも、慣れると面倒なんて思わないし、とても使える鍋なのです。重い点などはどうにもなりませんが、それだけ頑丈にできていると言うことです。正しい使い方をすれば普通のフライパンの何倍も長持ちするので、家庭で使う分には一生モノかも知れません。

 





優れものの中華なべ

  底が丸くて安定性がないように感じますが、ガスコンロの五徳にもしっかりとはまりますので意外とぐらつくことはありません。しかもこの丸底が調理にはもってこいなのです。

  丸底の形が平らな鍋に比べて炎の熱が無駄なく伝わり熱効率に優れ、なべ底全体が温まりますので家庭用のガスコンロの火力でもしっかりと強火の高温を確保できます。

→炒め物に最適。鉄は保温に優れているため高温で調理できますので野菜が水っぽくならず、炒飯はパラパラに仕上がります。

→フライ返しを使わなくても鍋振り、返しが比較的簡単にできます。

→炒め煮をするときも、揺らしてなべ底全体を使うことができるので水分を早く飛ばすことができます。

→煮込み料理も効率よく高温を維持できるので、柔らかく仕上がります

→お湯が早く沸きます。


→ガス代が節約できます。

  また、中華鍋は口が広いので平底の鍋に比べてふきこぼれにくいという利点があります。麺をゆでる時に最適です。

  鉄でできているので鉄分補給が自然にできます。

 
テフロン加工のようにデリケートではないので金属製の調理器具もガンガン使えます。





中華なべ日ごろの使い方

炒め物など、油を敷く場合はしっかりと鍋を熱してから油を入れて何度か揺らしてなじませてください。煙がもくもく出てきた場合は余分な油を流して新しい油を足してください。

卵料理など、くっつきやすいものの時は一回なじませた油をポットに戻してからもう一度油を入れてなじませます。こうすることによって鍋肌に油の層ができて一層焦げ付きにくくなります。

揚げ物をする場合は少量の油をなじませた後に揚げ油を注いでください。

これでも焦げ付く場合は空焚きをしてから水洗いをしてください。これによって目に見えない汚れが取れてつるつるの状態が維持できます。

洗ったあとは必ず空焚きをして水分を飛ばしてください。もしもさびてしまった場合は洗剤を付けてスチールたわしでこすると錆は取れます。

ステンレスの鍋は軽くて錆びず、電磁調理器にも使えたりと重宝しますが、薄すぎるので炒め物には不向きです。また、ステンレス鍋で味噌汁を過熱すると爆発するとテレビで言ってました。

もっと気をつけたいのがアルミ鍋。人間の身体にも微量に含まれていますが、料理に溶け込んだアルミを摂り過ぎると、なんと脳みそに蓄積されてボケの原因になるといわれています。

料理には鉄鍋か、ホーロー鍋がいいようです。


 




揚げ菓子の注意点

粉を捏ねて揚げるもの(ドーナツや揚げパン)を作る時は必ず砂糖とベーキングパウダーを加えます。でないと油で揚げている時に爆発してやけどをする可能性があるからです。もち米粉は粘りがあるので大丈夫ですが、小麦粉でも上新粉でも、全ての粉類に言えることです。









見切れ品の野菜は得か?

スーパーに行くと、ちょうど食べごろのバナナや、しおれかかった野菜が見切れ品の陳列棚に並んでいます。
多少鮮度に問題があっても今日中に調理することを考えると、得するように感じますが、野菜によっては安物買いのナンとやらになる場合があります。


・ブロッコリー…蕾の集合体ですので、成長しようとする生命力はかなり旺盛です。収穫されたあとも茎などの水分や栄養が蕾に消費されますので、野菜の旨みは時間が経つにつれてかなり激減します。ちなみに茎の部分は茹でてサラダの具にしたり、スライスして炒め物にも使えます。


・アスパラガス…芽の部分なので生命力はブロッコリー同様に旺盛で、収穫したあとも、先端の部分が上へ伸びてきます。なので、スーパーでは寝かせて陳列することはありません。ちょっと先端が曲がっているのは古い証拠。また、収穫した時の切り口は野菜自体の治癒力で、木のように硬くなってきます。選ぶ際は切り口が固くないもの、先端が曲がっていないもの、紫色が濃いものを選びます。
このような野菜は買ってきてからチルド保存しておくと成長をある程度止める事が出来ます。


・枝豆、とうもろこし…夏になるとどうしても食べたくなる野菜の一つですが、朝取りしたものをすぐに調理しないと糖分やうまみが半減してしまいます。収穫して時間が経ったものは冷凍されたもの以下の味です。
冷凍物の枝豆はほとんどが中国産ですが、現地の枝豆工場では日の出と同時に収穫して、午前中のうちにブランチング(茹でる)をすませ、冷凍しています。

ちなみに枝豆の発色をよくするには沸騰したお湯に重曹と塩を入れて茹でます。
生の枝豆を塩もみして1時間ほどおき、4%の塩水を沸騰させてから重曹少々を入れ、3~5分茹でます。
水気を切ったら冷水にはさらさずに風などに当てて冷まします。

とうもろこしは葉をつけたまま沸騰後(塩水)3~5分茹でるとしゃきっとした食感になります。


・山菜…産直センターなどでよく売られていますが、ワラビやたけのこ、たらの芽など、ほどんどの山菜は若い芽の部分を食用にしていますので、これも上記の野菜と同じように時間が経つにつれて旨みが激減したり、木化して硬くなったりしやすいです。種類によっては植物のストレスによってエグミが強くなってしまいます。
たけのこ、ワラビ、フキなどは、灰汁を取ったりと手間がかかるので、水煮を買うのもいいかもしれません。








冷凍食品を使う

保存が利くのと、種類の豊富さ、価格の安さから、家庭や業務用で使われる冷凍野菜の量は年々増えているようです。

冷凍食品を買う際は、霜の付いてないものを選びます。(霜の付いたものは一回解けかかった証拠)

冷凍野菜を調理する際は、自然解凍をするとほとんどの野菜でスカスカのシナシナになるので、凍ったままの野菜を熱湯でさっと茹でるか、そのまま調理します。

ただ、便利で安価な冷凍食品も種類によっては使わないほうが良いのかもしれません。


・ほうれん草などの葉物…便利で安く、おひたしなどに使えますが、残留農薬が気になります。
何年か前に中国産のほうれん草から無許可の農薬が検出されて問題になりましたが、あんなのはほんの氷山の一角です。

葉物類で無農薬の虫食い無しに育てるのはコストがかなりかかります。よって、国産の野菜も同様ですが、輸入品の葉物野菜に関してはかなりの農薬が使われているといっていいです。


・ごぼう…千切りや削ぎ切りにしたものが売られていますが、ほぼ100%ごぼうの風味はしません。
ごぼう自体に問題があるのではなく、あく抜き、漂白をしすぎているのに問題があります。

良心的なメーカーでは食酢を使って白くしていますが、中には殺菌の名目で次亜塩素酸ナトリウムなどの添加物を使って漂白している所もあります。

金平ゴボウなどの調理品を売っているメーカーもありますが、歯ごたえだけはやたらにいいけど、ごぼう本来の旨みが全くないのはこのためです。

まさに木の根っこを食ってるような感じ。


・にんじん、じゃがいも…どう調理しても、スカスカになるか、水っぽくなってしまいます。


・インゲン…冷凍野菜は冷凍する前に軽く湯通しされています。
インゲンの場合は生で食べると中毒を起こしてしまうので、冷凍物を使うのは理にかなっているのかもしれません。

シャキシャキ感は失われているので生鮮品には勝りませんが、冷凍野菜の中では優等生なのかも。


・さといも…外食の煮物で真ん丸いサトイモが入っていたら間違いなく冷凍物です。されど、味はなかなか。
国産のものに比べて冷凍の中国産は、粘りは少ないように感じますが、ホクホクしておいしいです。

ただし、ごぼうと同様、添加物で漂白されている場合があります。


・アスパラ、ブロッコリー…どうしても水っぽくなるので、サラダにするのだったら冷凍物は不向きです。
餃子の具に入れたり、あんかけや煮物関係に使えます。

アスパラは通常の餃子の具に混ぜると、自然の甘さや歯ごたえが増して、結構いけます。


・えだまめ…居酒屋やスーパーの惣菜コーナーで売られている枝豆は全て冷凍品で、流水解凍して出しています。
茶豆など、冷凍とは思えないうまいものもあるので、スーパーの生鮮品を自分で茹でるよりも失敗がなくて無難かもしれません。


・果物類…冷凍みかんは別として、いけるのはライチぐらいじゃないでしょうか。イチゴはジャム作りぐらいにしか使えませんし、マンゴーは芋を食べてるような感じです。








安全な輸入食材って・・・

穀物はアメリカから、野菜は中国から、魚は世界中から。

食糧自給率がべらぼうに低い日本は輸入食材に頼らない食事なんて考えられません。
一般的に見て、国産よりも輸入品のほうが安いために今のような状態になったと思われますが、様々な意味で本当に危ないと思います。

私は以前、冷凍食品を扱う会社で輸入関係の仕事をしていましたが、中国メーカー側の社長にこういわれたことがありました。

「中国は見ての通り貧乏だから農薬を買う金もないんだよ。だから、それが返って安全なんです。」

こんな話は嘘っぱちです。
度々虫害が発生する中国で農薬を使わない農民は廃業せざるを得ないというのは常識です。

でも、輸入食材って、こんなものなんです。無農薬といえば無農薬食品としてまかり通るような感じで、ほぼ無法地帯。



・干ししいたけ
干ししいたけを輸入する時はパック詰めで買うときと、バルク(バラ)で買う場合があります。

あるメーカーから聞いた話ですが、バルクの干ししいたけを中国から輸入した時、中の椎茸に混じってサンダルやホウキガ出てきたそうな。

でも、目に見える異物だったらまだ良いのです。

安価な商品の中には香りをつけるために椎茸エッセンスを噴射しているのもあるそうですし、虫の付きやすい椎茸には農薬が使われている恐れがあります。

また、天日干しをしている場合は汚れがかなり付いているようです。

中国の調理師やお母さん方はそれをよく知っているようで、椎茸の戻し汁は使いません。その上、戻したものをよく洗ってから使います。


・冷凍野菜…中国の食品工場はとても近代的で衛生的です。何が問題かというと、目に見えない「汚れ」にあります。

例えばほうれん草。
異物混入防止のために洗浄を数回に分けてしていますが、水不足の中国で水槽の中の水は何回も取り替えることはできません。

なので、ごみや虫は取れますが、アトピーの原因とされる高濃度の農薬は葉っぱに付いたまま。

輸入時に抜き打ちで検査はしているようですが、引っかかるのはほんの一部です。

これは、国産の生鮮品も同じことです。

(野菜を洗う時は食器用洗剤を一般的に使いますが、水に重曹を入れたので洗ったほうが安全ですし、汚れや農薬も取れます。いずれにしろ、洗う時はつけおきはしないようにしましょう)


・やきとり…よくスーパーで売られている調理済みの焼き鳥です。

輸入時に細菌検査(大腸菌群など)をされますが、国の検査で合格したとしても自社で検査した場合は基準値を大幅に上回った時がありました。

そのような場合でも、国の検査を通ったということで市場に出されます。

やきとりは解凍してそのまま食べられるので、お弁当などに使われていますが、電子レンジで充分に温めるか、真空パック入りのをボイルして食べた方が安全です。


・カキフライ…カキなどの貝類には貝毒という有害物質が発生する場合があり、下痢性と麻痺性のふたつがあります。

この貝毒は加熱しても消滅せず、ひどい時は死に至ります。

日本では、海域ごとに厳重な検査がなされていたり、滅菌処理をしているので心配は無いと言っていいですが、外国でも同じようなチェックがなされているのかは疑問です。

私の会社が中国から輸入したカキフライが税関のチェックの前に衛生検査で引っかかりました(中国でも輸出時に貝毒検査はしています)

原因はこの貝毒。

もちろん、コンテナ一つ分のカキフライは市場に出回ることはなかったのですが、産地表示などのチェック体制さえ整っていない海外の原料を使った食品は安全とは決していえません。


・食品添加物…輸入する際に食品に使用した原料や調味料、添加物、製造方法をすべて報告することになっています。

ただ、それだけと言って良いでしょう。

もしも、使うべきでない添加物が入っていたとしても、報告しなければ良いという事になります。

売るほうも買うほうも、国はいちいち全ての成分検査なんてしないのです。
また、禁止添加物でも使用用途によって許可されるのがあるので、全くの無法地帯です。


・国の事情…アメリカ国内の食品基準は世界一の高レベルなのに、輸出品に関しては全くの低レベルです。

自分らが食べるのが安全だったらそれで良いのです。

最近では牛肉の問題が取りざたされていますが、昔から同じような問題は存在しています。

例えば、小麦や大豆には日持ちをよくするために自国では使わない有害な薬品を散布していますし、果物には発がん性物質のワックスなどを未だに塗っています。

おまけに日本は、虫害などを防ぐために、更に燻蒸を行っています。

輸出国側にとっては食糧は工業製品でしかないのです。食べる側の健康なんて考えも及ばないようです。

とはいえ、自給率ほぼ100%の米でさえ農薬漬けの状態なので、一概には言えないのですが、国産と輸入食材の良い面を自分で判断して材料選びをすることが大切です。

料理はコストも重要ですが、材料選びがやっぱり一番なので、買う側がもっとシビアになるしかないようです。









非遺伝子組み換え食品

「遺伝子組み換え食品は使用していません」

という文字が豆腐などのパッケージに表示されているのをよく見かけます。

遺伝子組み換え食品は遺伝子を操作して産量を上げたり害虫に強い作物に改良したものを言い、大豆、とうもろこし、小麦、ジャガイモなどがそれに当たります。

ただ、害があるのかないのかは今のところ、誰にも解明されていません。

遺伝子を組み替えた食品を長年にわたって食べると人間の体に何らかの異変が起こるのではないかと言う推測によって、様々な国々で規制されています。

一方で、害虫に強いぶん農薬も減らせるわけで、有益な食品であるという意見もあり、一概には結論付けられません。

はっきりしているのは、遺伝子組み換え食品じゃなくても、農薬はしっかりと使われていますし、ジャガイモなどは芽が出ないように放射線を浴びせてるのもありますから、安全な食品を意味するものではないということです。








おかゆは胃にやさしい?

胃の調子がよくないときはお粥が最適と思われがちですが、ずっとお粥を食べることが胃に良いとはいえません。

噛むということは食べ物と唾液を混合させ、胃の中の消化を助けるという働きがありますが、おかゆはゆっくりと噛むことが出来ず、消化液との混合がままなりません。

また、おかゆは水分が多いため、口の中や胃の中の消化液が薄められるので胃の負担がかえって大きくなります。

急性の胃炎で何日かお粥を食べて胃を休めることは理にかなっていますが、一番良いのは普通のご飯をいつもよりもよく噛んで食べることが胃にやさしいようです。








医食同源

中国の人たちは食への関心がとても高いです。
私が香港で手にやけどをしたときは、食堂や商店の人たちが頼んでもいないのに飲食のアドバイスをしてくれたほどです。

①下痢の時に控えた方が良いもの
・豆腐…陰性の食品なので症状を悪化させます。
・卵…高たんぱく食品の卵は弱ってる胃腸の消化吸収を妨げます。
・にんにく…腹部が冷えたりウィルスが腸壁を刺激して下痢が起こりますが、にんにくも同じく腸壁を刺激する食品ですので症状を悪化させます。
・牛乳…健康な時はなんともなくても、胃腸が弱っている時は避けた方がいいです。
・食物繊維…腸の動きを活発にするので、症状がひどくなります。
・スパイシー、油っこいもの、アルコールなどの刺激品…胃腸を刺激するので、症状がひどくなります。


②便秘の時に控えた方が良いもの
・甘いもの…胃腸の動きを弱める働きがあります。
・辛いもの、酒など刺激性の強いもの…胃腸が熱を持ち、便を硬くしてしまいます。コーヒー、濃いお茶、生姜、にんにく、ラム、鶏肉、セロリなども当てはまります。
・高たんぱく、高カルシウム食品…乳製品、肉類、卵、大豆製品がこれに当たり、便がアルカリ性に傾くので出にくくなってしまいます。
・もち米…餅や、おこわがこれに当たり、便を硬くする働きがあります。
・柿…渋み成分が腸液の分泌を減少させるので慢性の場合は控えた方がいいです。


③胃炎の時に控えた方が良いもの
・辛いもの、コーヒー、濃いお茶などの刺激品、酒、消化されにくいもの
・熱いもの、冷たいものを交互にとるのは控える
・鶏がらスープ…胃酸の分泌を促進するので、胃酸過多の場合は控えた方がいいです。
・甘いもの…胃の中の酸度が高まり、痛みが増す場合があります。
・牛乳…飲むと一時的に胃酸が弱まりますが、少し経つと消化のよくない牛乳が胃の粘膜を刺激して胃酸がますます強くなってしまいます。


④風邪のときに控えた方が良いもの
・辛いもの
・肉など消化の悪いもの
・コーヒー、酒、濃いお茶…覚醒作用のあるこれらの飲み物は弱った身体には毒になります。体がゆっくりと休めないので抵抗力が弱まります。また、お茶は体温を上げる働きがあると同時に薬の効き目を弱めてしまいます。お湯は体温を下げる働きがあるので最適です。
・スタミナ食品…風邪がまだ治っていないときに、スタミナをつけようとしてにんにくやウナギなどを食べると逆効果です。完全によくなるまであっさりとした消化の良いものを食べましょう。


⑤頭痛の時に避けた方がよいもの
・しょっぱいもの
・辛いもの
・お茶をたくさん飲むこと








食い合わせ

日本でも食い合わせが悪いと言われる食べ物がありますが、中国では日本以上に研究されています。
その法則を守ろうとしたら「料理なんて作れないよ!」と言いたくなるほどの組み合わせで、中には「牛乳とニラ」というようなとんでもないものもありますが、ここでは「ありえる」組み合わせを載せました。

・豚レバーともやし
レバーの銅がもやしのビタミンCを消してしまうようです。

・卵と豆乳
お互いが栄養吸収を妨げます。

・蟹と冷たいもの
冷たい飲み物などと一緒に食べると必ず下痢になります。
蟹食べ放題とビール飲み放題はセットにしないほうが良いようです。

・あさりとセロリ
下痢になる場合があります。

・刺身と牛乳
中毒を起こす場合があります。想像しただけで中毒になりそうですが…。

・キュウリとセロリ、その他の野菜
キュウリはビタミンCを破壊します。

・茄子と蟹
同時に食べると中毒を起こす恐れがありますが、レンコンで中和できるとのこと。

・豆腐とほうれん草
豆腐のカルシウムが化学反応を起こして体内に吸収しにくくしてしまいます。

・ニラと牛肉
原因は分かりませんが、中毒になりやすいとのことで、母乳で解毒できるとのこと。
用意できる方は是非。

・玉葱と蜂蜜
目によくなく、重症の場合は失明に至る危険あり。

・ジャガイモとトマト
トマトに強い酸性の非水溶性物質ができ、消化不良をおこします。

・酢と牛乳
牛乳が凝固して胃腸の弱い人は消化不良や下痢を起こします。

・豚骨スープと酢
豚骨スープにはコラーゲンなどの有益な栄養素が含まれていますが、酢を加えると、身体に吸収されにくくなります。

・ニンジンと酢
ニンジンの炒め物をするときに酢を入れると、カロテンが破壊されてしまいます。

・蜂蜜と熱湯
熱湯で溶かすことにより、蜂蜜の栄養素が破壊されてしまいます。

・濃いお茶と酒
お茶は利尿作用があるため、完全に分解されないアルコールが腎臓に送られてしまう可能性があり、痛めてしまいます。
また、酒は血管などに刺激を与え、お茶は覚醒作用があるため、心臓に負担をかけてしまいます。

・豆乳と蜂蜜
反応を起こし、吸収されにくくなります。

・ヨーグルトとバナナ
発がん性物質が出来る可能性。
よく、ホテルの朝食にキウイやパイナップルが入ったフルーツヨーグルトがありますが、それらの果物はたんぱく質を分解してしまうので、苦味が出たり消化不良を起こす場合があります。

・酒と牛乳
アルコールは肝臓に脂肪を蓄える働きがあり、牛乳とあわせて飲むと肝臓に入る脂肪の量が増えます。

・炭酸飲料と食事
炭酸飲料は弱アルカリ性なので、食事と一緒にとると胃酸の働きを弱めてしまい、消化能力が減少してしまいます。

・蜂蜜と米
胃痛を起こす可能性があります。

・果汁と海老
下痢を起こす可能性があります。

・ビールと海鮮
痛風症を引き起こす可能性があります。


他にもたくさんありますが、書ききれません。








米は熱湯を入れて炊く


熱湯を入れると米の周りのたんぱく質が凝固して程よい粘りが出るばかりか、塩素などの働きを止めることも出来ます。
米を水から炊くと、水道水に含まれる塩素が米のビタミンを破壊してしまいます。








安いモヤシと高いモヤシ

安いもやしと高いもやしは何が違うのでしょうか?

原料になる大豆の価格にもよりますが、よく見てみるともやしの長さが違います。
安いのはひょろ長く、高めのは太くて短い形をしています。
もやしは大体2センチぐらいの時が栄養価が一番高く、長くなるにつれてその栄養素もかなり失われてきます。
よって、長くなればなるほど栄養素や旨みが失われ、食感も悪くなってくるのです。
量をとるか、質を重視するかは人それぞれですが、値段の違いはこういう所にあるようです。

※日本のもやしにこのような状況が当てはまるかどうかは謎です。









野菜の水洗い

農薬などの汚れを取るために水洗いをしますが、水に漬けたままにしておくと予想以上に野菜の栄養素が流れ出てしまいます。
また、野菜の細胞は水を吸いやすいので食器用洗剤を溶かして使うときは、短時間で洗うようにします。

安全な方法として大き目のボウルに大さじ2の重曹を溶かした水で洗う事もできます。ただし、浸しておくのはやはりよくありません。
重曹は栄養素を破壊してしまう働きがあるからです。








少し腐った白菜、生姜

白菜は保存が利くので冬の間によく食べられます。
新聞に包んで外に縦に立てておくと結構もちますが、少し暖かくなると外側の葉が腐ってしまいます。

外の葉だけ取りのぞくと芯のほうは新鮮なままなのでそのまま調理してしまいがちですが、見た目は大丈夫でも中身は変化しています。

細菌が繁殖した白菜の内部では硝酸塩が有毒な亜硝酸塩に変わり、それが内部まで及んでいる場合があります。

また、葉の部分に黒い斑点が付いているのがありますが、これは栄養を取りすぎた細胞が変色したためであり、元気に育った証拠でもありますので、安心して食べられます。



生姜は腐ってくると変色してきます。

その変色した部分だけを切り取って使いたくなりますが、やはりこれも使わないほうが無難です。

生姜は腐食が始まると有害な物質が生まれ、腐ってないと思っても実は内部で変化が生まれています。

肝細胞を傷つける可能性があるようです。

どんな野菜でもそうですが、早めに食べて、腐ってしまったらもったいぶらずに捨てることも大切です。









白きくらげの選び方

黒いきくらげは炒め物やスープなどに使われますが、白きくらげは主にデザート的な甘い料理に使われます。

肌の保湿やシミ、ソバカスに効果があるので香港などでは女性に人気のある食材ですが、美容のほかにもダイエット、免疫力増加、肝臓機能の増加、熱さましなど、様々な効果があります。

日本でも食材屋に置いてありますが、白きくらげといっても純白のものは要注意です。
天然物でも栽培物でも普通のは少し黄色みがかった色をしており、真っ白なものは薬品で燻蒸したものなので身体によくありません。

また、少しでもカビが生えてしまったら食用には使えないので注意が必要です。








ピータンの食べ方

黒いゆで卵のようなピータンを食べたことはなくとも一度は見たことがあると思います。

ちょっとグロテスクな外見のピータンですが、食べてみると濃厚な味がしてなかなかの美味。

一般的には籾殻のようなものに包まれて売られていますが、それを取り除いて殻を割るだけで涼菜などに使われます。

見た目はゆで卵ですが、火は全く通してなく、アルカリ性の粉と石灰、塩、茶葉などに漬け込んで作られ、以前は有害な鉛も加えていたようです。

一番衛生的で安全な食べ方は籾殻を取り除いて、殻ごと茹でてから生姜と酢を混ぜたタレで食べると、中和、消毒の作用が期待できます。

何はともあれ、直接食べることと、食べすぎには注意が必要です。








卵はどこから?

人間の子供はあそこから産まれてきますが、卵は腸を通り、肛門から出てきます。
よって、きれいに見える卵でも表面には何百万の細菌がついており、殻の小さな穴からも細菌が入り込んでいます。

といっても、日本人にとって卵かけご飯は国民食なのでやめるわけにはいきません。

新しいものでも、ひび割れしているものは避け、せめて卵をきれいに洗ってから割り落とすようにしましょう。

また、体調が悪い時は免疫力が低下し、サルモネラ菌に感染しやすくなりますので生卵や半熟卵は控えた方が無難です。








煮込み料理の火加減

炒め物をするときや、肉まんを蒸す時、水餃子を茹でる時は強火で加熱しますが、豚の角煮などを煮込むときは強火は禁物です。

沸騰したあとの水はどんなに熱し続けても100度以上になることはありませんし、煮えたぎらせることによって汁が足りなくなったり、煮崩れを起こす可能性があります。
また、ガスの無駄遣いにもなります。

肉を煮込むときは最初に沸騰させ、あとはふつふつと泡が上ってくるくらいに茹でます。

そうすることによって、汁の表面に肉の脂の層が出来て熱効率がよくなり、肉に味が染み込んで柔らかな煮込み料理が出来ます。









炒め物に強火は不可欠?

鍋から炎が上がり、炒められた料理は食欲をそそります。
しかし、実際に作ってみると炎が上がるのは酒を入れたときと、水分の多い食材を急に入れたときぐらい。

プロは上手に香ばしさを出しますが、私の場合はそれを通り越して燃え上がってしまいました。

炒め物を作る時には強火が確かに必要ですが、肉を炒める場合は返って逆効果です。
ステーキなどの厚みのある肉の場合は表面を強火で固めて肉汁の流失を防ぎますが、薄い肉の場合は肉汁どころか水分がみんな飛んでしまってゴワゴワになってしまうからです。

肉を柔らかくの欄にも書いたとおり、肉を炒める場合はうす衣を付けて事前に低温で油通しするのが一般的ですが、直接いためる場合でも高温は肉にとって大敵です。


①まずは塩、コショウ、酒をふった肉を130℃~170℃に熱した油で炒めます。

②火がおおよそ通ったら取り出して強火で他の野菜を炒め、最後に味付けする時に肉を戻しいれます。


うす衣をつけた肉でも多目の油でいためることが出来るので簡単に柔らかい肉を味わうことが出来ます。

炒める前の肉に酒をふっておくと臭みが取れますし、鍋に焦げ付きません。









スープのだしを取る時の注意点

別の欄にも書きましたが、肉や骨でだしをとるときは必ず水から煮出します。
お湯から煮ると表面のたんぱく質が凝固して旨みが出てこなくなるからです。
しかし、同じ水といっても、煮出している最中に水を継ぎ足すのは厳禁です。

スープの熱によって、ゆっくりと脂や旨みの素のたんぱく質が溶け出している時に、急に温度が下がるとたんぱく質が凝固して二度とスープに溶け出る事はありません。

よって、スープを作る時は蒸発する分も考えて、たくさんの水で煮出すのが重要です。


また、あくをこまめに取るのも考え物です。
あくと一緒に表面に浮かんでくるのが肉の脂で、これも一緒にとってしまうとスープの味に影響が出てきますし、油膜はスープの蒸発を防ぎ、香りを逃がさないと言った役目もあります。

あくを取るタイミングは沸騰直前で、早いうちに浮かんできたものを全て取ってしまいます。

煮出している間に浮かんできたあくについては、こまめに取らずに、油膜を損なわないようにまとめて取ります。


※作ったスープを一晩置く時は、油膜を取り除きます。
油膜は保温効果があるので時間が経つにつれてスープが変質してしまうからです。
夏はすぐに腐ってしまうので注意が必要です。









魚は足がはやい?

普段私達が買ってくる魚はすでに死んでいます。

豚や牛肉の場合は比較的長い熟成期間があるために、絞めたものをすぐに食べる必要はありませんが(市販のものは熟成済み)、魚の場合は熟成したと思ったらすぐに腐ってしまいます。

なので、魚を買ってきたらなるべくえらの部分と内臓を取り除いてから水洗いをして、冷蔵庫(または冷凍庫)に保管しておきます。

えらは呼吸器官で外界との接触が多いために細菌がたくさん付いていて腐りやすく、同じく内臓も消化器官のために寄生虫や細菌が多く、時間が経つと魚の身にまで細菌が入り込んできて腐敗が始まります。

食中毒の原因になる細菌は冷凍しても死滅せずに冬眠状態で生き延び、解凍後に復活します。
また、加熱したとしても菌は死滅しますが毒素は残るので、早めの処理が肝心です。

魚についている菌は塩分を好むので、必ず真水で洗いましょう。








新鮮な蟹の刺身

テレビのグルメ番組で度々出てくる蟹の刺身。
誰もがよだれを流しながら北海道を夢見るはずです。

そして市場で見つけた生きてる蟹。
思わずグルメ番組をまねして食べたくなりますが、いくら新鮮でも蟹の中は寄生虫の宝庫です。
プロがさばいた蟹は安全かもしれませんが・・・。

蟹は10分蒸すと寄生虫の害を防ぐことができます。
ボイルするよりも蒸すことによって旨みの流出を防ぐことが出来ますし、蒸し器の中は熱湯よりも温度が高いので効率的に熱を通すことが出来ます。(冷凍ボイル蟹は自然解凍がベストです。)

また、蟹味噌以外の内臓は中毒を起こすので食べることは出来ません。


一方、魚の刺身も種類によっては、いくら新鮮でもアニサキスと言う寄生虫が付いている場合があるので、-20℃以下に冷凍して殺してから生食するものもあります。鮭などがこれに当たります。(家庭用冷凍庫は不可です)

イカにもかなり高い度合いで寄生虫が付いています。自分でさばいた場合は内側をきれいにした後、光にすかしてみて虫が肉内部にいないか確かめましょう。








果物の食べ方

・食後のデザートとして果物を食べるのは口の中がさっぱりしていいですが、身体には負担をかけることになります。

果物には消化促進効果がありますが、大部分は小腸で直接消化されます。胃の中にたくさん物が入っている時に食べると、他の食べ物と一緒に胃に留まることになるので胃の不快感が高まります。

小腹が減った時のおやつとして食べるのが最適なようです。


・反対に小腹が減った時に食べてはいけない果物が柿です。

渋み成分が胃酸と混ざると凝固物が出来てしまい、最悪の場合は結石が出来ます。オレンジもまた粘膜を刺激するので向いていません。


・りんごを袖で拭いて「ガブリッ」といくのが少し前の時代の男らしい食い方だったようですが、りんごに限らず果物には農薬やワックスなどの薬品がたっぷりと散布されています。

水や洗剤で洗っただけでは取れないものもあるので皮を剥いて食べた方が男らしいというのが今流
(と思います)


・生のパイナップルを食べると、舌や喉が痛くなるのは私だけではないはずです。

パイナップルには一種のたんぱく質分解物質があり、それが一部の人に対してアレルギー反応を引き起こすのです。

それを防止するためには薄めの塩水に30分以上漬けるのが最良の方法です。たんぱく質が塩水に溶け出し、また、塩を入れているのでおいしさは溶け出しません。

パイナップルは下の部分に甘みがあるので下ぶくれした物を買います。
下部が黄色くなって甘い香りがしてきたら食べごろで、葉を下にして一晩置くと甘みが均一になります。

・バナナ、キウイ、洋ナシ、マンゴー、パパイヤなどは追熟が必要なので常温で保管する必要があります。バナナはソバカスがでてから、キウイやその他の果物は押してみて柔らかくなったら食べごろです。りんごと一緒にビニール袋に入れておくと早く熟します。
日本の梨は追熟は不要です。新鮮なうちにシャリシャリした食感を楽しみます。

・ライチは日持ちしません。腐らなくとも香りや色が急激に変化します。すぐに食べない場合は缶詰や冷凍物の方が良いのかもしれません。

・マンゴスチン
外見は柿のようですが、食べられる所は硬い木のような物で覆われています。
いたずら好きな中国人の友人に初めてもらって食べたのですが、食べ方は教えずにただ笑ってみていました。
日本では冷凍のものが売られており、切れ目が入っていますが、自然解凍をして冷たいうちに割って食べます。

・桃は冷蔵、水洗いをすると鮮度が落ちるので、常温で保存して食べる直前に洗います。桃の皮を剥く時は熱湯にさっと浸したあと冷水につけると剥きやすくなります。

・メロンは常温で保存し、食べる数時間前に冷蔵庫で冷やします。お尻の部分が柔らかくなったら食べごろです。
お尻を押せない場合は・・・ツルが付いている部分がひび割れもなくしっかりと付いているものはまだまだ追熟が必要で、ツルの付け根の所にひびが入ってきているものはそろそろ食べごろです。

・トマトは青いうちに収穫され、店頭に並ぶ間に熟されているので、なかなかおいしいトマトを食べることが出来ません。
買ってきてから少しでも日に当てておくとおいしさがアップします。



トマトは野菜ですが、メロンやイチゴなども分類上は野菜になるようです。
毎年木になる物は果物、実をつけた後に枯れるものは野菜なんだそう・・・です。










果物の変色を防ぐ

りんごやバナナは切ってからすぐ変色してしまいますが、これは酸素と触れて酸化したことによります。

新鮮なものほど早く変色し、害はありませんが、茶色くなった果物は食欲を減退させます。

変色を防止する方法としては

①薄い塩水にさっと通す…濃度が高いほど変色のスピードを遅らせることが出来ますが、味に影響が出ない程度に。

②レモン汁を入れた水にさっと通す…酸化防止剤にも使われるビタミンCの働きによります。これもレモン汁を直接塗ったほうが効果は高いですが、味に影響しない程度に。

③冷やすことによって変色を進める酵素の働きを弱める…ラップに包んで冷蔵庫に入れている間は変色を止める事が出来ますが、出したとたんに変色が始まります。

④品種を選ぶ…りんごに関していえば、「ふじ」が一番早く変色します。

いずれの場合も変色のスピードを遅らせることは出来ても食い止めることは出来ませんが、お客さんに出す場合は上記のような処理をするのがよいと思います。

すりおろす場合は金属のおろし金を使うと、酸化速度が速まるので陶器製のを使うと良いようです。








鍋から火が出たら

私も経験がありますが、酒を入れたときならともかく、いきなり鍋から炎が上がると気が動転して、とっさに水に手を伸ばしてしまいます。
鍋から出た火には水は禁物で、鍋の火を窒息させるしか方法はありません。


火が出たら絶対にしてはならないこと

・水は絶対にかけない
油が飛び跳ねて火の勢いが強くなるばかりでなく、周りに引火してしまいます。

・野菜を入れない
野菜は水分が多いので水をかけたのと同じ状況になってしまいます。


消火方法

・蓋を閉める
そっと横から蓋を閉めて酸素の供給をストップします。

・濡らして絞ったバスタオルなどをそっとかける
鍋よりも大きな布を使わないと酸素をストップできません。小さな布巾を使うと油の中に入ってしまい、火の勢いが強くなります。

・熱していない油を注いで温度を下げる
厨房でよくする応急処置です。

・重曹を振り掛ける
重曹は熱すると二酸化炭素を発生します。アメリカの防災講習でこの方法が紹介されているようです。

・消火器を使う
鍋に向かって噴射すると油が飛び散る恐れがあるので、そばの壁に向けて間接的にかかるようにします。

※マヨネーズを容器ごと鍋の中に入れる方法もあるようですが、鎮火しにくいようです。


火事の原因の一つとして天ぷら鍋火災がありますが、油は火にかけて約15分後に300℃に達し、炎が上がります。

強火で炒め物をしている時にも油の多い鍋に野菜を入れたとたんに火がつくことがあります。

火を出さないためには

・揚げ物をするときはコンロのそばを離れない

・衣のつかない水っぽいものを揚げない

・霜の付いた冷凍フライは要注意です。霜をよくこそげとってから揚げます。


消火したら元栓を締めて発火を防ぎます。
火の勢いが強くて天井に引火してしまったら素人には消火することは無理なようです。
ドアを閉めて避難し、119番に電話をします。









トロミをつけるコツ

炒め物で仕上げにトロミをつける・・・全体が温まっていない状態のときに水溶き片栗粉を投入すると濁ってしまうので、必ず充分に熱して材料に火が通ってからにします。

また、水溶き片栗粉を入れてすぐにかき混ぜると、これも濁ってしまうので、全体にまんべんなく投入して3秒待ってから素早く掻き混ぜるようにします。

スープにトロミをつける・・・中火にしてふつふつと泡が上ってくる状態のときに水溶き片栗粉を全体に広げるように入れ、すぐには掻き混ぜず、3秒待ってからにします。
激しく沸騰している時に水溶き片栗粉を入れるとダマになってしまいます。
汁気の多い炒め物もこの方法でトロミを付けます。


※いずれの場合も水溶き片栗粉が濃すぎるとダマになってしまうので、ドロドロしたものは使わないようにし、汁が多目のものはトロミが付いた後もしっかりと火を通して粉臭さをなくします。

※スープにトロミをつける場合は、あくを取ってから水溶き片栗粉を投入します。でないと濁ってしまいます。








片栗粉とコーンスターチ

どちらも主にトロミをつけるのに使いますが、それぞれ特徴があります。

・片栗粉(ジャガイモ澱粉)
固まり始める温度は比較的低く(約60℃~)、また、トロミが付くのも早いです。
ただ、トロミの持続性は低く、時間が経つにつれて水っぽくなってしまうので、トロミが付いたあともしっかりと火を通しておくと防ぐことが出来ます。
火を通した後は透明になるので、上漿などの衣付けや、トロミ付けにと広範囲に使えます。


・コーンスターチ(とうもろこし澱粉)
片栗粉に比べて固まり始める温度は少し高くて、トロミが付くのも遅く、透明度は低いです。
加熱したときの粘力は片栗粉の1/4~1/5なのですが、片栗粉よりもトロミの持続性があり、料理が冷めてもあまり水っぽくならないばかりか、冷えると片栗粉以上に固まる性質があるので、ミルクの衣揚げなどの具を固める時に使います。
コーンスターチでトロミをつける場合は長く加熱しながら調理するとしっかりとトロミが付き、透明度も高めることが出来ます。


※水溶き片栗粉は腐りやすいので、余ってしまった場合は冷蔵庫に保存するなどして早めに使い切ります。









小麦粉には熱湯か冷水か

小麦粉は中国の食卓には欠かせない食材です。
中国北部の人たちはマントウ(饅頭)という蒸しパンなどを主食にし、米を主食にする南部の人たちも点心などの小麦粉料理を好んで食べます。

日本人の私にとってご飯の代わりにマントウを主食にするのは抵抗がありましたが、北方の人に言わせると、ご飯は腹もちが良くないから、食事を摂った気にならないとのことでした。


小麦粉には強力粉、薄力粉、中力粉(国産地粉)がありますが、たんぱく質の量が違うので用途もそれぞれ違います。
一般的には麺類や餃子の皮などには強力粉を使い、肉まんや、蒸しパンなど、膨らますものには主に薄力粉を使います。
中力粉はその中間でどちらにも使えて特有の味や香りを楽しめますが、商品によって水分量やコシの強さ、味などにばらつきがあります。

大まかに分けてこのような用途に分かれますが、同じ麺でもうどんのように切り麺の場合は強力粉を使い、中国ラーメンのように伸ばす麺は薄力粉を混ぜて(または中力粉)使うので、料理によって使い分けることが必要となります。

中国にも上記のような分類で小麦粉を使い分ける場合がありますが、一般的に使用する小麦粉は小麦の精製度合いによって分類されています。

精製度合いの高いものから特製粉、標準粉、普通粉に分けられ、たんぱく質の量よりもフスマの量や色合いなどに大きな差があります。
よって、料理別に小麦粉に加える水の温度を調整して作ります。

強力粉や薄力粉を使うときも水の温度によって性質がかなり変化するので調理する時はその特性を利用するとうまく出来ます。


・水を加える(冬季は30度前後のぬるま湯)
グルテンの働きによって生地の粘りと伸びが強くなり、加熱した後はコシがあり、つるつるとしてきれいな色に仕上がります。主に麺や水餃子、ワンタンの皮などに使用します。

・熱湯を加える
熱湯を加えると小麦粉が糊化して半透明になり、灰色っぽい色になります。グルテンの生成は抑えられ、生地の粘りと伸びは弱く、加熱後はモチモチとした食感を味わえます。
主に蒸し餃子やシュウマイ、焼き餃子の皮などに使用します。

・お湯を加える
50度前後のお湯を加えると、硬くもなく柔らかくもない、成形しやすい生地になります。加熱した後も変形しづらいので、四喜餃子などの変わった形の餃子などを作るのに向いています。
もちっとした中にもコシがあるといった感じの皮になります。


小麦粉に加える水の温度が35度~50度の時にグルテンの働きが活発になり、弾力と粘着性が最も大きくなります。
水温が低くなればなるほどグルテンの働きは弱まるので、極端に冷たい水は加えないほうが無難です。(反対にグルテンを生成させず、サクサク感を出す天ぷらの衣には冷水を使う)
熱湯(70度以上)を加えたときは、たんぱく質が凝固してグルテンの働きは弱まり、ほのかに甘いモチモチとした食感の生地になります。


広東地方の飲茶では浮き粉(小麦澱粉)がよく使われます。
これは小麦粉の中のたんぱく質を洗いながして、残った澱粉を精製したものです。
主に海老餃子などの透き通った皮に使われ、ジャガイモやサトイモ、山芋などと混ぜて生地を作る場合もあり、バリエーションは豊富です。
ただ、たんぱく質がないのでグルテンの生成がされず、粘りの無い生地になるので取り扱いは非常に難しいです。








発酵生地をうまく膨らませるには

肉まんやマントウの生地を膨らますにはイースト菌やベーキングパウダー、重曹、天然酵母を使いますが、扱いやすさと味を考えると乾燥イースト菌が最適です。

イースト菌は微生物の一種なので、活発に呼吸して二酸化炭素を出させるには栄養分が必要です。

そこで、イースト菌と同量、または少々少なめの砂糖を加えてやると、発酵力を最大限に発揮してくれます。

ただ、砂糖の量が多くなると糖分の浸透圧の関係でイースト菌が脱水症状を起こしてしまうので適切な量を加えることが重要です。

発酵させる時の温度はなるべく25℃~30℃を維持し、30分~1時間で充分です。
発酵時間が長くなると乳酸菌や酢酸菌が増えて酸っぱくなってしまいます。(30℃以下の場合、4時間までは酸っぱくなりません)

ただし、イースト菌だけで発酵させた生地は、蒸し上げて蓋を取ったとたんに萎んでしまうことがあるので、ベーキングパウダーと併用するのが一般的です。

また、ベーキングパウダーだけで膨らます生地は、発酵いらずで簡単ですが、ポソポソした食感で歯にくっつくうえ、あまりおいしくありません。



※イースト菌は生き物なので、冷水やお湯を生地に加えると活動してくれないので、ぬるま湯を加えるようにします。

※生地に油を加えるとグルテンの発生を抑えることが出来ますが、小麦粉の澱粉の周りに油膜が出来、イースト菌が養分を吸収できなくなるので、発酵が抑制されてしまいます。分量を守って加えましょう。










重曹とベーキングパウダーの違い

どちらもふくらし粉の役割がありますが、ベーキングパウダーの主成分は重曹で、あとは澱粉などが入っています。

重曹は膨張度が高いですが、加熱すると生地を黄色く変色させる作用があります。これは小麦粉がアルカリ性のものとくっつくと変色するという性格によるもので、中華麺の色もアルカリ性のカンスイによるものです。

このため、ベーキングパウダーは重曹のアルカリ性を中和して発色しないように作られています。

重曹の黄色はあまりぱっとしない色ですが(茶封筒に近い色)、ラーメン生地に加えると着色できるばかりか麺の伸びもよくなりますし、また、カスタードまんなどを作る時は生地に色が付いて面白いかもしれません。








コシを強くするには塩を少々

一般的に、水餃子の皮や麺を作る時には小麦粉に水を加えて捏ねますが、水の温度が低すぎたりするとグルテンが生成されず、コシや粘りが弱くなってしまいます。

生地のコシを強めるにはぬるま湯で捏ねるほかに、小麦粉の0.1%の食塩を混ぜると生地の弾力と伸びが強化されます。

ただ、塩を加えすぎると逆効果になるので注意が必要です。









たくさん捏ねてもしょうがない

グルテンの生成を調節するには上記に説明したように、小麦粉の種類を選ぶのと、加える水の温度を調節するほかに、捏ねる度合いも関係してきます。

小麦粉は水分を加えて捏ねることによってグルテンの働きが活発になってきますが、捏ねすぎると強度が破壊されて、逆に柔らかい生地になってしまいます。

水で捏ねる場合は、力を込めて捏ね返し、生地にしっとりとしたツヤが出来て手にくっつかなくなった時点で捏ねるのをやめます。

熱湯で捏ねる場合は、あまり捏ね返す必要はありません。全体が滑らかになったら捏ねるのをやめます。

お湯で捏ねる場合は、水を加えたときのように力を込めて捏ね返すと、特有の食感が得られなくなるのでほどほどに。









生地を蒸す時は水から

一般的に肉まんやマントウなどの発酵生地を蒸す時は、湯気が立ち上った蒸し器の中に入れて強火で蒸し上げます。
そうすると生地の外側が固まって、くっつき難くなるのと、破れ難くすることが出来ます。
大量に作る場合はこの方法が便利ですが、ふっくら感を味わいたい時は最初から熱湯で蒸し上げるのは適切ではありません。

例えば、冷たい肉まんを急に熱い蒸し器の中に入れると、表面が糊化して固まりますが、内部に水蒸気や熱が伝わりにくくなるため、ふっくらと仕上がらない場合があります。

それを防ぐには蒸し器に水を張った状態の時に、肉まんを入れて強火にかけるといいです。

ゆっくりと熱が伝わる間に、生地の中の空気が膨張し始めるので、ふっくらとした肉まんが出来上がります。









茶碗蒸しには圧力鍋

茶碗蒸しやプリンを作る時に、蒸し加減を上手に調節しないと「ス」がたってしまいます。これは卵液が沸騰状態のまま固まってしまったために起こります。

卵のあれこれの欄にも書きましたが、沸騰した蒸し器で強火で4分、あとは火を消してそのまま8分待てば大体上手に出来上がります。
ただ、容器が小さいとやはり多少のスがたってしまいますし、中華式の茶碗蒸し(大皿で蒸す)の場合はうまく固まってくれません。

そこで、圧力鍋を使います。
卵液は85℃で固まりますが、圧力鍋の内部の水の沸点は120℃と高く、沸騰する頃には卵液はすでに固まっていて「ス」ができる余地はないという訳です。

レシピ
卵2個 スープ350cc(塩+スープの素を水またはぬるま湯で薄める)
①卵を良く溶き、スープを混ぜる
②茶漉しなどで濾して容器に注ぐ→蓋またはラップをする
③圧力鍋に水を2㎝ぐらいまで注いでから容器を入れ、蓋をして強火にかける
④蒸気蓋が回り始めたら火を消して圧が抜けるまで待つ

※もちろん具を入れても結構です。
※プリンを作る場合はスープをミルク+砂糖(大さじ4)に変えるだけです

この方法だと多少蒸しすぎてもスがたたなく、プルンと出来上がります。(内部に多少の気泡が出来ますが、味や食感に影響はありません)








香辛料はレシピ通りに加えるべきか

一部の中華料理にはたくさんの香辛料が使われています。

火鍋(しゃぶしゃぶ)のスープには大料(八角)、ナツメグ、陳皮、甘草、桂皮、当帰などなど、良く漢方薬にも使われる香料の数々が入っていますし、中国の代表的なラーメン(蘭州拉麺)のスープにも、肉まんの餡にも様々な香料(五香粉)が使われています。
私は香料の香りを嗅ぐと、中国の思い出がよみがえってくるほどです。

最近、日本のスーパーや食材店の調味料コーナーにこれらの香辛料が並ぶようになり、レシピ本でもこれらを使った本格的な料理を見ることが出来ますが、種類によっては安易に使わないほうが良いかもしれません。

一部の香料は日本人の口に合わないからです。

辛味を伴う料理(マーボー豆腐や火鍋)には香料は良く合いますが、その他の料理に対しては逆効果になりうるので、加える場合でもほんの少しにとどめていた方が食べる側に喜ばれます。

その他、個性の強いものは香菜(パクチー)です。
トイレの芳香剤の香りがする薬味的な野菜ですが、ほとんどの日本人にとってはきつい一品になってしまいます。(肉の臭い消しには有効です)

慣れてくると、香菜の入ってない蘭州ラーメンは物足りなく感じてくるんですけども、それでも現地で1年経たないと慣れる味ではありません。


反対に大葉(シソ)の風味は中国人には苦手なようです。
そのせいか、野菜の生産大国である中国でも大葉はあまり売られていなく、現地の日本料理店では似たような葉っぱで代用しています。

ちなみに中国の友人曰く、「日本のカレーは漢方薬臭い」のだそうです。
普通のバーモントカレーだったんですけど…。
中国のカレーはお子様用の甘くて薄い味がします。


料理の風味はその土地の雰囲気や気候に合うように作られているので、自分に合ったスパイスをアレンジするのも良い手だと思います。









ニセモノの中華調味料

豆板醤、テンメンジャン、オイスターソース、ガラスープの素などなど、スーパーなどで簡単に手にすることができるようになりましたが、購入する際はなるべく輸入品を選んだほうが無難です。

輸入品が手に入らない場合は大手メーカーのものを。
割高ですが、大衆ウケする味になっています。

国内メーカーのPB商品の中には変な臭みがあったり、妙な味がするのが多いように思います。
何しろ味噌や醤油のように日本人になじみの深い調味料ではないので、最初のうちはイマイチおいしさの基準が分からないのですが、そういう場合はいろいろ試してみるしかありません。

同じ調味料でも、産地(メーカー)によって味が全然違うので、仕上がりにも差が出てきます。

輸入品は味も良いし安く手に入るので、賞味期限さえ気をつければ便利に使えます。









中華調味料の使い方

豆板醤
特有の発酵臭があり、生のままではおいしくありません。後入れ(具を入れてから加える)すると風味と辛味がでないので、初めに油で炒めて(弱火~中火)、香りを出してから具を投入します。そうすることによって食欲をそそる風味を引き出すことが出来ます。

テンメンジャン
炒め物に使う場合は豆板醤と同様に最初に炒めます(弱火~中火)。その時に気をつけることは油の量です。少なすぎると固くなり、多すぎると分離してしまってうまく具に絡めることが出来なくなります。
熱した中華なべに油をなじませたら、底にたまった余分な油をポットにあけるとちょうど良い油量になります。→京醤肉絲

付けダレに使う場合は砂糖や塩、胡麻油を加えてからラップをして蒸します。→北京ダック

オイスターソース
クセのないタレなので茹でた野菜にそのままかけるなどして使え、炒め物に使う場合は最初に炒めても後から加えてもOKです。
中身にうまみ調味料が加えられているので、調理する際は味の素はほどほどに。

ドウチ[豆(豆支)]
黒い浜納豆のようなものですが、後入れでは使いせん。みじん切りにして弱火で炒めて香りを引き出してから具を加えます。香ばしい香りが特徴で、肉や海鮮の炒め物に最適です。

XO醤
ホタテの貝柱など、豪華な素材が使われているのでそのままでも酒のつまみに出来るほどですが、炒め物に使う際は、はじめに炒めて(弱火~中火)風味を充分に引き出します。

黒酢
日本の黒酢と中国の黒酢は全くの別物で、中国の方がまろやかで酸味が弱い感じがします。炒め物の時に鍋肌から入れて風味をつけたり、スープの隠し味に加えたりと、酸味を強調する以外にも色々使えます。

紹興酒(老酒)
独特な風味のある有名な酒ですが、中国の多くの地域では白酒(高粱酒)が飲まれ、
紹興酒あまり飲まれることはないようです。
調理の時には料酒や黄酒、花彫酒といった一種の調理用紹興酒を使いますが、味はあっさりとしていて、飲酒用の紹興酒ともちょっとちがいます。紹興酒が手に入らない時は日本酒を使ってアレンジするのも良いと思います。

醤油
中華で醤油と言ったら老抽(たまり醤油のようなもの)を指し、日本の醤油に近いものは生抽と言います。
どうやって使い分けるかと言うと、出来上がりの色の濃淡で使い分けるのですが、素材の色を重視する広東料理では生抽を使い、中国東北料理では、老抽を多用します。
あとは風味の違いですが、生抽はさっぱりしているので付けダレにも使われます。



液状、ペースト状の調味料は基本的には香味野菜と一緒に炒めて風味を出して使います。








食中毒の誤解

調理師試験でも食中毒に関する事柄はしっかりと出てくるのですが、中国は日本ほど衛生に気を使っていません。なぜかと言うと、みんな免疫を持っているので大事にはならないようなのです。

近年、日本の環境は衛生的になったのにもかかわらず、食中毒の件数は増え続けていますし、更に日本人の免疫力は低下していると言うことなので、食中毒防止に常に神経をとがらせておくことが大切だと思います。

と言うことで、考試方式で食中毒の○×問題を載せました。


①気温の低い冬はあまり気を使う必要はない。

②魚は殺菌のために塩水で洗うと良い。

③市販されている鶏卵は消毒済みなので、新しいのであれば安心して生食できる。

④缶詰や真空パックの食品は酸素がないので安全。

⑤食材を冷凍することによって滅菌効果が期待できる。

⑥高温で長時間加熱すれば中毒の心配はない。

⑦冷凍食材は食中毒防止に役立つ。

⑧食中毒にかかったと思ったらすぐに下痢止めの薬を飲んで応急処置をする。

⑨生卵は危険なので、手作りアイスクリームに使うと言う手がある。

⑩生食用のカキは加熱用よりも鮮度が良いので、安心して生食できる。


⑪食中毒の原因菌は乾燥に弱いので、乾物は湿気ない限り安全である。

⑫繁殖の早い腸炎ビブリオでも10分で2つに分裂すると言う速度なので、繁殖力は弱いが毒素は強い。




以上の設問は全て×です。

①気温の低い冬はあまり気を使う必要はない。×
→カキ等の2枚貝に生息するノロウイルスは冬に多く発生しますし、暖房器具の普及や輸入食品の増加で、季節にかかわらず中毒者は年々増えているようです。

②魚は殺菌のために塩水で洗うと良い。×
→海産物に付着している腸炎ビブリオという菌は海水中に生存していて塩分を好むので真水で洗います。増殖力が強いので、保冷に努め、まな板などの調理器具は必ず良く洗うようにします。

③市販されている鶏卵は消毒済みなので、新しいのであれば安心して生食できる。×
→表面は消毒されてても殻の無数の穴からサルモネラ菌に内部が感染されていると思ったほうが良いです。体調が悪い時は生卵は食べないようにするのが肝心。

④缶詰や真空パックの食品は酸素がないので安全。×
→ボツリヌス菌は嫌気性なので、空気のないところに生息します。開けたときにバター臭がしたり、容器が膨れていたら増殖している証拠なので、捨てましょう。

⑤食材を冷凍することによって滅菌効果が期待できる。×
→冷凍することによって菌の増殖は抑えることは出来ますが、死滅はせずに、解凍したとたんに増殖を始めます。菌から毒素が出てしまっていれば冷凍は何の効果もありません。

⑥高温で長時間加熱すれば中毒の心配はない。×
加熱することでほとんどの菌は死滅しますが、菌から毒素がでてしまった場合は長時間加熱したとしても効果がない場合(黄色ブドウ球菌)があります。

⑦冷凍食材は食中毒防止に役立つ。×
→鮮度の悪いものを冷凍しても中毒防止にはなりません。冷凍する以前の状態が肝心です。特に輸入品は信用できるメーカーのものを買うしかないようです。

⑧食中毒にかかったと思ったらすぐに下痢止めの薬を飲んで応急処置をする。×
→下痢止めの薬は症状を悪化させる場合があるので、脱水症状を起こさないように水分補給をしっかりとして病院で見てもらうのが先決です。

⑨生卵は危険なので、手作りアイスクリームに使うと言う手がある。×
→アイスクリームにしても生は生です。最近は洋菓子などで食中毒になる場合も多いようなので、回転の早い店で買ったほうが良いようです。

⑩生食用のカキは加熱用よりも鮮度が良いので、安心して生食できる。×
→生食用と加熱用のカキは鮮度ではなく、海域のウイルスの菌数または、滅菌処理しているかによって分けられています。よって、新鮮ならば良いというわけでもなく、生食用でもウイルスが全くないというわけではないので体調不良の場合は生がきは禁物です。

⑪食中毒の原因菌は乾燥に弱いので、乾物は湿気ない限り安全である。×
→サルモネラ菌は低温や乾燥に強い菌です。イカを乾燥したおつまみでも食中毒事件が起きた事もありました。

⑫繁殖の早い腸炎ビブリオでも10分で2つに分裂すると言う速度なので、繁殖力は弱いが毒素は強い。×
→10分で2つになると言うことは、1個が3~4時間で1000万個にも増殖すると言うことです。買い物した後はまっすぐ帰って早めに冷蔵庫に入れるしかありません。


私は以前、下痢と微熱が続いたために現地の病院にいきましたが、
「これをアソコに挿して来い」と、ささくれ立った竹の綿棒を看護婦に渡されたことがあります
(痛)
その後は点滴のオンパレードでした・・・。

調理する時は食べる側のことを考えて作るのが重要です。









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