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【芸能・社会】

横内正、盟友の息子と挑む「マクベス」 14日から東京・三越劇場で

2019年2月6日 紙面から

舞台「マクベス」公演を控え、意気込みを語る横内正(左)と加藤頼(潟沼義樹撮影)

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 俳優横内正(77)が主演と演出を手掛け、初めて挑むことで注目のシェークスピア劇「マクベス」(14~17日、東京・三越劇場)。同じシェークスピア悲劇の「リア王」は昨年まで3年連続で演じてきたが、今回「平成最後のマクベス」と横内が力を込める舞台で、重要な役柄マクダフを演じるのは、俳優座同期の盟友、故加藤剛さん=18年6月死去、当時(80)=の次男・加藤頼(らい、38)だ。14日の初日を控え、熱がこもる2人を訪ねた。 (三橋正明)

 横内と頼はリア王では共演していたが、マクベスは初めて。「剛さんは40年前にマクベスを演じており、自分もいつかやってみたい舞台だった」と横内。「その舞台で頼の存在は欠かせない。剛さんの役者としての誠実な一徹ぶりは頼にも通じる」

 剛さんの訃報から半年余。頼は「父がマクベスを演じたのは自分が生まれる前の40歳のとき。ほぼ同じ年齢になって自分がマクベスの舞台に横内さんと一緒に上がるのも巡り合わせを感じる」と感慨深げだ。

 頼は、妻子をマクベスに殺害され、マクベスを敵とするマクダフを演じる。

 頼の自宅応接間に一枚のポスターが張られている。剛さんがマクベスを演じたときのもの。「幼いときから『大人の世界』と眺め続けてきたが、今はその思いが全然違うのを感じる」とも。「ハムレット」「オセロ」と並ぶ、シェークスピア4大悲劇をまた1つキャリアに乗せる。

 横内は「俳優座時代、剛さんとの共演はゲーテの『ファウスト』など数少なかった。父親と出会ったときに存在していなかった頼と今、当たり前のように芝居をしているのは、とてもすてきなことだと思える。そっくりだから剛さんと話している気にもなる」。

 演出も手掛ける横内は「(マクベスは)悪を表現する醍醐味(だいごみ)。難解といわれがちなシェークスピア劇も人間の欲望を反映した、いつの時代にも共感できるドラマだと思う」と強調。今回、衣装や色彩など、視覚的にも独特な世界観を仕込んだそうだ。

 リア王、マクベス…と来れば4大悲劇すべてを演じることも期待される。「今回の舞台でも一騎打ちで刀を振り回す場面もありますから(笑い)。可能性はあります」と話すと、頼も「横内さんが続けていくなら、自分もご一緒したい」と重ねた。

 出演はほかに一色采子(60)、松村雄基(55)、崎本大海(32)、棚橋幸代(40)ら。

 

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