FGOのマスターの一人 作:sognathus
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自分が先輩と呼ぶマスターの自分に対する態度に。
だから思い切って言った。
「先輩、私をちゃんと見て下さい!」
「は?」
突然のマシュの剣幕にマスターはポカンとした。
一体自分をちゃんと見てとはどういった事なのだろうか。
「え、どうしたの?」
「先輩、いつもお仕事が終わった後私に素っ気無くないですか?」
「えー……」
マシュの話の内容にマスターは思わず脱力してしまった。
何事かと思ったらそんな事か。
「素っ気無いって。別に一人の時間を優先して有意義に過ごしているだけじゃないか」
「だからって偶にはご飯くらい一緒に行っても良いと思いますけど?」
「えっ、もしかして一回も行った事なかった?」
「はい」
マシュの即答にマスターは流石にこれにはしまったという顔をした。
マシュと自分は今まで数々の危険な任務をこなしてきた仲だが、まさか食事すら二人で取った事が無かったとは。
これは冷静に考えてみると確かに素っ気無いにしても度が過ぎている気がした。
「うん、分かった。じゃ、今日の夕食は一緒に摂ろうか」
「はい」
マシュは満面の笑顔を浮かべて嬉しそうな顔をした。
そしてマスターは話はそれで終わりとばかりに「それじゃ」と自室に戻ろうとしたのだが……。
「ま、待ってください! 終わりですか? 今日の会話はもうこれで終わりですか?! 後は夕食の時まで何もしないんですか?」
「え、他に用ある?」
「他にって……」
マシュはそれ以上話題が思い浮かばず言葉が詰まってしまった。
マスターとは付き合いは長いが、どうも任務の時以外は自分を含めて素っ気無い。
それ以外では表面上の付き合いだけという感じだ。
廊下ですれ違っても挨拶くらいしか交わさず、後は大体自室に閉じ籠っている印象だ。
別に女性が苦手という感じでもコミュ障という感じでもない。
指示も的確だし、任務に臨む態度も真剣でサーヴァントからの信頼も篤い。
だがそれだけだった。
それだけなのだ。
彼は何より自分のプライベートを優先して、自分ですら同じカルデアで働く者という間柄を越える関係には至っていない。
つまり友人にすらなれていないのだ。(個人談)
これは由々しき事態だった。
ハッキリ言ってマシュはマスターが大好きだったのだが、その好意を勘付いてすらもらっていないのだ。
カルデアに所属する者の中で一番付き合いが長いというのに彼との関係の立ち位置は未だに他のサーヴァントと一緒だったのだ。
その素っ気無さはあのジャンヌ・オルタですら何やら焦った様子で自分からマスターに話し掛けるほどであった。
故にマシュは思い切って切り出した。
こうなったらこれくらいしなければ、と。
「えっと、じゃぁ、先輩のお部屋に遊びに行っていいですか?」
「いいよ」
「え」
多少動揺する様子を期待したのだが、そんな素振りも見せずにあっさりとマスターは諸諾した。
「じゃ、何する? 俺の部屋、本やゲームや映画くらいしかないけど、それでいいかな?」
「あ、はい……」
「じゃ、10分くらいしたら来なよ。何か軽い食べ物とか用意しておくからさ」
あまりにも展開が軽く進んだ為にマシュは喜ぶことも忘れて部屋へと帰っていくマスターの背中を見つめる事しかできなかった。
何となく頭に浮かんだ話を文章にしただけですが、特に脈絡もなくてあまり面白くないですね。
取り敢えず何か書いて創作のモチベを保てたらと思った次第です。