独自の片付け術を紹介したNetflixの番組「KONMARI〜人生がときめく片付けの魔法」をきっかけに、「こんまり」こと近藤麻理恵さんが、アメリカで大ブレイクしている。
そんな中、アメリカの著名作家が「私はこんまりが嫌い」「こんまりが英語を話さないことは、超大国アメリカの衰退を意味している」などとツイートし、差別的だと非難されている。
「こんまりが英語を話さないことは…」
問題のツイートを投稿したのは、アメリカの著名作家バーバラ・エーレンライクさん(77)。
エーレンライクさんは「ニューヨーク・タイムズ」や「アトランティック」などの有名紙でジャーナリストとして活躍し、1980年には全米雑誌賞を受賞。
本人のホームページには、「社会的不正義や不平等に関する執筆活動」や「医療、平和、女性の権利、経済的不平等に関する運動」などが主なライフワークとして挙げられている。
エーレンライクさんは2月5日(日本時間)、次のようにツイートした。
「白状します:私はこんまりが嫌い。なぜなら美的な感覚で言うと、私は散らかってる側の人間だから」
「彼女の言葉については、個人的には、彼女が膨大な数のアメリカ人視聴者に対して英語で喋らなくても別にいいけれど、(こんまりが英語を話さないことが)超大国としてのアメリカの衰退を示唆しているのは間違いない」
エーレンライクさんのツイートはメディアにも取り上げられ、多くの人から批判の声が上がった。
「本気?こんまりが英語を話せないことは、彼女が日本人で、異なる文化から学ぶことがたくさんあるという意味でしかないと思います。日本語を話せない私たちにも、片付け術を教えてくれるこんまりに感謝しています」
「英語が第一言語ではない優しいアジア人の女性から、アメリカ人が一生懸命学ぼうとしている姿は、この排外主義が強まっている時代において、希望を与えてくれるものの一つだと思うけど」
「むしろアメリカの衰退は、世界中のみんなが僕たちの言葉を学んでくれることばかり期待して、他の国々みたいに、子供たちに外国語を教えたり、他の文化がいかに大事かを教えたり、他の言葉にも耳を傾けるべきだと教えたりしようとしないことにあると思う」
エーレンライクさんは批判を受け、「ツイートで気分を害した方々、ごめんなさい!気の利いたユーモアのあることを言おうとして、うまくいかない時もあるんです」と謝罪。
「私はアメリカの衰退を悲しんでいる訳ではありません。…どんな時、どんな場合においても、英語以外の言語が使われることも心から歓迎します」と弁明した。
アメリカに公用語はない
CIAの資料によると、家庭で英語を話す人はアメリカ人の78.2%で、スペイン語が13.4%、中国語が1.1%、その他が7.3%を占める。アメリカに連邦政府として定めた「公用語」はない。
一方、「アメリカであるからには、英語を話すべきだ」という考えは根強く、排他的な文脈で使われることも少なくない。
2018年5月には、ニューヨーク市のレストランでスペイン語を話していた人に対し、「英語を話せ」「自分の国から追い出すぞ」と、弁護士の男性が脅した。
その映像がSNSで出回ると、中南米系の市民を中心に抗議活動が起きた。弁護士の自宅前に多くの人が集まり、ラテンパーティーを開いた。
また、2018年12月には、ミス・ユニバース世界大会に出場した「ミス・アメリカ」の女性が、ベトナム代表について「彼女は英語を話せるフリをしてる」などと笑った動画に批判が殺到した。
ミス・アメリカは「今思うと、(この大会に)集った数少ない仲間の勇気を讃えようとした際に、敬意に欠けているとも受け取れる発言をしてしまった」と謝罪した。
Saori Ibukiに連絡する メールアドレス:saori.ibuki@buzzfeed.com.
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