新卒で入社した会社から転職してみて今、感じていることを書いてみます。
それは天井がなくなったことです。
天井、というのは、働いていく中での限界・上限・制約とも言いかえられます。今までの天井が何だったかというと、会社のルール・組織・労働環境、などでした。
具体的に書いたほうがわかりやすいかもしれません。例えば下記のようなことがありました。
- ○○(新しいSaaS)を使いたければ関係各所に申請・承認が3つ以上必要
- 「ここのページ誤字ありますよ」(本当はすぐ直せる)「この部署が管轄だから連絡してみて」(1ヶ月以上かかる)
- ネットワークが遅くてある日は仕事ができない
こういった制限はもちろん効率面では悪影響ですが、それ以上に大きな問題を抱えていると思います。
「バケツの中のバッタ」という話をご存知でしょうか。
本当は50cm飛べるバッタを20cmのバケツに入れて蓋をしておくと、そのバッタは蓋をあけても20cmしか飛べない、という話です。
人間もおそらく同じことが言えると思うのですが、更に自分の実感を元に追加するなら、「飛べなくなっていることにも気づかない」のではないかと思っています。
転職して、上記のような状態が一変しました。
- ○○(新しいSaaS)を使いたければ、使っていいよ。ただし運用はみんなに提案してね
- 「ここのページ誤字ありますよ」「直していいよ」
- 「オフィスが働きにくいんですが…(実際そんなことはないが)」「じゃあ自分が働きやすい場所で働いて」
こうなると、環境を言い訳にできなくなります。蓋がなくなってしまったのです。毎日のルーティンのニュースチェックや技術書を読むことも今までは「スキルアップ」くらいのつもりだったのが、突然「目の前の問題解決のための武器集め」になりました。毎日の生きる姿勢が変わってしまったと言えるでしょう。
逆に天井がなくなるのはある意味で恐ろしいことです。天井があれば、「本当は自分はもっと能力があるけど、これがこの環境でできる限度だ」と考えて逃げることができるが、それがなくなると、「問題を解決できないのは100%自分の責任」になってしまうのですから。
いわば天井は自分の能力でしかなくなります。
そうなるともう頑張るしかありません。そういう現在の状況は自分にとっては今のところ馴染んでいると感じています。当然、人生に何を求めるかは人それぞれなので、「こういう生き方をしたほうがいいぞ」と言いたいわけではないのですが、頑張りたいと思っている人は自分の環境をもう一度振り返ってみてもいいかもしれないでしょう。
またそういう人材を育てたいと思っている企業は、(天井がもしあるなら)早急に天井除去作業をすべきなのではないでしょうか。