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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】石川翔と同じ高卒2年目…こちらは昇格ならずも 山本もいいぞ

2019年2月5日 紙面から

整備されてないマウンドに上がった山本(中嶋大撮影)

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 ネット裏のスタンドから、山本昌さんと並んで見た。この大物OBを投げる前からワクワクさせ、投げてうならせたのが石川翔、山本だ。

 「この2人、ブルペンからいいんだって! イチ押しと二押し。今年中には出てくるんじゃないかな」。石川翔の良さは今日の中スポ1面に載っている。僕は山本の好きなところを書く。

 北谷のブルペンは8人同時に投げられるが、20人以上がいるから順番に入る。投げ終えたら掘れたマウンドをトンボでならす。次の人のために当然のマナーである。ところが山本だけはお断りするのだ。先輩に遠慮しているわけではない。

 「中継ぎはもちろんですが、先発でも先に投げるとは限りません。掘れていても困らないように、自分(の足)で整えただけで投げるようにしています」

 僕はこの答えを聞いただけでうれしくなった。これこそが「実戦のための練習」なのだ。試合では所定のイニングに白線は引き直され、フィールドはならされるが、マウンドは少しずつ荒れていく。特にリリーフ投手は他人のつくった穴に苦しむことがある。

 山本の歩幅は最も多い6足半。競合するため穴も広がるということだ。実際、昨季の2軍戦では対応しきれずに「投げにくかったことがありました」。それを見た小笠原投手コーチのアドバイスもあり、日ごろの練習からあえて荒れたマウンドで投球するようにし、適応力を高めていった。

 この日の山本は9人のうち8番目の登板だったが「困りませんでした」と笑えたのは練習の成果だ。4人の打者に投げて1安打。最速145キロは石川翔と同じだった。

 「すごく濃くて、あっという間の4日間でした。しっかりと自分で考えて練習して、キャンプが終わるころにここに戻ってきたいです」

 石川翔は北谷組に昇格したが、山本は体験のまま北谷を去る。ライバルに後れを取ったと思うだろうが、小さなことにはこだわらず、スケールの大きな投手に育ってもらいたい。

(渋谷真)

 

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