【芸能・社会】ユーミン「活動休止は死ぬとき」 苗場ライブ前に嵐の決断絶賛2019年2月5日 紙面から
歌手の松任谷由実(65)が4日、新潟県湯沢町の苗場プリンスホテルで、恒例のリゾートライブ「SURF&SNOW in Naeba」の初日公演を開催した。昨年は7年ぶり3度目となる「NHK紅白歌合戦」に出場、サザンオールスターズと夢の共演を果たした。その興奮の瞬間をユーモアたっぷりに振り返るとともに、同じステージに立った嵐が2020年いっぱいで活動休止を発表したことについて、自身の経験を踏まえながらエールを送った。 昨年の紅白。究極の大トリとして出場したサザンのステージに“乱入”したユーミンが桑田佳祐(62)のほおにキスし=写真、妖艶(ようえん)に腰をくねらせた光景は、視聴者を大いに楽しませた。 「日本中を違うディメンション(次元)にお連れしたと思う。私と桑田くんに日本の神が降りてきました。古事記にも出てくる“ムナサワギノコシツキノミコト”っていうんです。いいバイブレーションだったので『これはいけるぞ!』と。桑田くんもそう思ったみたい」。ジョークを交えて奇跡の瞬間を述懐した。 ステージへの登場は完全なるサプライズ。舞台そでで待機している際の心境を「まわしを着けた土佐犬みたい」と表現した。「何より感心したのは桑田くん。案外ウブだなと。私がキスをしたらビクッとした。そしたらすぐ(桑田が)腰に手を回して女に恥をかかせないぞと。さすがだなと思いました」 嵐とは昨年、日本テレビ系「嵐にしやがれ」でも共演している。活動休止について「すばらしいんじゃないかと思います。一番しんどいのは、人々が人気絶頂と認識する少し前。そのあたりでリセットを考えるんじゃないかと思いました」と理解を示した。 その考えは自身の経験にも基づいている。「1976年に結婚しまして、そのとき(活動を)やめたほうがいいかなと1年半ぐらいくすぶっていたけど、やめられない自分がいた。(自分が)ブームだったから逃げたかった。でも逃げても、一度名前が出てしまったら逃げられるものじゃないと感覚で知りました」 個人とグループでは環境が違う。活動休止への考え方も「人それぞれですから」と前置きした上で「竹も節があるから伸びていく。充電期間を持つと、もっともっと大きいグループ、個人になるんじゃないですかね。皆さん、必ずやると思います」と嵐の復活に期待を寄せた。 自身については「ユーミンからは引退できない。活動休止するとしたら、ばったり死ぬときですね」と生涯現役を宣言した。
◆今年で39回目 テーマは「大人の妄想」ユーミンの苗場公演は1981年から毎年開催されている。39回目の今年は「大人の妄想」「バーチャルワールドな夢の世界」をテーマに、ステージは騙(だま)し絵で非現実的な世界を表現。バンドにストリングスを加えた編成で「リフレインが叫んでる」「BLIZZARD」などの代表曲に加え、他のアーティストに提供した「雨音はショパンの調べ」「『いちご白書』をもう一度」など全23曲を披露。恒例のファンのリクエストコーナーでも盛り上げた。 ◆4公演の追加発表昨年はデビュー45周年記念ベスト盤「ユーミンからの、恋のうた。」をリリースし、「タイムマシンツアー」が9月からスタートした。追加公演も含め4月6、7日の横浜アリーナまで15会場36公演が発表されていたが、この日新たに5月10、11日の長野ビッグハット、同15、16日の日本武道館公演が発表された。 昨年、400曲以上におよぶ全楽曲のデジタル配信を行ったところ、20代や30代の新たなファンが増加。客層の変化を感じたユーミンが「初めての人にもぜひ見てほしい」との思いで追加が決まった。
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