実戦練習2日目で、ようやく与田竜第1号が飛び出した。打ったのは最後の打者、三ツ俣。清水の投じたインハイの直球をうまくとらえた。高々と上がった打球は左翼ポール際に吸い込まれた。
「村上さん(打撃コーチ)から真っすぐに振り負けないようにと言われていた。振り負けず打てたと思う」。1打席目には石川翔から中前打。2軍から実戦練習に呼ばれた男はアピールに成功し、胸をなで下ろした。
3日は3打数無安打で守備では失策も犯していた。宿舎に戻ると、「なんでエラーするの?」と何度も自問自答した。結果を求め大事にいき過ぎ、消極的になっていた。「昨日(3日)の反省を生かして、守備、打撃と積極的にいったのが良かった」と振り返った。
昨年9月に靖奈(せいな)夫人と結婚し、12月には第1子となる長女が誕生した。「めっちゃ励みになる」と言う。実際、前夜もテレビ電話で靖奈さんと話し、娘の笑顔に気持ちを奮い立たせた。昨年は1軍出場なし。プロ8年間で1本塁打だった男にとって、この一発は大きなアピール弾になった。 (島田明)