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ソフトバンク、解約申し出る契約者に年6万円の通信料割引を適用か…契約者間で不公平

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ソフトバンク・孫正義社長(ロイター/アフロ)

 2018年12月6日、ソフトバンクの携帯電話において大規模な通信障害が発生した。午後1時39分から午後6時過ぎまで、4時間以上にわたり起こったこの障害は、日中だったこともあり多くのユーザーが不便を強いられた。3キャリアすべての回線を保持している私も、メイン使いの回線はソフトバンクであったため、出先でLINEや電話を使えず、不便な思いをした。

 通信障害の原因はエリクソン社製交換機に不具合が起こったためと報道されており、他国の通信事業者でも同様の通信障害が発生している。この件に関しては、ソフトバンクの過失割合は大きくないように思えるが、ユーザー側からすれば「高い料金を払っているスマホが、突然使えなくなった」という理不尽な目に遭ったことにはかわりはない。同19日に上場を控えたソフトバンクにとって、この通信障害は大きな痛手であったといえるだろう。

 19日の記者会見では、6日の通信障害を契機に1~2万件のユーザーがソフトバンクを解約したという報告があった。通信障害によってビジネス上の不利益を被ったり、ストレスを感じた人がソフトバンクを離れようとするのは、当然の動きといえ、ソフトバンクとの契約を解約したユーザーのほとんどが、MNPによって現在の番号を保持したまま他社へ乗り換えたと推察される。

 MNPによるユーザー獲得は、他社との契約を解約させ自社の契約数を増やすことができるため、各キャリアはMNPによる新規契約者に対して大幅な優遇をして端末を販売することも珍しくない。MNPの利用者は、解約するキャリアから10桁のMNP用予約番号を発行してもらう必要があるが、そのためにはカスタマーセンターに電話をかけてオペレーターと会話するか、ネット上で手続きをするか、ショップへ出向くことになる。そのため、電話対応のオペレーターやショップ店員は、解約金や端末料金の残債、メールアドレスの消滅といったデメリットを説明し、乗り換えを思いとどまらせようとする。

 それでも解約の意思が揺らがないユーザーに対して発行されるのが、ネット上で「コジポ」と呼ばれる引き止め施策だ。要は「MNP転出を思いとどまってくれたら、機種変更に使えるポイントをあげます」という内容で、ソフトバンクの場合は8000~3万ほどのポイントであることが多い(利用可能な機種は限定)。ポイント数は機種によって変動し、旧機種のiPhone8やXであれば8000ポイント、廉価モデルのXRであれば1万ポイント、XSであれば2万ポイントといったかたちだ。

割引額が請求額を上回る?


 このソフトバンクのMNPによる契約者転出の引き止め策について、12月の通信障害を受け変化があった。

 私が12月22日にソフトバンクのカスタマーセンターへ電話をかけ、手持ちの4回線すべてについて「通信障害があったので他社へ乗り換えたい」という旨をオペレーターへ伝えると、なんと「全回線に5000円×12カ月の通信料割引をつけるので再考をお願いしたい」という返答があった。なんと1回線あたり年6万円、4回線で計24万円にも上る。

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