2位発進の手嶋に笑みはなかった。冒頭の連続ジャンプの3回転ルッツ-3回転トーループ、続くダブルアクセル(2回転半ジャンプ)は成功させた。しかし、3回転フリップが踏み込むエッジが不明瞭と判定されて減点となり、田中に1・20点及ばず。演技後にはA組1位でのフリー進出という目標を果たせなかった悔しさが募っていた。
「現時点で1位になれなかったことは、ちょっと悔しい気がします」
中学1年で今回が初出場。しかし、全日本ノービス選手権のノービスAで優勝したプライドがある。その証拠に、この日も「全日本ノービスの1位は全中でいい成績を残している。負けないようにしたい」と決意してリンクに上がった。その思いが余計なプレッシャーになったのか…。SPはプラン通りに得点を伸ばすことはできなかった。
5日のフリーにかける思いはより強くなった。抱負を聞かれた手嶋は、「ノーミスでいい順位になれるように、隙のないようにしていきたい」。最後はしっかり気持ちを切り替えて、会場を後にした。 (川越亮太)