【一般スポーツ】豊田合成43年目の初優勝 男子ハンドボール日本選手権2019年2月4日 紙面から ハンドボール男子の第70回日本選手権は3日、熊本県山鹿市の山鹿市総合体育館で決勝が行われ、豊田合成がトヨタ車体との愛知県勢対決を30-26で制し、創部43年目で初優勝を決めた。 終了と同時に、紙テープが舞った。創部43年目、昨年まで4強にも届かなかった豊田合成が、悲願の初優勝。歓喜と興奮が渦巻くコートで、就任2季目の田中茂監督(51)が胴上げされた。 立ち上がりから常にリードを奪い、試合を優位に進めた。前半を4点リードで折り返し、後半は一時、1点差まで詰め寄られた。だが、慌てることなく、MVPに選ばれた水町、橋本が好機で着実にゴールを決めて、再びリードを広げた。 「僕たちは新興勢力。まさか、優勝できるとは思わなかった」と出村主将。1月に行われた世界選手権の日本代表7人を擁するトヨタ車体を、攻守ともに上回った。 強化策が実った。2017年に就任した田中監督は、同社初の外部招聘(しょうへい)監督。日本リーグのゼネラルマネジャーや、日本オリンピック委員会(JOC)専任コーチを歴任した経験と手腕で、若いチームを底上げした。昨年12月に日本リーグが中断期間に入ると、「超攻撃的な守備」(田中監督)を徹底。相手のボールを奪いに行く積極的な守備が、攻撃への第一歩になった。 「豊田合成が本当に強くなったと言われるのは、この後」と田中監督。橋本も「ここで満足するのは、チームとして一番やってはいけないこと。ここがスタート」と浮かれることはなかった。日本リーグでも2位につけ、プレーオフ進出、優勝も狙える。新しい歴史を作った豊田合成は、すぐに次の目標に向かって走りだす。 (麻生和男) 
 
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