碇ゲンドウ

登録日:2010/05/27(木) 15:41:24
更新日:2018/12/13 Thu 11:19:46
所要時間:約 10 分で読めます





ご心配なく……


その為のネルフです。

新世紀エヴァンゲリオンの登場人物。
この項目はヱヴァンゲリヲン新劇場版についても説明する。


年齢:48歳
血液:不明
声優:立木文彦


国連直属の特務機関ネルフの総司令。
主人公碇シンジの実の父であり、碇ユイとは夫婦関係にある。
旧姓は六分儀だが、ユイとの結婚時に碇に改姓した。


性格は基本的に寡黙で冷静沈着、かつ冷徹で、他人どころか実の息子であるシンジに対してすらその鉄面皮を崩す事はない。
また、他人を道具としてしか見ていないような場面も多く見られ、シンジが死ぬ危険性のある状況も黙って見過ごす。
…全てあのサングラスの恩恵だがな。
「使徒孅滅」を至上命題に掲げ、3号機が使徒に乗っ取られた際は躊躇なく孅滅を命じた。
しかし唯一、綾波レイに対しては優しい態度を取り、彼女が実験で危機に陥った際は我が身を省みず救出した。

ネルフ副司令の冬月コウゾウとは学生時代からの知り合いで、冬月の研究室に所属する研究生であった。
ちなみに、京都大学卒である。
冬月のゲンドウに対する第一印象は「嫌な男」で、密かに想いを寄せていたユイがゲンドウと結婚する事を好ましくは思っていなかった。
ユイや赤木リツコの母赤木ナオコとはその頃に知り合っている。

リツコとは愛人関係にあり、その関係は母ナオコの時代から続いている。どうも親子二代でよくモテるらしい。
しかしあくまでも目的の為の道具として扱っており、愛情などを見せる場面はない。
その歪んだ関係がナオコを自殺させる原因となった。

その威圧的な雰囲気と冷徹さから、ネルフ職員の間ではあまり評判は良くない。
とはいえ能力は評価されており、ネルフが停電になった際は伊吹マヤに「流石に冷静」と感心されていた。
実際は暑さを凌ぐ為に、水の入ったバケツに足を突っ込んでいたのだが。
…おい、この馬鹿野郎…


冬月
「…ぬるいな…」

ゲンドウ
「ああ…」

ちなみに、シンジの名付け親は彼。
ユイに対し、「男ならシンジ、女ならレイと名付ける」と語っている。



【以下、ネタバレ注意】



□原作アニメでの活躍

シンジを呼び寄せ、エヴァのパイロットにしてからは使徒孅滅を建前にしつつ、ゼーレの提唱する人類補完計画の為に行動する。
しかしそれはあくまで見せかけで、実際はゼーレさえ裏切り最初の使徒アダムを取り込むなど、自身の計画の為に動いていた。
全ては愛する妻であるユイに再会したいが為の行動で、彼がレイに心を開くのは、レイがユイのクローンだからである。
最終的にシンジをトリガーとして発動した補完計画の際は、ユイと共にシンジに「おめでとう」を言うシュールな光景が見られた。


□旧劇場版

基本的にTV版の補完。
リツコを射殺するシーンなどが追加されている。
その際に何かを彼女に告げたが、リツコはそれに「嘘つき」と返した。
右手にはアダムが融合しており、アダムとリリスの魂を持つレイと融合する事で、自らの願いを成就させようとした。
しかしシンジと初号機を感知したレイによりアダムのみを奪い去られ、右手を失う。
最終的に初号機に捕食されてしまうが、その際に不器用な自身の本音を語っている。
曰く、自分が他人に愛される資格がないと思っており、シンジを疎む態度を見せたのもどう接すればいいか分からなかったが故。
下手に触れ合えばシンジを傷付ける事になるという恐れから、シンジに対して上手く接する事が出来なかった。
そういった弱さを、ユイに縋る事で誤魔化していた。
この事から、シンジのナイーブな性格はゲンドウ譲りだという事が分かる。
捕食される寸前には、シンジが親子の関係を強く望んでいた事を知り、「すまなかった」と謝罪の言葉を述べた。


□新劇場版

基本的に原作アニメと同様。
しかし時折見せるシンジの意志の強さに動揺したり、レイから食事会に誘われた時はユイの面影を思い出して了承するなど、より人間的な面が描かれている。
また、シンジに対しては墓参りやネルフを去る際に、教え諭すような言動を見せている。
原作と違い、加持リョウジから受け取ったのはアダムではなく「ネブカドネザルの鍵」と称される謎の物体。
一度はシンジを見限ったかのように見えたが、レイを助ける為にシンジが初号機を覚醒させた事も折り込み済だったようである。
また、渚カヲルから「おとうさん」と呼ばれた。
お義父さんとしか聞こえなかった奴、お前は正しい。


□新劇場版:Q
年齢:62歳
ネルフスタッフのほとんどが対ネルフ組織「ヴィレ」に移り、冬月と二人で廃墟と化した「ネルフ」を続けている様子。
ヒゲはますます伸びて顎鬚が白くなり、サングラスの代わりに旧作のキールが装着していたバイザーをつけている。
そして、一連のニアサードインパクト・およびサードインパクトの黒幕。
カヲルから「リリンの王」と呼ばれており、最早新劇のラスボス候補の一人となっている。
人類補完計画の指揮権をゼーレに代わって担い、人類を新たな生命「インフィニティ」へと人工進化させた。
前作における不器用ぶりはどこへやら、シンジを完全に道具としかみなしておらず、
シンジとレイが接近しレイが初号機に取り込まれたことも全て彼の筋書き通りだったということが明かされた。
さらに補完計画を完全に自分のものとするためにエヴァ第13号機を製造し、シンジとカヲルを巧みに利用して、
セントラルドグマの槍を抜かせてエヴァを覚醒させ、DSSチョーカーによるカヲルの排除を実行し、
沈黙を保ち続けていたゼーレ(今作では仮想生命)の電源を抜いて亡き者とした。
ヴィレの奮闘とカヲルの自己犠牲によりフォースインパクトは止められたが、未だ全て彼の計画通りである様子。
次はファイナルインパクトを起こすらしいが…


□漫画版

基本的に原作と同じ。
しかしアダムを飲み込んだ際にA.T.フィールド発生能力を得ており、戦自とひとりでやり合っていた。
…既に人間捨てとる…
シンジを助けた際は、シンジに愛情などなく、むしろユイから無条件に愛情を寄せられるシンジを妬んでいた事が語られる。
愛していた二人目のレイや友情を感じ始めていたカヲルを失ったシンジに「大切な存在を失ったお前なら分かるはず」として、神への復讐を諭した。


□その他

メディアミックスや二次創作では、基本的にマダオ、あるいは不器用な普通の父親として描かれる事が多い。

特に『碇シンジ育成計画』では重度の親バカっぷりを見せており、ユイには頭が上がらない恐妻家。
重度の親バカという時点で察した人も多いと思うが、本編での冷徹ぶりはまったくない。ただ顔が怖いだけの子煩悩なオッサン、もといお父さん。
無論、赤木親子といかがわしい関係など結んでいないが、某リトさんばりのラッキースケベをリツコにかました時は満更でもなさそうにされるフラグ体質。
ユイが副司令として補佐しているようだが、ネルフ職員からはぶっちゃけユイの方が信頼されており、司令としての威厳は皆無。
しかし時折熱い台詞を発してネルフ職員(男性)と一致団結して問題に取り組んだり、謎のスキルでユイ達が苦労していた問題をあっさり解決したりする。
すごいのか愛すべき馬鹿なのか判断に困るところであるが、少なくとも妻のユイはそんなゲンドウだからこそ惚れたっぽい。


エヴァンゲリオン2ではシンジの父兄参観の際、ネルフのVTOLで登場し、問題を出された際は「どうしたシンジ、なぜ手を挙げない」と叱咤した。
お父さん、やり過ぎです。
釣りエンドは必見!?

『綾波育成計画』では本編通り冷徹な司令で、レイの好感度がゲンドウのものが一番高い場合、ゲンドウについて行ってしまう。
また、レイと結婚したとしか思えないEND(CG)もある。おまわりさん…いや戦略自衛隊のみなさんこの髭オヤジです。

第三次スーパーロボット大戦αではシンジを部隊に預けた事が正解だったと告げ、「成長したな、シンジ」と認める発言もある。

MXではなんとゼーレ諸共道連れ自爆し、シンジに父として接してやれなかった事を謝罪して妻の元へ逝った…。
…なけるぜ。

同じガイナックス制作の『ふしぎの海のナディア~Inherit the Bluewater~(プレイステーション2版)』に登場するアンドリュー・ロックヘルドは、
片眼鏡をかけている点を除けばゲンドウによく似ている。






追記・修正するなら早くしろ。
でなければ帰れ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/