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2019-02-03

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・昨夜、10時からNHK ETVで
 『SWITCHインタビュー達人達』という番組に、
 女優の芦田愛菜さんと共に出演しました。
 収録の現場ではおもしろかったという実感があったので、
 なんとかなったかなぁとは思っていましたが、
 番組スタッフの丁寧な仕事と乗算されたおかげで、
 かなり見応えのある内容になっていました。
 それも、56歳の年齢差を乗り越えて対談を引受けてくれた
 芦田愛菜さんの「存在」のおかげでした。
 「4歳と14歳で、生きようと思った。」というのは、
 番組でも紹介された映画『火垂るの墓』のコピーですが、
 「70歳と14歳で、対談しようと思った。」というのは、
 成立するというだけで、おもしろいと思ったのでした。
 そして、ぼくには「できる」という確信もありました。
 でも、ほんとうに成立できた理由は、70歳ではなく、
 14歳のほうに、話すだけの中身があったからです。
 正直に言いますが、どんな14歳とでも
 テレビカメラの前で対談ができるとは考えられません。
 さらに言えば、相手が24歳であろうが、64歳であろうが、
 1時間の対談を成立させられる自信はありません。
 あの14歳は、ほんとうに一日一日を、
 丁寧に生きて経験にしてきた人なのだと思います。

 そして、だれかが仕組んだわけでもないでしょうが、
 同じ昨夜の10時から、NHK BS-1では、
 『最後の講義みうらじゅん“誕生の秘密”』
 という番組を放送していたのです。
 なんということでしょう、イトイとみうらが表裏にいる。
 深夜に、録画したそっちの番組を観ました。
 もう20年前、みうらじゅんとふたりで食事をしました。
 ぼくが50で、みうらが40です。
 料理も食べ、どうでもいいこともいろいろ話して、
 帰りがけの時間に、ぼくが本気で言ったのでした。
 「みうらさぁ、幸せって、どういうものだと思う?」
 ま、質問が唐突だったのですけれどね、
 困ったように、みうらは言いました。
 「イトイさん、そういうの考えなくてもいいって、
 ずっと言ってきたじゃないですか。
 それで、ぼくなんか助かってきたのに…」。
 おいおい、みうらじゅん、いまごろ答えてくれたね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
一日ずつ生きていると、おもしろいこと、いっぱいあるよ。


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