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黒石のねぷた師らが魅力PR

寄贈するねぷた絵の色付け作業をする石原さん(左)と見守る今井さん(右)、鳴海さん

 ねぷた好きを増やし、黒石を盛り上げたい-。青森県黒石市のねぷた絵師・今井秋行(ときゆき)さん(41)ら有志6人が今春「黒昇會(こくしょうかい)」を結成、9月から本格的なPR活動に乗り出した。手始めに市内の保育園や幼稚園にねぷた絵の寄贈を始めた。

黒昇會が寄贈したねぷた絵の前で笑顔を見せる黒石若葉保育園の園児たち

 21歳からねぷた絵師として活躍している今井さんは7、8年前から「今の自分があるのは黒石のおかげ。ねぷた絵師として何か故郷に恩返しがしたい」と思うようになった。だが一人では限界があると思い、活動開始に踏み出せずにいた。

 近年、若手絵師たちが力を付け上達してきたことに頼もしさを感じた今井さんは、ねぷた愛好者団体を結成しようと、親交の深い鳴海淳一郎さん(33)=黒石商工会議所勤務=に持ち掛け、黒昇會結成を決めた。

 団体名には、黒石市が勢いよく昇るように発展できたら-との願いを込めた。10年前に仲間とねぷた運行団体を作った経験がある鳴海さんは「ねぷた祭りほど、黒石市で老若男女が熱くなる行事はない。ねぷたは黒石を盛り上げるための良いツール」と語る。

 会に加入した若手ねぷた絵師は寺口将太さん(34)、種市祥さん(32)、今井さんの弟子の渡辺健資(けんすけ)さん(28)と石原健太さん(24)の4人。石原さんは「扇ねぷたと言えば弘前ねぷたの印象が強い。市内外の人に黒石ねぷたを知ってもらい、黒石市に足を運んでもらえるようにしたい」と意気込みを語った。

 小学5年の時、ねぷた絵の展示会で入賞したことがうれしくてねぷた絵師を志した今井さんは「もっと子どもたちがねぷたに接する機会を作りたい」と力を込める。

 同会は9月、市内の黒石若葉保育園と聖テレジア幼稚園にねぷた絵をそれぞれ寄贈。今後、市内すべての幼稚園、保育園、こども園のほか、福祉施設にも寄贈していく予定だ。また、今夏のねぷた祭り前から、子どもたちが自由に制作風景を見学できるように今井さんの作業場を開放している。

 「若手絵師にとっても、いろんな人に絵を見てもらうことはいい刺激になる」と今井さん。子どもたちを対象にした「ねぷた絵コンクール」の開催、こみせ通りや津軽伝承工芸館でのねぷた展示など「やりたいことがいっぱいある」と今後の活動に思いを巡らす。

 今井さんは、年々減少する黒石ねぷた祭りの運行台数に危機感を抱く。「子どもが減ったと嘆くより、絵師たちが行動に移した方がいい」と、真剣なまなざしで言い切った。

【2016年10月19日(水)】

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