「噂の眞相」元編集長の岡留安則さん死去…71歳肺がんで
反権力、反権威の姿勢を掲げ、政界から芸能ゴシップまで幅広い話題を扱った雑誌「噂の眞相」の元編集長・岡留安則(おかどめ・やすのり)さんが1月31日午前、肺がんのため那覇市内の病院で死去した。71歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。
1979年に「噂の眞相」を創刊。99年には当時の東京高検検事長の女性スキャンダルをスクープし、辞任のきっかけをつくった。2004年3月に「噂の眞相」を休刊した。休刊後は那覇市に移住。米軍基地問題をはじめとする沖縄の現状やメディアの在り方についてブログなどで発信していた。
同誌の副編集長として岡留さんを支えた川端幹人さんは「2000年に(記事をめぐって)編集部が襲撃された時、太ももを刺されたのに応戦していた姿を思い出します。警察が来ても『俺は飲みに行く約束がある。警察に行っている暇はない』と拒否していました」と述懐。「僕らが何かをやろうとしても、首を横に振ることはなく『大丈夫だよ~』と背中を押してくれました。怒ったことのない穏やかな人でした」としのんだ。
川端さんによると、昨年11月に肺がんが見つかった後も元気な様子で、辺野古基地建設問題などへの怒りをあらわにしていたが、1月末に容体が急変したもようだ。生前、沖縄の海に散骨する意思を示していたという。
◆岡留 安則(おかどめ・やすのり)1947年11月23日、鹿児島県曽於郡生まれ。70年に法大社会学部、72年に同大法学部を卒業。業界誌記者、「マスコミ評論」編集長を経て、79年3月に「噂の眞相」創刊。数々のスクープを飛ばす。同誌は04年に休刊。