元貴ノ岩、和解の断髪式　元日馬富士が肩に手をかけ「頑張って」

　大相撲の冬巡業先で付け人に暴力を働いた引責で、昨年１２月に現役を引退した元幕内貴ノ岩のアディヤ・バーサンドルジさん（２８）が２日、東京・両国国技館で断髪式を開いた。

　約３７０人が出席したが、２０１７年１０月に酒席で自身に暴力を振るい、責任を取って引退した元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジさん（３４）も来場した。元貴ノ岩から提訴された経緯もある元日馬富士だが、既に和解。はさみを入れる際には両肩に手をかけ「頑張ってください」と耳元で声をかけた。

　元日馬富士は報道陣の問いかけに「これからが長いわけですから、頑張っていただきたい。（わだかまりはなく）だから来ているので。こういうことになってしまったけど、これからも応援していきたい。前向きに真っすぐいくしかないと思うので」とにこやかに語った。

　元貴ノ岩は呼応する形で「いろんなことに精進したい気持ちでいっぱい」。事件が起きた酒席に同席した白鵬、鶴竜の両横綱にもはさみを入れてもらい「うれしい」と感謝した。白鵬は「肩を触ってあげましたから。それで物語っている。言葉はいらないんじゃないかな」と話した。　（岸本隆）

　元貴ノ岩は貴乃花部屋に入門し、２００９年初場所初土俵。元貴乃花親方の日本相撲協会退職に伴い、昨年１０月に千賀ノ浦部屋に移籍した。この日、前師匠の姿はなかったが、元貴ノ岩は「感謝の気持ちでいっぱい」と恩を口に。タレントの松村邦洋が土俵上で元貴乃花親方のモノマネをしながらはさみを入れるなどして盛り上げた。