巨人の岡本和真内野手(22)が3日の紅白戦に1軍の「4番・三塁」で先発出場することになった。昨季の大活躍で既にレギュラーはおろか4番も確定的だが、原監督は「若手ですから。リーダー的な若手ですよね」と異例の出場理由を説明。1、2軍の若手同士がしのぎを削る実戦で、格の違いを見せつける。
2日の練習では、元木内野守備兼打撃コーチがこれでもかと浴びせ続ける鬼ノックに耐え、居残り特打で快音を響かせた。猛練習に精力的に取り組み「実戦は初めてなので、思い切ってバットを振っていきたい」と意気込みを語った。
その姿を原監督も「タフだねぇ」と驚嘆。その上で「もう少しノッカーに対し、さらに意思力が出てくると思うよ」と付け加えた。大きな声で観客を笑わせ、厳しいノックの場を盛り上げたのは、引退後にタレント業もこなした元木コーチ。人見知りで口下手な若き主砲に、周囲を巻き込む言動や振る舞いを身に付けるよう求めた。
指揮官が「若い選手たちの現状の力試し」と設定した紅白戦に先発出場させる狙いも、そこにある。周囲が若手だけならば、必然的に岡本は実績トップ。おのずと、チームをけん引する立場となる。「(4番は)気にせず思い切ってやりたい」。岡本はそう語気を強めた。巨人の「4番サード」はミスターがつくりあげ、原監督が継いだ伝統の系譜。その後継者を託された岡本が、若きリーダーに進化していく。(小林孝一郎)