東方艦隊夢想   作:佐武 駿人
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コラボ企画其の四

「現在ソリッドアイ…面倒だから以降SEって言うけどな…で周囲に気を配りつつ、気づかれない程度に全速力でコリアンダー島近くへ向かっている。

ちなみに上陸する小島はもう決めてある。加賀が富嶽に仕舞ってあった彩雲を取り出してきて、それで見てきてくれた所、1番良さそうなのがそこだったらしい。

さて、まずはフルトン回収システムについて説明をする………前に、補給支援の要請の仕方について教える。まず……お前らの端末見せてくれ。まずはそこからだ。まず御坂」

 

「端末??ああ、スマホのことか?

俺のはiPhoneだな。これだ」

 

 御坂の差し出したiPhoneを受け取った護利は怪しげなケーブルを突き刺すと何やら自分の端末をいじり始めた。そしていとも簡単にロックを解除した。ちなみに御坂ががっかりしてたのは内緒である。

 

「……なるほど、補給支援用のアプリはそのまま使えそうだな。

良いか?補給を受けたいときはこのアイコンをタップしてこいつを起動する。すると……」

 

護利が操作するとiPhoneの画面が一瞬青くなり、白文字で補給支援申請用のフォームが出てきた。

 

「後はこの画面で補給して欲しい物資のチェックボックスをタップして、欲しい物資を全部選んだらこのエンターを押す。おけ?」

「なるほど。……英語かよ。日本語には出来ないのか?」

 

と、御坂。英語は得意ではないようだ。

 

「いや、読めるだろ?軍人だし」

「まぁ…supply供給するとかbullet弾薬とかだろ?なら読める」

 

ちなみに駿は金剛以下にみっちり教え込まれている。その甲斐あってかほとんど不自由なく喋れるようになった。なお本人は未だに嫌いなようである。それは英文を見た瞬間にこの世の終わりを見たような顔をした時点でわかるだろう。

 

「じゃあ次、藍原の見せてくれるか? てか大丈夫か? 顔色悪いぞ?」

 

「え? あ、ああ! 大丈夫だ、問題ない。こいつだな? いいぞ。ほら」

 

御坂とはまた違ったタイプの端末に戸惑いつつもとりあえずケーブル繋いだ護利だがすぐさまケーブルを引っこ抜くことになった。ちなみにむやみやたらとコード類を抜いたりするとデータが壊れるから良い子のみんなは気を付けような!

 

BEEP!!BEEP!!BEEP!!

護利の端末からはまだ警報音が鳴っている。

今の音は相当ヤバイ奴なようで慌てて画面を凝視している。

 

「は?!藍原、お前のiPhone何なんだ。逆ハックって相当だぞ!」

「ふはははははは!! 驚いたか!? うちの工廠の連中(明石と妖精さん達)がAQUASをベースに改造してくれたんだぜ? 名付けて超高性能万能タブレット端末〔AKASI〕だ!」

 

ものすごいどや顔をする駿。仕返しができたことでかなり上機嫌のようだ。護利にOSからナニまで全部コピーされていることに全く気づいていない。

 

「まぁ良い。とりあえずロック外してくれ。じゃないと話にならん」

「分かった。ほらよ」

「使い方はさっき御坂に説明した時に聞いてたな?んじゃ、早速どれを要求するか考えておいてくれるか?」

「分かった。所で今回はどうするんだ?殲滅皆殺しか?それとも気絶させて回収か?」

「できれば回収で頼めるか?殺すと痕跡が残るし、断末魔を上げられたら不味い。一方で捕虜にすれば尋問してその分有利に働くから出来るだけ殺さずに無力化出来ると1番良い。それと、出来れば見つからないことを優先した装備にしてくれ」

「なるほど、とりあえずこっちに持ってきてあるのは海軍陸戦隊の軍服と昔うちを襲撃してきたやつらが持っていた64小銃、AK47だろ、んで、鎮守府にあった三八、南部十四年式、モーゼル銃、反動がヤバイけど普通の人間になんとか扱える艦娘用の12㎝単装砲、あとは銃剣に日本刀と軍刀、催涙弾、双眼鏡とかやけど……何持ってけばいいかな?」

「おいおい、多いな!? てか、64式って……陸自が襲撃してきたのか……?

それはともかく、サプレッサー消音声退器が使えるものを優先してくれ。

吹き矢やら弓矢やら、元々無音の物だと尚いいが……

後はスタンロッドもあると良いな。

スタンロッドは予備が幾つか富嶽においてあるから補給支援のやり方は教えたから自分で申請してみろ。

もし殺すんならできれば血痕の残らない殺害方法にしてくれ」

「じゃあ銃は無しで針でぷすっとやるかな。

んで、12㎝は煙幕弾と麻酔ガス弾持っていく。あ、12cmはサプレッサーついてるから問題無い。

武器が多い? それは四次元ぽ…モゴモゴ…ってなんで口押さえるんだよ!

ちなみに襲撃してきたやつは例の国の奴らだったから、軍の基地を襲ったあと装備を奪って基地から退却する兵に混じって基地から脱出して俺らのところへ攻めてきた。

ちなみに俺らの世界は自衛隊じゃなくて軍だ。解体されてないからな」

 

「なんで押さえたかって? なんかアレだったからだ」

 

 そこへいろいろな荷物を満足気に背負った御坂がやって来てこう言った。

 

「よし、じゃあ俺は遊戯王とVitaと財布とヘッドホン、着替え、ペイロード・ボルト、天上天下無双刀だな」

「色々待った。遊戯王ってのがなんなのかはわからんが、とりあえずVITAと財布は要らないし、そもそも見つからないようにサプレッサーを使える奴にしろって言わなかったか俺。ヘッドホンはまさか耳を覆うタイプじゃ無いよな?

念の為聞いておくけど、着替えは夜間用市街地迷彩だよな?」

 

だよなぁ……決闘者ならカードで戦えるかもだけど…財布も要らんだろ。あ、ちなみに俺はデュエマ派な?

 

「そうか……なら24式貸してくれるか?それとやっぱ刀無しでスタンロッドにしとく。

後、娯楽道具一式は、向こうでの暇つぶしだ。

ヘッドホンは耳当てタイプだけどどうかしたのか?着替えは黒系の迷彩柄だけど…」

「………それで大丈夫なのか?

それと二人共、段ボールは要らないのか?」

 

は? ナニイッテンダコイツ。

 

「段ボールって、メタルギアじゃないんだから。」

 

なるほどね。たまに川内が遊んでるメタギアネタなのか。だよなぁ。そんなん役に立つわけが……

 

「いーや、必要だ。考えても見ろ、御坂。遠くからお前を見かけた奴が双眼鏡でお前の方を見る。さてどうするんだこういう時は」

 

大真面目かよ!?

 

「瞬間移動する」

「………藍原は?」

「俺も瞬間移動できるし」

「…………もう良い……」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 さて、いろいろとあれからあったが…偶然ポケットに入ってたトランプで護利が何をやっても負けたりUNOで護利がぼろ負けしたり遊戯王で俺と護利が接戦の末俺が勝ったり…というか俺が御坂と組んで護利の心読みまくってただけだけどな(笑)

まぁあんなことこんなことで日没まで一時間と言った時間になった。

護利が適当に見繕った小島に上陸した俺達は護利の言う補給支援要請をしていた。

「送信っと。刻!駿!出来たぞ!」

「俺もおわった!刻は?」

 

別に大声でもよくね?

 

「大丈夫だ!………そろそろ来るぞ!頭ぶつけないようにな!」

 

それからピタリ十秒後、『こちら富嶽、先程受けた補給支援を配達します。頭上に気をつけてください』という通信とともに、ヒィユゥゥゥゥ!!!ドサッ!と、量の関係上、五つ強化段ボール箱にわけて入れられた荷物が降ってきた。

 

「さて、きちんと中身入ってるかな?」

と、護利が段ボール箱の中に入り、なにかゴソゴソしてる。

箱から出てくると、ここまで着ていたバトルドレスを箱の中に仕舞ってたから多分着替えてたんだろうな。

今度は別の箱の中に入り、何か(後でこれがフルトン回収装置って言ってた)持って出てきた。

 

「ほら、何してる?さっさと箱入って受け取れ。終わったら今あるいらないものはその中詰めとけよ。

船の中で食べた菓子の袋もな。

スタンロッドやらNVG暗視ゴーグルやらはこの箱に入ってるから。良いな?」

「ほーい、了解っと」

 

あーなんかすんげーほのぼの系のオーラ出てんな…大丈夫なんかな…

 

「しかし、目出し帽かよ……怖いぞそれ」

「いや藍原、目出し帽被らないと暗い所では肌が浮いて見えるんだぞ?かなり目立つ。この任務では間違いなく必要だ。俺は瞬間移動なんてできないからな」

 

 

 全員が準備を整えたところで護利がフルトン回収システムの説明するからって何やら二つの物体を見せてきた。

 

「さて、この大きい方が物資回収用フルトンで、この小さい方が人員回収用フルトンだ。

それぞれ青いパッケージのが手動スイッチ式で、押して1秒で風船が荷物を空に上げる。

黄色いパッケージのが時限式で、タイマーをセットしてスイッチを押すと、タイマーに設定した分の時間が経つと回収されるようになっている。

赤いパッケージのがリモコン式で、セットするときにチャンネルを選択、その回収したいタイミングでリモコンをそのチャンネルに合わせて起動すれば纏めて回収出来る。もちろん一つずつでも出来る。

リモコンはさっきスマホにインストールした補給支援アプリの中にメニューがあるからそこから起動してくれ。

まずはこの補給ボックスを回収してもらう。人員回収用でやってくれ」

 

 

言われた通りにスマホを操作する。なんか警告メッセージ出てたけど無視しとこう。

 

「次はエアクッション1号艇を回収してくれ。帰りは自分用のフルトンで富嶽に回収してもらうから要らないからな。大型物資回収用でやってくれ」

 

いけるのかどうか半信半疑だったけど問題もなく回収出来た。

 

「さて、もうそろそろ日没だ。行くぞ」

そう言って護利が海に飛び込もうとするが、「待った、俺達が運んだほうが早い。本当は瞬間移動で行きたいけど座標がわからないと無理だからな、海面上を飛んでいく。もちろん無音だから気づかれる心配は無い」と御坂が言ってた。え? 男一人抱えて飛ぶなんて嫌なんだけど。

 

「気持ちはありがたいが対水上レーダーが怖いからな。あんたらならステルスも出来そうだが俺は無理だ。悪いが泳いで行かせてもらう」

 

ステルスは無理だけどバリア張って海の中を行くんだがな。まぁ抱えて行くのは嫌だから言わないけど。

 

「そうか……向こうで待ってるぞ」

「ああ、出来れば上陸地点の確保も頼めるか?」

「「おう!」」

 

さーて、一仕事しますかねぇ…

 




容赦のないいかさまが護利を襲う!





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