東方艦隊夢想   作:佐武 駿人
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コラボです。はい。
コラボ先の方の小説から一部台詞を引用しています。


コラボ企画其ノ二:強襲

 スキマを出ると下向きに落ちたはずなのに横に飛び出した。

 服破れてねーかな。幻想郷に来てから外行くときはあまり浮かないように和服着てたのによ……てか、あいつ()は普通に出てきやがったし。

しかし……

 

「横須賀鎮守府ですか……」

 

「懐かしいな…三年前に来たきり……だが」

 

「えぇ、これは要塞ですね。至るところに要塞砲や運搬軌条があります。それにあちこちをどうみても現役の軍人が歩いてますね」

 

 歩いてますね、じゃなくて囲まれてないかな? これ

 

「何者だ! いきなり現れて怪しい格好をしやがって!」

 

「待て!」

 

 

 瞬く間に囲まれてまさしくお手上げ状態になっていると鎮守府の庁舎から大将の階級章を着けたそこそこの年のおっさんが走ってきた。どうやらここの長官みたいだな。

 こっちまで走ってきて紫と握手してるのを見るに紫の知り合いかな。

 

「ところでそこの艦娘達は?」

 

「ちょうどいいわね、紹介するわ。幻想郷(うち)に来たこことはまた別の世界出身の艦娘達よ。何よ、怖い顔して」

 

「バカなのか!? なぜ彼らをもとの世界に戻さない! 鎮守府一つ戦力が抜けるというのは戦局を大きく左右するんだぞ!」

 

 あー……そうか、この世界はまだ戦中なのか。とりあえず俺は堂山さんと言う大将の誤解を解くために説明を始めるのだった。

 

                 少

                 年

                 説

                 明

                 中

 

 

「………………というわけで俺たちの世界は深海棲艦との戦役から半世紀以上たっているんです」

 

 艦隊の助けを借りながらもなんとか大将の誤解を解くことに成功した。え? 大将相手に俺口調? 知らん。まだ指揮下に入った訳じゃねーし、そもそも俺、正規の軍人じゃねーし? コイツらも退役してるし? まぁ指揮下に正式に入ったら考える。

 

「なるほどなぁ……羨ましい世界だ」

 

「結局は必要ないものとされてしまうんですけどね」

 

「いや、それでも、だ」

 

 とりあえず大将の誤解も解いたし、紫がスキマの中で言っていた他の世界からの援軍を待ちますか。

ああ、みんなには大将に許可をもらって滞在する間の部屋にスーツケースを置きに行ってもらってる。なんか一個残ってるけど……まぁ、いっか。

紫の姿は見えない。大方援軍とやらを呼びにいってるんだろう。

 

 ………そろそろ着替えようかなこれ。浮いてるよなぁ……

 

 なーんて考えてたら上空に特大のスキマが開いた。またバカデカイ四発の飛行機と見慣れない塗装だが恐らく流星…とおぼしき機体が出てきた。今回は伝達がうまくいってるみたいだ。このおっさんタイキックしてやろうか。しかもなんかデカイ機体からヘリコプターが発進したぞ、おい。

どうやらあのヘリコプターと流星で降りてくるみたいだな。はてさて、どんな奴が乗っているのやら。

 

 

 結論から言うと、見たことない服装の男女と二個艦隊分の艦娘がやって来た。なんかじろじろ見られてるな……って軽袗(こんな服装)なら仕方ないか。あ、ちなみに軽袗ってゆうのはズボンみたいな袴で現代でゆうジャージみたいなもん部屋着から作業着、何でも使える。まぁそんなことは置いといて、提督っぽい奴が握手を求めてきたから応じる。一応は確認しとくか。

 

「やぁ、あなたも呼ばれた提督ですか?」

 

「ああ。俺は護利刻(まもり きざむ)だ。あんたは?」

 

「俺は藍原 駿。同じくある世界から呼ばれた、一応だが、提督だ。宜しく」

 

 握手。

 

 

 最後の提督は膝下ズボンにパーカーの奴だった。え? マジで? この世界の海軍緩すぎじゃね? 俺? 俺は軍人じゃねーもん。

 名前は御坂楓というらしい。あのBBAがなんか迷惑かけてねーだろうな。

 

 

 かくして異世界連合艦隊は結成と相成ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、作戦を説明するから集まれ、と堂山大将が部下に持ってこさせた机に世界地図をおいて説明しはじめた。

 

 

「よし揃ったな。ではこれから作戦・《他世界深海棲艦殲滅作戦》の説明にはいる。

まずは敵深海棲艦が集まっているカレー洋に向かいそこにある、《ナツメグ諸島》の防衛を行ってもらいたい。

防衛が終わり次第、敵に奪われた《コリアンダー島》の奪還作戦を行う」

 

 堂山はそこで一旦言葉を区切ると腕を曲げて胸の前で握りこぶしを作るとだんだん言葉に力を込めながら続きを語った。

 

「そして最後に《ガラムマサラ島》近海にある敵泊地の破壊作戦。計3つの戦いを行ってもらう。

異世界からの深海棲艦ということで敵がどんなかはまだ分かっていないので慢心せず、心してかかってくれ以上だ!では準備ができ次第、作戦開始!」

 

 

 

 

 カレー洋ナメツグ諸島…マレーシアやシンガポール周辺のことである。石油が涌く資源帯であり、そこを狙われたようである。攻撃を受け始めたのは三日ほど前ですでにマレーシア・シンガポール両政府から救援要請が来ているそうだ。

 そこで駿達の艦隊が先鋒として出撃することになった。駿達の艦隊の利点は他の世界の艦隊と違い艦体を使えることにある。上陸を仕掛けようと深海棲艦が築いた橋頭堡を艦体の艦砲で粉砕する傍ら艦体の操作を妖精さんに任せて艦娘が深海棲艦に対して攻撃を仕掛けることができるからだ。

 ということで挨拶もそこそこに駿率いる艦隊は沖合で艦体を鎮守府からスキマを通して移送してもらうと巡航よりも少し速い20ノットで東南アジアへと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こちら藍原。現在マレーシアまで残り320000。第一艦隊はちょっと金剛型に無理をしてもらいますが30ノットで突撃。第二艦隊は木曾と第一艦隊の大鳳を入れ替え日向がついてこれる限界まで速度を上げます」

 

「こちら堂山。了解した。数時間前に護利准将以下の攻撃隊が発進した。作戦海域に入る頃には合流できるだろう。

現地の防衛隊ももうすぐ限界かもしれん。急いでくれ」

 

「了解しました。

金剛、比叡。速度一杯だ。整備は万全だから多少無理していける。30ノットだせ。

大鳳、瑞鶴、第一次攻撃隊発艦だ!」

 

「「「「了解」」」ネー!」

 

 通信が切れると同時に第一、第二艦隊は速力をあげ、一路カレー洋へと突撃していった。

 

「妖精さん、任せましたよ」

 

《心得た!》

《任された!》

《ひゃっふぅーーー!!》

《久しぶりに我らの腕のみせどころだな!》

《ご安心ください!》

《艦娘さんが戻るまで五体満足で帰れるようにしますぜ》

 

 現在第二艦隊には妖精さんしかいない。艦娘はみんな第一艦隊に集まっている、どうしても第二艦隊は速度が遅いからだ。

 作戦はこうだ。距離四万を切った時点でその脚部のエンジンに点火して上空から突撃。深海棲艦を撹乱している間に強襲前衛艦隊(第一艦隊)が深海棲艦の橋頭堡を破壊、また駿の世界の深海棲艦がいた場合はその前に一戦交えることになるが。

 続いて第二艦隊が到着と同時に殲滅にかかる。

 

 

 

 距離六万を切ったところで電探(レーダー)に刻の航空隊が姿を映した。

 

「心強い援軍だな」

 

「だね。息つく暇のない波状攻撃だ」

 

 そこへ大鳳からの通信が入る。

 

「こちら大鳳。攻撃隊より報告します《敵ノ熾烈ナル対空攻撃ヲ突破シ敵艦隊二被害ヲ与エタリ

敵空母二隻撃沈、戦艦三隻二損害。駆逐艦二隻ヲ撃沈ス

ナオ敵艦隊二艦体ヲ確認セリ》以上です」

 

 やはりというか敵艦隊は駿のいた世界のものだ。艦体があるのは資源輸送にもってこいだろう。

 

「よし、この情報を護利准将に伝えてくれ。

現在距離四万……俺らも突撃の時間や」

 

 艦隊上空をフライパスした佐世保航空隊のあとを追うように駿と艦娘は“飛行”していた。

未来の技術とは便利なものである。

 

 距離二万。各自で散開、目についた獲物に食いついていく。

 金剛はその主砲でもって近くにいた戦艦タ級に狙いを定めると上空から砲撃。艦橋前面を破壊すると中にいたタ級に接射。タ級は見るも無惨な物体に成り果て、その艦体は漂流を開始した。

 大鳳はヌ級をターゲットに艦載機を射出。下がっていたエレベーターから攻撃隊を侵入させると格納庫で機銃掃射やら爆弾魚雷投下とかして大炎上させた。

 

 そしてヌ級の災難はそれで終わらないのである。

 

「おっとぉ! 逃げられると思うなよ? スプラで鍛えた腕前、なめてもらっちゃぁ困る」

 

 ガン!ガン!ガン!と三発銃声が聞こえたかと思うとなんとか脱出してこのまま逃走しようとしていたのだが、哀れヌ級は銃創から青黒い体液を流しながら息絶えた。

 大鳳があわてて後ろを振り返ると一瞬固まった。

 一体どういう手品を使ったのか横須賀にいたはずの御坂が対物ライフルをもって射撃をしているではないか。

 固まるのも無理はないだろう。

 御坂はハンドサインで止まるな、と伝えると新しい標的に向かって飛んでいってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらぁ! フゥ、次の獲物は……」

 

 駿が一息つきながら次の獲物を探していると流星に乗った護利達と目があった。そうなるとやることは一つしかない。

 

「「(勝負だ………!)」」

 

第三種軍装のカーキ色と洋上迷彩の青が右へ左へ縦横無尽、自由自在に動き回り、火花や炎が上がる度に一隻、また一隻と無力化されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 混乱しまくっている深海棲艦を尻目に妖精さん操る艦体はすでに第二艦隊とも合流し、物資、兵力、護衛艦を火力で潰していった。

 何しろ護衛艦といっても駆逐艦しかいない。しかもすべてイ級である。蚊ほどの抵抗にもならず、35.6㎝弾の集中射撃受けて轟沈してしまった。

 

《砲撃、開始ィ!》

《fire!!》

《撃て撃てー!》

《効力射!》

《誤差修正……》

《ちょいあげ…》

《ウテ!ウテ!バクハシロ!オゥ!イイレス!》

《だんちゃーく!》

《ジャムった》

《嘘だろ!?》

 

 久しぶりの砲撃戦でかなりヒャッハーしてるようだった。艦体の方の妖精さんは総じて精神年齢も高いが電波をかなり拾っているようだ。

 しかし、砲撃の精度はよく、あっという間に最重要目標を潰すとそのままのあしで敵艦隊殲滅戦に加わった。

 

 結局、深海棲艦は理不尽な戦力を相手にすることになり、日が暮れた後も夜戦で散々にやられ、2000には全滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 こうして一番最初の作戦は成功に終わった。提督の身でありながら戦った藍原駿、御坂楓、護利刻のうち、今回は藍原の活躍を綴った。残りの二人の活躍はまた別の話にて語られることになるであろう。なお、御坂は急に消えたので鎮守府では大騒ぎになっていたとか。




はい。結構おふざけモードッス。
最後カッコつけて書きましたが要するにコラボ先のお二人の方でということです、お目汚ししました、ではでは





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