東方艦隊夢想   作:佐武 駿人
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6/30から約一ヶ月、大改装します。

読み返し時に誤字と微妙な表現と設定の矛盾が出たためです。

話を入れ換えたり、追加したり間違って何話かうっかり消してしまったりするかもしれないので多分一時非公開になりますが8/1には何としても完了させますんで、お願いします。

それでは、本編です。

「艦これ、始まります!」「ゆっくりしていってね!」


第十五話:鎮守府防衛戦 後編

/鎮守府二階:図書館/

 

 図書館ーーーーそれは人間の飽くなき好奇心を満たしてくれる場所のひとつである。

 そしてここの図書館もその例に漏れず、元からある歴史ーーーー特に戦史関連や辞書、その他各々が今までに持ち込んだ文庫本やマンガとデータベースに納められている文書等を合わせるとその数数十億点。魔導書はないが紅魔館の地下大図書館と張り合えるレベルである。

 

「早苗~こっちじゃなかったの~?」

 

「え、いや……なんか前来たときと部屋の配置とかが違うんですけど……」

 

 ちなみに早苗は気づいていないが防火扉を閉じたり、シャッターを下ろしたりしているので混乱しているだけである。

 そして魔理沙は案の定、{図書館}という札を見つけると「お? お~い霊夢~図書館があるぜ。ここで一休みしていこうぜ」と言ってさっさと入っていってしまった。

 

「はぁ~アナタって娘は……私達はこのふざけた異変を解決しに来たのよ……ってもういないし…」

 

 魔理沙が扉を開けて入った図書館にはまさに彼女にとって未知の塊だった。

 

「おぉ~!! 何だこれは!? 『手軽な玉子焼きの作り方』、『パソコン入門』、『ハリー・○ッター』、『週刊:おすすめ深夜アニメ』………スゲエ! 知らない本ばっかりだぜ!!」

 

 魔理沙はあっちこっちの本棚を駆け回り、本を手に取っていた。あるいはこのまま盗もうとしているのかもしれない。しかしそうは問屋が卸すまいと一人の艦娘が魔理沙に近づく。

 

「あら? お楽しみいただけましたか?」

 

「誰だ!?」

 

「私は大淀型軽巡洋艦大淀。提督によってここを任されています。提督はあなたならまずはここに来るだろうと言っていましたが…まさにその通りでしたね。では、場所を移しましょうか。本を汚したくありません」

 

「弾幕勝負か……望むところだぜ!」

 

 一方、霊夢達は

 

/図書館大ホール/

 

 

 ここには本棚はなく、机と椅子のみが置かれ、完全に読書のみを行うスペースで書架とは扉と壁で隔てられている。

 

「まったく……魔理沙のやつ……」

 

「まぁまぁ霊夢さん落ち着いて……」

 

 そしてこちらにも霊夢達の行く手を阻むべく艦娘が現れる。

 

「どうされました? 仲間割れですか?」

 

「誰よ?」

 

「申し遅れました。私は伊号潜水艦第八号……周りからは“はっちゃん”と呼ばれています」

 

「なるほど。アンタが艦娘というわけね。邪魔をするなら痛い目を見るわよ?」

 

「ご心配なく。そんじょそこいらの怪我なら数多の戦場で受けた傷に比べれば蚊に刺されたようなものです」

 

「後悔しないで……ね!」

 

「そちらこそ!」

 

 そう言うが早いが、二人は円を描くように回り込むと、弾幕を放ち始めた。

 霊夢はお馴染みのお札を、はっちゃんは魚雷を模した動きは速くないが、かなりの威力の弾幕を放っている。

 

「チッ なかなかやるじゃない」

 

「よそ見をしていると当たりますよ? 全弾、Fauire!!」

 

 はっちゃんは隙を見せた霊夢をこれ幸いと全弾で仕留めようとするが、上へ回避され、逆に陰陽玉型の弾幕を食らってしまう。

 それでもそのあと、素早い身のこなしで後ろに回ると、一発被弾させる。

 しかし、やはり経験の差か、徐々に霊夢が押し始める。

 

「『封魔針!』」

 

 それでも右へ左へ避けながら隙を突き、反撃するがなんせ経験が違いすぎる。

 遂には壁際に追い詰められてしまった。

 

「ここまでですか……」

 

「そう、終わりよ。『夢想封印』!!」

 

 煙の中からは微かな悲鳴と「ピチューン」という音が響いた。

 

「さて、次行きましょ?」

 

「ええ」

 

「はい」

 

 

話は戻り、魔理沙side

 

 

「いくぜ! 『恋符:ノンディクショナルレーザー』!!」

 

 魔理沙がスペルを唱えるとレーザーが発射され、大淀に襲いかかった。

 しかし大淀はあくまで動じず、一旦下がると、主砲を斉射し涼しい顔のまま、機銃を撃ち始めた。

 魔理沙はまず主砲の連激を回避したが、後ろにに下がりながら上昇したのが運の尽き、機銃によって撃墜されてしまう。

 

「イテテテテ……なかなかやるな……」

 

 だが、すぐに態勢を建て直すと上昇し、大淀の正面に着く。

 

「今度は………こっちからいくぜ!」

 

「なッ!? 早ッ!?」

 

「遅いぜ」

 

「しまッ……」

 

「『恋符:マスタースパーク』!!」

 

 魔理沙はそうスペル宣言をして、ミニ八卦炉を構えると、そこから虹色の極太レーザーを発射した。彼女の十八番、マスタースパークーーーーー略してマスパである。

 

「きゃあああ!!」ピチューン

 

 マスパの直撃を食らった大淀はそのまま壁に後頭部を強打すると気絶してしまった。普段から書類仕事ばかりしている彼女には少し荷が重かったようだ。

 何しろ彼女の相手である霧雨魔理沙は博麗霊夢と組んで幾度となく弾幕勝負で異変を解決してきた猛者である。

 大淀も幾度なく死線を潜り抜けたことはあるがそれは何十年も前、まだ深海棲艦が洋上を支配していた時代、しかも弾幕勝負等ではない。その点、魔理沙と大きな経験の差があったのが大淀の敗因だろう。

 

「さて、帰りにここの本をちょっと借りてくか……」

 

 そう言って魔理沙は図書館を出るととりあえず階段へと向かい、三階へと上がった。

 彼女の経験からして、こういう建物の場合、ラスボスは最上階にいるのだ。そしてそれは間違っていなかった。駿のいる執務室は鎮守符の最上階、つまり四階にあるが、今魔理沙がいる階段は三階まで。

 執務室へ行くには中央の階段を上らないといけないのだが、その近くには不知火と霧島が待ち構えている。

 そんなことは知る由もなく、とりあえず魔理沙は目についた扉から開けていくことにした。

 

「ここは……誰もいないか………ここもだな…次は~っと………なんかものすごいオーラを発しているんだぜ……」

 

 ちなみに今魔理沙が開けようとしている扉は長門の部屋である。

 そして長門は自室に大量のぬいぐるみと駆逐艦のフィギアを設置している。

 だが魔理沙はそんなことは知らないので、

 

「ダイナミック………お邪魔しまーす! だぜ!!」

 

 勢いよく扉を開けて部屋に飛び込んだ。

 その瞬間、彼女の目に飛び込んで来たのは一面のぬいぐるみと少女のフィギアだ。続いて部屋の真ん中でビクッとしている女性ーーーーー長門を発見する。

 

「えっ……と……失礼しました…なんたぜ……」

 

「ウワアアアアアァァァァァァ///!!!!」

 

 二人の目があって数秒後、やっと動き始めた二人は一方は気まずさのあまりそそくさと退室し、もう一方は恥ずかしさのあまり赤面して大声で叫ぶとそのまま気絶してしまった。

 この瞬間は両者にとっての思い出したくない瞬間ベスト3にランクインした。

 

「い、今のは見なかったことにしておくんだぜ……」

 

 そしてそのまま道なりに進むと目の前に二人の少女ーーーーーー霧島と不知火ーーーーーーが待ち構えているのが目に入った。

 

「あら? ここに来たということは長門さんを倒したのですか?」

 

「その長門って奴が頭に角みたいなモノがついている奴ならぬいぐるみ抱き抱えているところ見つけたんだが……気絶しちまったぜ…」

 

「ハァ……まったくあの人は……

でも私達は簡単にはここを通しませんよ?」

 

「・・・・・」

 

 しかし魔理沙は何か考え事をするように八卦炉を見つめたまま動かない。

 不審に思った不知火が声をかけると同時に彼女は動いた。

 

「ちょっと、聞いてますk…「『恋符:ファイナルスパーク』」ふぇ?」

 

 その瞬間、不知火の目には視界に収まりきらないほどの極太レーザーが映り、意識を刈り取った。

 

「むきゅ~」

 

「何てヒドイことするんですか!? あなたは!!?」

 

「先手必勝なんだぜ」

 

 不意打ちを平気で正当化する魔理沙に若干熱くなるがすぐに咳払いひとつして冷静になろうと努める。

 

「ん……コホン、マイク音量大丈夫? チェック、ワン・ツー……

さて、始めましょうか。金剛型戦艦の四番艦、霧島。いざ、尋常に勝負!!」

 

「望むところだぜ!!」

 

 そして、火力バカ魔理沙と頭脳派ハードパンチャー霧島の戦いの火蓋が切って落とされた。




毎度毎度中途半端はところで切れる?
仕方ない。アイデアが日常系と暗いものしか思い付かないもん………





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