「「か・ん・こ・れ」」
「「「ゆっくりしていってね!」」」
「ここね。ずいぶんと立派な建物じゃない。紅魔館より大きいんじゃない?」
咲夜がそれはないわと口を開こうとした瞬間、魔理沙の横を砲弾が飛んでいく。
「うぉぉ!?」
「余所見してると怪我するぜ?」
「お出ましか…」
駿に命じられて正門前にいた、天龍姉妹だ。
「妖夢、やるわよ」
「はい」
二人の得物を見て同じく刃物を使う咲夜と妖夢が前に出る。
「俺の名は天龍。ふふ、怖いか?」
「妖怪が鍛えた楼関剣…迷いを断ち切るはくろう剣……この二つがあれば斬
れぬものなど……あまりない…!」
「さあ、死にたい娘はどこかしらぁ?」
「従者十六夜咲夜、レミリアお嬢様の命により、いざ、参る!」
天龍、妖夢
「行くぜ! オラオラオラオラオラァ!」
「クッ……は、疾い…」
妖夢も打ち合いながら弾幕を放とうとするが、天龍はそれを刀で抑え、逆に自分の艤装から弾幕を放つことで現在は天龍が優勢だ。
しかし、妖夢にはまだ策があった。
「喰ら……な!? 何だコイツは!?」
「ハァ…ハァ…やっと成功しましたか。」
妖夢が使ったのは自身の半霊だ。それを後ろから天龍に巻き付けることで動きを封じようとする算段だ。
「クッ放せええ!」
「はあはあ……これでおわ「艤装を忘れてもらっちゃあ…困るな」……え?」ドォン!
相手を捕まえ、一瞬油断した隙を突き、天龍は自身の14cm単装砲をお見舞いする。
妖夢対天龍の弾幕勝負は依然、天龍優勢のまま、推移していった。
咲夜vs龍田side
「幻世:ザ・ワールド!」
咲夜がそうスペカを唱えるといつの間にやら咲夜の周りに数え切れないほどのナイフが出現し、龍田に襲いかかる。
「あらあ、やるじゃない……うふふふふふふふ」
しかし、龍田はそのナイフを一本残らず自身の薙刀で弾き返す。
「チッ(何よコイツ!姉よりめちゃくちゃ怖いじゃない!)」
「うふふ、喰らいなさい………」
終始龍田はいつもの変わらない笑顔であったが目は笑っておらず、見るもの全てにプレッシャーと恐怖を与えていた。咲夜が後に「妹様が成長した姿を幻視した」と語るほどの気迫だったそうだ。
その後も咲夜が弾幕を放ち、龍田が弾き返すという光景が続いた。
「な、なあ霊夢……あの薙刀の方の奴から幽香とかフランと同じオーラが見えるんだが……」
「あら、奇遇ね魔理沙。私も同じこと考えてたわ」
なんて霊夢達が悠長なことを言っている間に妖夢は撃ち落とされた。
「おい…どうする……?」
「あの~霊夢さん?」
ここでほとんど空気同然だった早苗が手を挙げる。
「私、一回ここに来たことがあるんで案内できますよ?」
「先に言えや、先に」ゴス
とりあえずそんな重要なことを黙っていた早苗に拳骨を入れながら霊夢は早苗を引っ張り歩き出した。
「さて、次は一体どんな奴が出るかな♪」
「あ、霊夢さんその角は右です」
「右ね」
「結局咲夜一人に任せて来ちゃったけど大丈夫かしら……」
少女達はそれぞれ思い思いのことを喋りながら鎮守府の廊下を歩いていった。
霊夢一行sideout
その頃駿の元には工厰で(艤装を)改造し終えた艦娘達が集まっていた。
「不知火、お前は三階会議室前廊下に霧島と待機していろ。
大和、間宮さん、伊良湖さん、瑞鳳、鳳翔さんは厨房で宴会の準備を。
はっちゃん、鳥海、加賀、赤城、大淀は図書館の警備に当たれ。侵入者の中には手癖の悪い奴が一人いるからな。
あと、雪風と潮は………(略)
で、俺と響、ヤマトはここ。
真田さんと明石は工厰で待機していてください。
あと、青葉。お前には河童からもらった光学迷彩やるから侵入者の猫耳姿撮ってこい。」
「わっかりましたーーーー!」
その声が全員に聞こえる頃には青葉の姿は執務室になかった。
霊夢達は早苗の案内を頼りに鎮守府を疾走し、駿以下、異変側は監視カメラでそれを追いながらどうやってもてなそうかとほくそ笑んでいた。
今回字数が少ないですって?
はい、どうしても宴会の様子しか頭に浮かばなかったんです。
活動報告にも書いた通り、Twitter始めました。Twitterの「見つける」で@hayatosatakeって入れれば出てくるとおもうんで。
設定資料でヤマトの挿絵(超ラフ)を描いたので掲載してます。