東方艦隊夢想   作:佐武 駿人
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月曜日に大阪府の公立の前期入試がががgggg…


第五話:雪風、川を登る

 その日は朝から鎮守府(文の情報により人間には危険な土地と判明したため、全機能を再稼働させたので現役に復帰)は少し慌ただしかった。

 

「しゅっこうじゅんびのめいれいだ」

 

「ぜんいん、しゅーごー」

 

「どっくにちゅうすい、かいししましたー」

 

 もちろん、忙しいのは妖精だけではない。執務室には四人の人影があった。

 

「この川を遡上すると妖怪の山があるんだな?」

 

「はい。念のため言っておきますけど空からはほぼ無理ですよ?」

 

「わかっている。……よし、『アー、業務連絡。業務連絡。陽炎型駆逐艦雪風は直ちに執務室に来るように。繰り返す。陽炎型駆逐艦雪風は直ちに執務室に来るように。』こいつでいいだろう。幸運艦だしな」

 

 そして三分後には執務室に雪風が到着した。

 

「お呼びですか? しれぇ?」

 

「ああ、今回はお前に輸送任務を頼みたくてな。…命令、陽炎型駆逐艦雪風は本日10:00を以て出港。妖怪の山へ客人を輸送する任務につけ。なお、私とヤマト、響も同行する。以上だ。

と、言うわけで…現在時刻は09:03だ今すぐ出港準備に入れ」

 

「は、はい!」

 

 彼が雪風を選んだのは幸運艦であること以外にも理由がある。

 それは、そんなに大型ではないことや電探(レーダー)付きなこともそののひとつだ。

 

「さて、着替えようかな…」

 

「え? そのままじゃないんですか?」

 

「いや、何となくな…軍服が着たくなったし、偉い人と会う可能性があるんだったら正装かな?と、思ってな…

あ、あとヤマト、響を呼んできてくれ」

 

「わかった。そのあと、二人でドックに向かえばいいんだな?」

 

「ああ。それと山城、将旗を持ってきてくれ。それに今日はお前が秘書艦だから留守の間皆を纏めててくれ」

 

「お任せください。では早速」

 

 そして時刻は09:50になり、駿達は鎮守府のドックに来ていた。

 そこにはすでに注水されていて、雪風の艦体が静かに浮かんでいた。

 

「しれぇ! 出港準備が整いました!」

 

「じゃあ、ちょっと後檣に来てくれ。見せたいもんがある」

 

「何ですか!?」

 

「ふふ、この連合艦隊旗艦を示す連合艦隊司令長官の将旗だ!」

 

「ふぇ!? な、な、な、何で…そそそ、そ、そんな物を!?」

 

「つべこべ言わずにさっさと掲揚する!あと、これは俺のじいさんがパクっ……もらってきたそうだ」

 

「は、はい!」

 

 最後の一言は雪風には聞こえなかったらしい。よかったよかった。

 

「きかんのじょうきあつはせいじょうです」

 

「かじにもいじょうありません」

 

「でんたんのちょうせいかんりょう!」

 

「全兵装、リンク確認。後檣に海軍旗及び艦隊旗艦旗掲揚!」

 

「よし、もやい放て!」

 

「もやいはなてー!」

 

「全員、見送りの人達に敬礼してください!」

 

「開門! 機関始動、雪風、出港せよ!」

 

 遂に船渠の関門が開き、海とドックがひとつになる。

 そして、雪風の艦体がゆっくりと前進し、ドックから出渠する。

 そして、軍港を出ると次第に速力を上げ河口へと向かう。

 

「河口に入るまでは巡航、河口に入ってからは低速で航行する。見張りは対空警戒と川底の深さへの注意を厳に!」

 

 しばらくして、河口に入り速力を10ノットに落とす。狭い場所で高速航行は危険だ。ましてや曲がり角もある川だ。速力をそれなりに落とさねばならない。

 

「司令官、どうして私達も呼んだんだい?」

 

「そりゃ、道連れに決まってるやん。と、ゆーわけでたいした理由なんぞございません~。」

 

「うわ、最悪…ところで急に大阪弁になってどうしたんだい?」

 

「ちょっとくらい、素だしてもいいやんか。堅いの嫌いなんやから。」

 

「では早速素の藍原さんを取材してみましょう!」

 

「雪風、響、主砲発射」

 

「「了解!」」

 

「あやや? ぎゃあああああああああああああああああーーーーーー!?」

 

 約一個焼き鳥ができたのは言うまでもない。そして、案の定すぐに復活した。

 そんな茶番の間に周囲が霧に包まれてきた。霧の湖が近い証拠だ。

 変なもの刺激しなきゃな、と呟き対空警戒を特に強くする。

 

「霧の湖に入ったら上流側の入り口で投錨して、内火艇で上流を目指す。それまで対空警戒を厳に」

 

「了解」

 

「了解したよ」

 

『りょうかいしましたー』

 

 そして5分後“駆逐艦雪風”は霧の湖に投錨した。ここからは内火艇で上流を目指す。

 

「ないかていおろせー」

 

「くれーんしどう!」

 

「しれぇ! 準備完了しました!」

 

「よし、行こうか。いないとは思うけど敵には注意しろよ?」

 

『『まかせろー!』』

 

 雪風、駿、響、文、ヤマトを乗せた内火艇は小型ゆえ15ノット程度の速度で川を遡上していた。

 妖怪の山の天狗の里に着いたのは鎮守府を出発してから2時間後のことだった。




入試かぁ…
もう私立でいいかなぁ?

あと、作者が大阪在住だったり舞台が大阪な影響で主人公も気分で大阪弁を使ったりします。

ちなみにおじいさん提督は現役時代に暁に結婚を申し込まれたそうです。
なかなかのイケメンだったと言う設定





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