初場所3日目の取組を最後に現役を引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が31日、東京都墨田区の両国国技館で開かれた年寄総会に出席。引退後、初めて公の場でスーツ姿を披露した。
ピチピチの1年生だった。「まだオーダーはできてない」と特注品が間に合わず「近くで(購入した)」という既製品の黒いスーツ、濃紺のネクタイを着用。そでが少し短く、ワイシャツの首回りもきつそうだった。ネクタイは「中学時代に(制服で)締めていたんで。難しくない」と話したが、少しずれているところも初々しかった。
引退を表明した16日からそれほど変わっていないであろう188センチ、177キロの巨体に合う既製品があることも驚きだが、サイズは「分かんない」という。年寄総会では「似合ってないという人と、似合ってるという人が半々でした」と意見は真っ二つだったそうだ。
新米親方は今後、指導普及部に所属し、館内警備などを担当。部屋では週明けにも親方として指導を開始する予定だ。「みんなから愛される、一生懸命相撲を取る力士を育てたい。自分がやってきたことしか教えられないが、できなかったことも教えていきたい。一から勉強していきたいと思う」と第2の稀勢の里育成に力を注ぐ。 (岸本隆)