青鹿毛の雄大な馬体を躍動させながら、アガラスが美浦Wでいい動きを見せた。僚馬スカテナート(3歳未勝利)、トーセンヴィータ(4歳500万)を大きく先行させてスタート。徐々にペースアップして、直線では最内から2頭に迫ると、馬なりながらも最後まで集中力にあふれる走りで同入した。
初めてコンタクトを取った戸崎は「手応え十分ですね。レースの映像を見て大体のイメージはつかんでいましたが、まだ体の緩いところがありますけど、力もあって素晴らしい馬です」とスケールの大きさに感心。前走の東スポ杯2歳Sで鼻差の勝負を演じたニシノデイジーが、続くホープフルSで3着、4着のヴェロックスも若駒Sを快勝。ハイレベルなメンバーと互角の戦いを演じた能力の高さを、改めて認識した。
それ以上に好感触を得たのが古賀慎師。普段はややテンションの高い馬だが、戸崎が騎乗すると「非常に落ち着いていた」と言う。「いつも馬場入りの時はうるさいのに、きょう(30日)はジョッキーが乗ったらおとなしかった。メンタル面が成長しているのかもしれないけど、合っているのかな、と感じました」と、相性の良さをつかみ取った様子だ。
27日にも美浦Wで3頭併せを行い、強めに追われて先着しており、状態に関しては万全といっていい。無限の可能性を秘めた素質馬が、初タイトルを手中にしてクラシック戦線に名乗りを上げる。 (美浦取材班)