【野球】津田学園の148キロ右腕・前 輝星流の変速投球で幻惑する2019年1月31日 紙面から
春の甲子園で一躍脚光を浴びるかもしれない。全国的にはまだ無名だが、津田学園(三重)の前佑囲斗(まえ・ゆいと)投手(2年)は182センチ、87キロの大柄な体格から、最速148キロのストレートを投げ込む快腕だ。 「1つの試合に全力で向かっていくつもり。自分のためにではなく、支えてくれた人のために結果をつかみたい」 言葉は謙虚だが、マウンドでは気迫を込めて打者に向かっていく。前チームでも公式戦登板を経験し、新チームからエースナンバーを背負った。昨秋は県3位で東海大会出場権を勝ち取り、東海大会では初戦から準決勝まで3戦連続完投。17年ぶりのセンバツ切符をもたらす立役者になった。 自慢の直球はただ速いだけではなく、打者が見逃すケースが多いのも特徴。球持ちの良いフォームのため、打者が差し込まれ気味になるからだ。 さらに、同じ直球で緩急を付けられるのも強み。135キロ前後、140キロ台前半、140キロ台後半と意図的に球速を変え、打者を幻惑する。 「ピンチになれば、球速を上げていく」。日本ハムにドラフト1位入団した金足農・吉田の投球を参考に取り入れた。 卒業後はプロ入りも視野に入れている。年明けから、地元・中日など7球団のスカウトが視察、あいさつに訪れた。昨夏の三重大会で142キロを計測し、「(プロ入りの)チャンスはある」と気付いたという。今秋ドラフト1位候補に挙がる星稜の150キロ右腕・奥川にも「負けたくない気持ちが強い」と言い切る。センバツは、自身の実力を証明する舞台でもある。 (麻生和男) ○略歴▼前佑囲斗(まえ・ゆいと) 2001(平成13)年8月13日生まれ、三重県亀山市出身の17歳。182センチ、87キロ、右投げ右打ち。小学1年から関パワーキッズで野球を始め、中学時代は津ボーイズでプレー。2歳上の兄・恵弥さんがいた津田学園に進学し、1年秋に背番号11でベンチ入り。2年秋の新チームからエース。
|