くろてつの会　会長のテキトー活動日誌

三重県四日市市、近鉄内部・八王子線を訪ねた私と友人Y。

西日野駅から1駅戻って、日永駅にやって来ました。

ここは内部線と八王子線の分岐駅。　ほぼすべての列車がここで行き違いを行います。
写真は乗ってきた八王子線・近鉄四日市行き（左）と内部線・内部行き（右）の交換風景。

八王子線のホーム（写真）は棒線タイプですが、内部線のホームは対向式になっています。

朝の通学時間帯に内部線同士の交換が行われるようですが、確認しておりません。

日永駅舎。　駅の規模の割にこじんまりとしています。

ラッチを抜けてすぐ右側に、内部線・内部方面のホーム。
構内踏切を渡って左手前に、内部線・四日市方面のホーム。
左奥には、八王子線のホームがあります。

2番ホームに内部線・近鉄四日市行きの列車が入って来ました。
分岐部分に建てられた特徴的なホームと屋根。　鶴見線・浅野駅とイメージが似ています。

かつては八王子線も対向式ホームだったようです。　本来の終点・伊勢八王子まで運転されていた頃は、ここが八王子線唯一の交換駅だったことになります（一応は日永～近鉄四日市間にも信号所があり、交換ができたそう）

八王子線・近鉄四日市行きの列車が到着しました。
けっこうなカーブのため、小ぶりな車両ながら車両とホームの間に隙間ができてしまいます。
その注意喚起をするべく、線路際にはライトが埋め込まれています。

内部線・内部行きの列車が来るまで、運転士さんがホームに降りて安全確認。

朝のラッシュ時間を除けば、ほぼ終電まで必ず行われる行き違い。
内部線・内部行き列車と八王子線・近鉄四日市行き列車。
内部線・近鉄四日市行き列車と八王子線・西日野行き列車。
どちらも1時間に2便ずつ設定されているので、1時間に4回も行き違いを見る事ができます。

そんなローカル線、なかなかありません。

日永駅から旧東海道へ向かい、徒歩2分ほど。
貼り出しテントや看板が古風なお店が見えてきます。

この地で1951年から模型屋さんを営んでいる、ジュニア模型店さんです。
季刊Nマガジンの広告欄の常連でもあり、ご存知の方も多いかと思います。

私はかつて、2009年の春に日永駅を訪ねた際にこのお店に立ち寄りました。
壁一面の鉄道模型製品群、お店の中央に置かれたレイアウトや、かゆいところに手の届く豊富なパーツの数々。
お店のマスターさんも気さくで、居心地の良いお店でした。

あれから3年、再びお店を訪ねた私は、愕然としました。

閉店・・・・・・・。

お店が開業して半世紀近く。マスターさん夫妻も高齢になり、お店を続けていけなくなったための苦渋の決断だったそうです。
「新規移転」の文字がありますが、ただ単に名前を差し上げるだけなのですと、お店の奥さんがおっしゃっていました。

閉店セールにより、ほとんどスッカラカンになってしまった店内。
ただ、店内のレイアウトはそのままでした。　　今では時代遅れと言われるであろう、Nゲージ黎明期の手法で作られたレイアウトです。

ただ、今の目で見てもそれほど見劣りするわけではありませんでした。
国産ストラクチャーが少なく、海外製品を混ぜて使っているところ、山の地肌をタオルで作っているところ、ポイントがモーター丸出しなところ・・・突っ込みどころはありますが、それも現代の目線だからのこと。製作時の苦労がしのばれます。
きっと、このレイアウトを眺めて夢をはせた少年が大勢いた事でしょう。

個人経営のお店によくある、小さなパーツの収納された引き出し。　　マスターさんに「〇〇の部品あるかな？」と聞けば、引き出しをゴソゴソして出してきてくれたものです。

いまはこの中も空っぽなのだとか。12月中ごろで閉店との話ですが、商品が無くなってしまえば（この時点でほとんどありませんでしたが・・・）そのまま閉店のようです。

お店の奥さん（マスターさんはいらっしゃいませんでした）とお話をしていると、マスターの本棚から出てきたという1950年代の鉄道模型趣味（別冊の特集のようなもの）などを見せていただくことができました。このお店の歴史を物語る、とても貴重な書籍でした。
また、お店に残しておいてももう意味が無いから・・・と、店内閲覧用のカタログ類をいくつかお譲り頂いてしまいました。
私の手元で、大事に活用していこうと思います。
その他、残っていたストラクチャーや書籍を購入しました。

そんな感じで模型屋さんに長居してしまい、外はすっかり暗くなっていました。
奥さんにお別れを言って、日永駅に戻りました。

今日のお話はここまで。
お読みいただき、ありがとうございました。