ところで皆さんは「ハロー効果」という言葉をご存知だろうか。
認知バイアスの一種で、「ある一部の印象で全体(他の部分)を判断してしまうこと」だ。
組織で人事評価をする際に気をつけるべき最も重要な3要素のひとつなので、
社会人であればご存知な方も多いと思う。
たとえば、営業は非常に得意だけど事務仕事は時間がかかりミスも多い人がいるとする。
その人を評価する際に、営業成績だけを見て「何でもできるやつだ」と判断することや、
逆に事務仕事でのミスばかり見て「何やってもだめなやつだ」などと判断してしまう。
人間の心理にはそういった傾向がある。
これを利用すれば、内心では「リクルートスーツなんて馬鹿らしい」と思っていたとしても
面接のときだけは周りの人以上に服装など身だしなみをきっちり整えるだけで、
内面もきっちりした人間だという印象を相手に与えることができる。
新しい職場で全然やる気がなかったとしても、ハキハキ挨拶する演技をしていれば、
この人は元気のいい明るい人だという印象を相手に与えることができる。
美男美女が就職活動や、営業の仕事などで有利なのもこの影響が大きい。
会社で人事に関わる立場になると、まず最初に気をつけるべきことだと教わる。
それくらい、人間であれば誰でもそう判断する傾向を持っている。
結論を言えば、この整体の先生はめちゃくちゃ腕が良かった。
ひと目見て、少し身体に触れただけで僕の以前やっていた仕事内容を言い当てられた。
たった5分10分程度で、全身の関節が油をさしたようにスムーズになった。
砂利道だったのがスケートリンクになったくらい、力を入れなくても関節がするっと動いた。
ずっと痛み続けていた腰の痛みも消えていた。
届かなかった位置まで腕が届き、上がらなかった位置まで足が上がった。
これまで経験したことがないくらい、身体が軽くなった。
前編を読んで、先生の腕を疑わなかっただろうか?
僕は疑ってしまった。やばいところへきてしまったと。
本当に腕がいいなら、こんなものに頼る必要はないだろうと。
認知バイアスの罠にはまっていたわけだ。
ブサイクだから頭悪い低学歴だろう
ニートだから今まで努力したことのないクズだろう
仕事をすぐ辞めるから根性がないだろう
彼女いない歴=年齢だから性格も最悪だろう
チビだからchinpoが小さいだろう
皆さんは僕に対してこういった印象を持ってはいませんか?
これは全て事実で、何も間違っていない。
だけど、たまたま僕の場合は正解なだけで、これは認知バイアスにほかならない。
ある一面だけで人を判断してしまうのは人間の性質で、しかたがないことだ。
だからこそ、普段からそれを意識して一面だけに惑わされず、
真実を見極めていくのが大切だ。