特別講義 1回目
それでは今から資金30万円からスタートし、利益数億円を稼ぎだした秘密ということで、株の学校ドットコムの窪田がお話をさせていただきたいと思います。
株で1億円っていうと、あなたはどういうふうにやったらできるのかなというイメージ湧きますか?
例えば私は30万円からスタートしたんですけども、この10年ちょっと株をやってきて、そこからの利益は数億円となっています。
こういうふうな話をするとよく、どうやってやったらいいか教えてくださいっという話になるのですが、多くの人が、株で1億円という事に対して、間違ったイメージを持ってしまっているんですね。
このイメージが間違ってるせいで、残念ながら株で利益を出すために何をやるべきかという事について、無駄なことをやってる人が多いんです。だから当然結果が出ません。もし、今あなたが上手くいっていない場合、「そのやり方だと根本的に無理だよな」という事をしてしまっているケースかもしれません。
逆に、少ない資金からスタートし、株で利益を大きく出している人っていうのは、やっていることが成果につながることをちゃんとわかってやっています。ここにすごく大きな差ができてしまうので、今日はあなたが今後どんなことに集中していったらいいかっていうのを、お話をしていきたいと思います。
そして、どんなことに「時間を使うべきではない」のか、というのもお話をしていきたいと思います。
まず、
株で資金を増やすために何しますか。
あなたはどういうふうに思います?株で1億円を稼ぐためには。
じゃあ100万円をあなたが資金として、お金を持っていたとして、1億円になるには、100倍になればいいんですね。
あなたが買った株の株価が、そもまま持っていたら100倍の価格になればいいのです。100万円が100倍になったら1億円です。 そのために株価が大きく上昇して、10倍、20倍とか、そういった株をいっぱい見つければいいんじゃないかと思ったりしますよね。
あわよくば100倍になってくれたらいいんじゃないかって思いますよね。銘柄を一度買って持っておけば、資産が増加していくんじゃないかなと。要はこういう大きく上がる株を買って、それ、1回持っとけばいいんじゃないのっていうふうに思っている人が多いわけですね。
でも、実はそのやり方っていうのは全く違うんですね。
実は、大きく上昇する銘柄を買っていたら、株価が1年で10倍20倍になって、最終的に100倍にもなりましたという話はほぼありません。
では、実際に数値で検証をしてきましょう。
例えば、あなたが年間300万円欲しいとしますよね。年間300万円っていうとサラリーマンの給料みたいなものですよね。この年間300万円の利益を目標として、株を買って保有したらどれほどのお金がそもそも必要なのかという話をしていきます。
要は買ったり、売ったりっていうことではなくて、長期的にみて素晴らしい銘柄をちゃんと保有して、1年とか3年とかで10倍、20倍狙っていきましょうと。
では質問です。
もしあなたが年300万円欲しいとしたら、どれだけのお金がそもそも必要だと思いますか?
例えば、株を買って、ただ単に保有していたら株価がぐんぐんあがっていって、10倍20倍を狙うのだとしたら、いくらのお金が必要なのでしょう?
300万円でしょうか?1000万円?
答えは株を買って長期間保有して、年間300万円稼ぐためには、実は4300万円は少なくとも資金が要るよというのが、実際のところなんですね。4300万円というと結構な金額ですし、最初からその金額を持っている人というのは、ほぼいないんではないでしょうか。
さらにいえば、私自身、元々30万円からスタートしています。4300万円もの金額が最初からあったら全く違う人生だったかもしれません。
それでは何故「4300万円という数字になってるの?」ということですね。 実はこの数値は、ここ100年近くの日本株のパフォーマンスから導いた数字なんです。
ここ100年近くの日本株のパフォーマンスが実は6.7%平均なんです。年で平均すると6.7%ですね。当然、毎年プラスではないわけです。良いときもあれば悪いときもある。
では、年利回り6.7%っていうと、一年で株価が10倍ですか?20倍ですか?
全然違いますね。
株価が10倍っていうのは、プラス1000%の事ですから、ほど遠い数字です。
年6.7%の利回りっていうと、あなたの100万円が、1年後に106万7000円になってるってことです。
いいですか。これ、こんな風に増えていっても、全然100万円は1億円にならないんです。複利で順調に増えたとしても、2倍の200万円にいくだけでも、11年が必要なんです。1億円になるには72年必要という計算です。
そんな話をきくと
「あれ?株って何倍にもなって、1億円ぐらいすぐ稼げるんじゃないの」
と思ってるあなた。100万円が1億円になるんじゃないの?と思っているあなた。実は、そうじゃないんですね。
そして、この間違ったイメージを持って株をやっている人が多いので、力の入れどころを間違ってしまいます。具体的には10倍、20倍とか100倍になる銘柄を探す行動が正しい行動だと思ってしまっているのです。
だから、そういう1回買ったら、10倍、20倍上がる銘柄を探して買うということに必死で時間を使ってる人が多いんです。しかし、実は10倍20倍100倍株価が伸びる銘柄なんていうのは、事前にはほぼ分からないですから、そんな銘柄を探すためだけに時間を使う必要なんて無いのです。
それでは、なぜ私は10年と少しのトレード期間で、資金30万円からスタートして利益が数億円を超えることが出来たのか?
その「鍵となる行動」とは何なのでしょうか?つまり、あなたがどんな事に自分の時間と意識を集中すれば利益が増えていくのでしょうか?
逆にいえば、もしあなたが思うような利益を得られていないのであれば、この「鍵となる行動」に対して意識が言っていない可能性が大きいのです。
では、
私が少ない資金を億単位のお金に変えてきた鍵はなんだったのか?
それは、実は回転数の効果なんですね。回転数です。
「回転」とは何かっていうと、1回株を買って、株を売る。これを1回転といいます。空売りでエントリーして、買い戻すという流れも1回転です。そして、この1回転を何度も何度も短期間に回転させることによって、少ないお金が短期間で大きく増えていくのです。
例えば、私が30万円という金額からスタートして、利益が数億円を超えた鍵というのは、銘柄選びということよりも、回転数を意識して株をやっているからこそ出来たということです。
とはいえ、
これだけでは良く分からないと思います。 ですから、もう少し詳しく説明をしましょう。
まず回転数の話なんですが、先ほどのイメージで、株を買って長期保有して、1年とか2年とか3年とか売らずに持ったままで、株価が10倍、20倍、100倍になってくれるのを待つという場合ですね。
この場合、安いときに買って値上がりすれば成功です。買って持ってるだけですよね。無事に株価が上がれば、値上がりした差額が利益です。
これが数年で1回転するわけです。1回転っていうのは、買って、売るということです。ある銘柄を買って、3年間持って売ったとすると、3年間で1回転ということですよね。
株価が上がればいいですけれども、上がらないことのほうが多いもの。どちらにしても、3年後に売る訳ですから、
最終的に良かったかどうかは3年後にしかわかりません。
でも、そもそも投資というのは、企業そのものの「企業価値」に対してお金を投じる行為です。
要するに、将来もこの企業は業績が伸びるはずだと判断し、業績が伸びるなら、このくらいまでは株価って長期的には上がるよね、というもの。今すぐには上がるか上がらないか分からないけれど、業績が反映されるくらいの時間を経れば株価も上がるよねという考えで買うのが「投資」というわけです。
そして、この投資は、回転数が比較的少ないのです。 この図を見てください。
これは株を買って、10年したら売ったというパターンです。
図 長期保有で利益を得るイメージ
このように、一度買った株を保有したままにして、株価が伸びた分の利益をあげていく。 これが「投資」的に利益を上げる方法です。でも、先ほどお話した通り、年間の平均利回りというのはそれほど高くはありません。
ありませんし、そもそも元手が多く必要です。先ほど、私が4300万円の資金があれば年間300万円くらいと言いました。でも、実際に投資でお金を増やしていこうとするなら、さらに多くの、億円単位の資金があったほうがいいと私は考えています。
ご存知、長期投資のカリスマであるウォーレン・バフェット氏の平均利回りが、年間約+18%です。世界一のバフェットでそれくらいの数字です。
しかも、彼の資金は、数兆円という単位で、彼がこの株を買ったというだけでも株価が上がるような人です。そのバフェットが叩き出す利回りが年間+18%。もちろん、投資自体を否定しているわけではありません。ありませんが、これが実際の投資の数字になるのです。
なのであなたが持っている資金を1000万円、3000万円、1億円にしたいのならば、投資的な考えでは時間がかかりすぎるもしくは資金的なハードルが多いことを知っておく必要があると言う事なのです。
では、同じ期間(10年間)の株価の推移を細かくみていきましょう。株というのは、実際には細かい上下の波を繰り返しています。 この図のように、株価は上下を繰り返しています。
図 トレードで回転数を増やして利益を得る
そして、私がなぜ少ない資金を大きく増やす事が出来たのかというと、この小さな波を活用してきたからです。この小さな波に対して、買ったり売ったりを頻繁に繰り返して、小さな利益をこつこつと積み重ねてきたからです。
図で示されているように、一直線に上がるんじゃなくて、このように細かい波を繰り返して、株価は上がっていくものなのです。そして、この細かい波をコツコツとっていくことで、利益が増大するのが「トレード」で利益をあげる考え方なのです。
私も年に+100%以上という利回りを何度も出してきました。 一年で2倍以上ということです。
でも、もし私がトレードではなく、投資をしていて回転数が少ないならば、この+100%という利回りは実現することが出来なかったでしょう。私は、細かい波をコツコツ短期で取っていくというトレード型の利益の出し方を知っていたからこそ、回転数に意識をおいていました。
その結果、以下のように同じ一年の期間でも、大きな差が出来るということなのです。
図 1年間の利回りの差
もちろん全員がこの数字になるとは思っていません。 いませんが、トレードでコツコツ小さな利益を何回も何回も何回も何回も取っていくと、年間+100%は十分可能な数字なのです。つまりは1年間であなたの資金が2倍以上になるということなのです。
投資での勝ちパターンは、長期と呼ばれる3年、5年、10年で業績が上昇していく銘柄を選ぶことが必須になります。逆にいえば、短期に株価が下がっても気にしませんし、気にするべきではないというのが投資的な考え方です。結果が出るのは何年か先の話ですから。
でも、
トレードにおける勝ちパターンは、回転数をあげて、細かい波を利益をどんどんとれるようにする事です。
ですから、銘柄の選び方も投資とは変わってきます。発想自体が、長期での投資とは全く異なってきます。
つまりトレードの場合は、3年後、5年後、10年後に株価が上がるとか業績が良いとかも一切関係ありません。大事なのは、短期間で株価が大きく動くかどうか。業績は関係なく、株価が上下に大きく波打ってくれるかどうか。
これが少ない資金を大きく増やすために必要な銘柄選びになるわけです。
さらに、差がつくのはこんな時です。
図 10年保有した株が下がってきた図
ある銘柄を10年間保有して、結局株価が変わらない。とんとんの場合です。
利益はほとんどないですよね。10年間保有して、買い値まで下がってきてしまったら、利益にならないですよね。10年経ってこんなことになってしまったら、あなたにとってはすごくショックですね。
あなたは10年後、何歳ですか?
途中上がったとしても、そのまま保有して10年後に株価が戻ってきてしまったとなれば、これは相当ショックですよね。同じ資金を他のことに使うこともできたはずです。
でも、短期で株を売買するトレードの場合、同じ10年間でも利益が全く異なります。
図 株価が戻っても利益が上がる
全体としては株価が同じ形でも、この間に細かい波がいっぱいいっぱいあるのです。 同じ、行って来いのチャートでも、実はトレードは利益を上げることができてるわけですね。
これ、取れた利益を合わせてみると、投資は長く保有して+0%なのに、トレードの場合は+100%が1年間で得られましたということになります。
図 回転数で見る投資とトレードの差
要は同じ株価の動きでも、例えば1年間、同じ銘柄をあなたが見てても、このように長く持ってればいいやって思ってるのと、この銘柄を使って、細かい波をいっぱい取っていこうって思っているのでは、全然やることが変わるわけです。
そして、
この細かい波をいっぱい取っていかないと、少ない資金の場合は、大きく増やすのは難しいのです。
ただ株を買って、たまたまラッキーで2倍になりました。ということも、もしかしたらあるかもしれないけど、そういうことは再現性がないので繰り返すことができなのです。
そうじゃなくて、細かい波を一個一個取っていくことによって初めて株で1年で2倍とか3倍とかになるのです。そして、最初30万円で始めた資金がだんだんだんだん大きくなっていったということです。
その結果、
十年とちょっとで利益が数億円となり、1億円、2億円という利益を上げてきたっていうのが実際のところなんですね。
雑誌やテレビとかで、株で1億円儲けたというような報道がされる時、1発でドカンと儲かったような印象の演出が多く、勘違いしてしまう場合が多いです。
しかし、実際に株で1億円稼ぐというのは、ほとんどの場合、短期間で買ったり売ったりを頻繁に繰り返し、
回転数を増やして小さい利益をこつこつと積み重ねたその先にあるものなのです。
本当に、1%、2%、3%、5%とか、そういう利益をいっぱい取っていくのです。
1日に何回も取る人もいれば、2日で何回とか、3日で何回とかっていうかたちもあるけども、そうやって細かい利益を取っていって、積み上げた結果が大きくなっているんだよということなんですね。
100万円を1発で1億円にしましょう、ということではないのです。
ちりも積もれば山となる、ではないですが、コツコツ小さい利益を回転数をあげてとっていく。それを繰り返していくことで、利益がたまっていくということなのです。しかも回転数を増やして細かい波を取っていくと、駄目だったときもやり直しが利きます。長期で持っているだけとは違い、ロスカットをしたとしても、それでも細かい波はいっぱい出来ていますから、次の新しい波で利益を得ることが出来るのです。
これが「株で1億円」の実態なんですね。
「株で1億円」この実態がわかってくると、あなたがやるべきことが見えてきます。いいですか。
先ほども言いましたね。もしあなたが少ない資金を活用して、短期間に大きな利益を出したいならば、狙うべき銘柄は、業績が良い銘柄ではありません。
そうではなく、短期間で株価が大きく上下しているような銘柄を見つけて、そこに対してお金を入れて、トレードをして、細かい利益を何回も何回も何回も何回も何回も取っていくということなのです。
1年後、2年後、3年後、10年後に株価が10倍、20倍になる銘柄なんて探すのはやめてくださいね。あなたは短期間で株価が上下に動く銘柄を見つけて、その波の中で利益を積み重ねていくのです。
投資とトレードの比較。
投資とトレードは回転数が全然違うために爆発的な利益が生まれるのが、トレードというものの力なのです。回転数を多くすることにフォーカスする。その前提として、今現在、株価の変動が大きく短期で波をうつ銘柄に対して仕掛けをする。
これがあなたが利益を上げていく上で、とても大切なことになのです。
ぜひ、このことをを頭にいれながら、あなたの株式トレードを実行し、利益に変えていってくださいね。
ただし、最後に注意点です。
この回転数が利益の鍵をにぎるわけですが、ただやたらめったら売買すれば良いというわけではないわけですね。純粋に売買の数が多ければ良いと勘違いする人が多いのですが、そうではありません。
売買のタイミングが間違ってると利益が出ず、逆に損失が高速でふくらんでしまいます。ですから、回転数を回す前に、正しいタイミングでの売買をする必要があるということですね。
これから上がるところで買って、上がったら売る。とても単純に聞こえますが、その売買タイミングをいかにして見つけるかが鍵となるわけです。
それでは、どうやってタイミングをはかって利益につながるタイミングを見抜くのか。 そのお話は次回にしましょう。
それでは今日はこの辺で。 ありがとうございました。
株の学校ドットコム
窪田剛
■追伸
実は、最近では、トレードで出した利益を元に飲食店なども 展開しています。
1つは東京は六本木、もう1つはアメリカのニューヨークにあります。 そのニューヨークの店はマンハッタンのイーストビレッジという場所にあり、「Izakaya」(イザカヤ)と言います。 「関わる人に幸せを」という思いで、仲間とともに 一昨年創ったお店です。
今回、ありがたいことに、ニューヨークタイムズに掲載をされていて、お客さんのコメントもとても 好評なので嬉しく思っています。ここで私のお店を紹介したのは、別に自慢ということではありません。
そうではなく、私はトレーダのおかげで人生を大きく変えることが出来たということ。そして、トレードを通して、色々な可能性にチャレンジできるということを伝えたいと思っています。
それが今回のIzakayaという企画だったり、ネパールに小学校を建設したりする活動につながっているのです。
僕はトレードを教える事を通して、自分の可能性を最大限発揮出来る人が増えたらよいなと考えています。そのために、こんな風にトレードについて世間ではほとんど語られない内容をお伝えしています。
出来るところから、正しく実践していくことで、必ずや成果が出るはずです。ぜひ、成果を出す事を通して、周りの人にインスピレーションを与えてあげてください。 そうすれば、世界はもっと良くなる。そう思って今日もメッセージをお送りしました。
ちなみに、こちらが 私がオーナーの一人として出資をしている「Izakaya」が掲載された ニューヨーク・タイムスの記事です。
英語になっていますが、見たい方はどうぞ。
ニューヨーク・タイムスの掲載記事