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協調学習のツールとして活用
続いて公開されたのは、春日井優教諭が受け持つ1年生情報の授業。単元は「統計を用いたデータ分析」だ。同教諭は埼玉県教委が取り組む協調学習のツールとしてChromebookを活用した。
授業では最初に、与えられた観光アンケートの結果を読み取り、生徒たちは「自分ならどのような方法で集計するのか」を考えた。その後は、3つのグループに分かれて、それぞれ異なる動画を視聴し、アンケートの集計方法に関する知識を学ぶ。続いて、動画で学んだ知識を基に、今度は異なる動画を視聴した生徒同士が新たなグループを作り、アンケートの分析方法について学んだ内容を共有し合った。いわゆるジグソー法と呼ばれる学習で、生徒たちは異なる知識を結集して、本時のミッションである総合評価を高くするためには、アンケートにどのような工夫をすればよいかを考えた。
Chromebookは、グループによる動画視聴と意見共有の際に活用した。春日井教諭はGoogle Classroom上に3種類の動画を用意し、生徒たちはそれぞれにアクセスして視聴。途中、動画の内容をメモしたり、分からない用語が出てきたときはすぐにネットで検索したりするなど、自分たちで学習を進める姿が見られた。最後に自分たちのグループで考えた内容をGoogle Classroomに記入して授業は終了した。
授業終了後、生徒たちに聞くと、「自分たち世代はネットを使うのが当たり前なので、学校でも同じような学習ができてうれしい」「分からないことがすぐに調べられるので、自分に機動力が付いたと感じる」といった意見が聞かれた。逆にいうと、今の生徒たちにとってICTのない授業がいかに受け身であるのかもうかがえ、もはや学習にICTを活用するのは当たり前だといえる。