【サッカー】大迫、“2本”のエース! 周りのプレーヤー輝かせる存在2019年1月30日 紙面から
◇アジア杯<準決勝> 日本3-0イラン【アルアイン(アラブ首長国連邦)松岡祐司】サッカーのアジア杯は28日、当地で準決勝1試合が行われ、日本がイランを3-0で破り、2011年大会以来、2大会ぶり最多5度目の優勝に王手をかけた。右臀部(でんぶ)痛が癒え、5試合ぶりに先発復帰したFW大迫勇也(28)=ブレーメン=が圧巻の2得点。低調だったチームがエースの躍動で一気に活気づいた。2月1日の決勝で、日本はカタールと戦う。 言葉はいらない。魂の96分間。約6年間、対アジア39戦無敗のイランがアルアインの地にひざまずく。勝利の笛が鳴ると、大迫は言葉にならぬ叫びを夜空にぶつけ、両拳を握り締めた。 イランのフィジカルに屈せず、激しく戦った。デュエル(1対1の球際の争い)勝率はイラン50・9%、日本49・1%とほぼ互角。一歩も引かず、パスと連係でボールを握り、左右へ揺さぶり、連動した攻撃でゴールを襲った。後半11分の先制ヘッド、同22分のPK弾。試合を動かしたのは、やはり大迫の決定力、エースの不敗弾だった。 それにしても、だ。ここまでアジア杯5試合はいずれも1点差のスコア以上に低調だったチームが一転、強さとたくましさの鎧(よろい)をまとってよみがえった。 何が起きたのか-。 長友は少し誇らしげに胸を張った。 「大迫は一人の選手としても抜けた存在ですけど、周りのプレーヤーを輝かせるんですよ。堂安も南野も(原口)元気も、周りにいる選手たちがイキイキしていた。これが、彼の一番の強みですよね」 身体がしなやかで強い。屈強な大男に当たられてもびくともしない。ボールを収めることに関しては天下一品の能力を持っている。ただ、それだけではない。“大迫効果”に関して、本田圭佑(現メルボルン・V)がこんな話をしてくれたことがある。 「サコ(大迫)は何でもできる。でも、そこじゃないんですよ。みんながまず、サコを見る。大事なのはそれなんです」 大迫という一本の柱に向かってボールの動く道筋が生まれ、せき止められていた水が勢いよく流れ始めた。最前線で難しい起点役を全うすると、2列目の堂安、南野、原口の3人が前を向いて仕掛けることが可能になった。そこに、大迫だけの存在価値がある。 大迫は「アジア杯を取れれば若い選手にも自信になるし、さらに強い日本代表になれる。次、勝つか負けるか、すごく大きな戦いになる」と言った。残り1戦。アジアの終着点は、まだ上にある。
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