成功者の腕時計 第1回

こばやし・おさむ

こばやし・おさむ
1966年生まれ。京セラ、サイバードを経てエスクルー代表取締役社長に就任。モバイルを中心としたメディアやサービス事業を展開。氏が着用する腕時計は、ジラール・ペルゴの「ヴィンテージ1945 スモールセコンド&デイト」。通称「社長 島耕作モデル」。自動巻き、ピンクゴールド。

こいつ何者だ? と思わせたらシメたもの! 株式会社エスクルー代表取締役社長小林 理 氏

携帯電話関連の事業で先端を走る会社の 若きリーダー、小林理氏は、 腕時計をビジネスの武器にする。 愛用品はすべてスイスのジラール・ペルゴ製。 知る人ぞ知る名品だからこそ、 自己表現に威力を発揮するのだという。

GIRARD-PERREGAUX

文=菅原 茂 text by Shigeru Sugawara 写真=山下亮一 photographs by Ryoichi Yamashita

 携帯電話があれば時刻がわかる。腕時計を着けなくても不自由しない──。そう考える人が増えている。モバイル・インターネットのコンテンツや広告などの企画制作を手がけるエスクルー代表取締役の小林理氏も、以前はそんな一人だった。しかし、ビジネスで多くの人と接するうちに意識が変わったという。

 「若い社長が多いIT業界では、高価な腕時計をしている人が結構います。パーソナリティを表現する手段として、腕時計を活用している。競争の激しい業界で個性を主張するには、ある意味"ハッタリ"も必要なのだと実感しました」

 旧来の日本のビジネス界では、身なりはあくまでも控え目が美徳とされ、腕時計も目立たないものがよしとされてきた。しかし最近は、時計が自己アピールやコミュニケーションの重要なツールに変わってきた。特に新しい情報産業で活躍する成功者はそうとらえる人が多いという。

 「身に着けるなら、有名ブランドの誰もが知っているモデルではなく、知る人ぞ知るブランドの個性的な腕時計でなくてはと思いました」

 そうして出会ったのが、スイスの高級時計ブランド、ジラール・ペルゴの製品。「ブランドもプライスも一見しただけでは見抜かれづらいし、なにより他人とかぶらないところがいい」と直感した。スイス時計にしてはデザインに洒落っ気があり、ブランドの背景に奥深い歴史や伝統があるところも気に入った。


クロノグラフは"勝負時計"

 最初に購入したのは、角形の「ヴィンテージ1945」だった。ケースはスーツスタイルにも合う上品なピンクゴールド。ケースが湾曲していて手首へのフィット感も抜群なので、毎日愛用している。

 最初の1本ですっかりジラール・ペルゴに惚れ込んだ小林氏は、「ヴィンテージ1945」の日本限定モデルやクロノグラフ、ブレスレットタイプのスポーティな「ロレアート」などを次々と手に入れた。

[小林氏が次に狙う1本]
ww.tc ファイナンシャル

[小林氏が次に狙う1本]
ww.tc ファイナンシャル

世界の主要24都市の現地時刻がリアルタイムで読み取れるワールドタイム機能とクロノグラフ機能を搭載。グローバルストックマーケット立会時間表示という独特の機能も備えている。自動巻き、ステンレススティール、ブレスレット。168万円。

 存在感にあふれるクロノグラフは、「大事な商談の際に着ける、いわば勝負時計」と冗談めかして言うが、ハッタリどころか、実際に有効な武器となることがある。

 「すごい腕時計を着けているこいつは何者なんだ? と相手に思わせたらシメたものです。注目してもらえ、会話が弾むきっかけにもなります」
 実年齢より若く見られることが多いというが、今年で44歳になる。

 「ある程度の年齢や地位に達したら、きちんとしたものを持つべきです。派手でない、いい腕時計を着けていれば、安心して仕事ができます。海外では、持ち物で人を判断する目も鋭いですから」

 次に欲しいのは、世界各地の時刻がひと目でわかるワールドタイム。グローバルなビジネスシーンで、便利な機能を活用したいという。


「週刊ダイヤモンド」9月25日号も併せてご参照ください
※この特集の情報は2010年9月21日現在のものです

最新号を購入する

ダイヤモンド・オンライン

ダイヤモンド社のビジネス情報サイト ダイヤモンド・オンライン プラス