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出荷先でも殺処分に 各務原、豚コレラ感染の疑いで

 二十九日、新たに各務原市の民間養豚場で確認された家畜伝染病「豚(とん)コレラ」。計約千七百五十頭の殺処分は、昨年末の関市の養豚場(約七千八百頭)に次ぐ規模で、再び陸上自衛隊に災害派遣を要請する事態になった。今回は、養豚場から豚が二カ所に出荷されており、県は発生した場所以外でも対応を迫られた。

 出荷先の一つは、岐阜市食肉地方卸売市場。二十八日朝に十七頭を出荷したばかりで、感染の疑いが懸念されたため、同じ係留場にいた他の養豚場の出荷豚を含め計百四十九頭の殺処分を決めた。

 もう一つの出荷先は、本巣市の別の民間養豚場だった。各務原市の養豚場は十七日に子豚八十頭を出荷していた。県は当初、感染拡大の恐れがあるとして子豚の殺処分を検討。しかし、出荷から十日以上経過しているため国の指針上は対象とならないこともあり、県と国の協議の結果、見送った。定期的な検査をしながら監視していく方針だ。

 県は昨年十二月、養豚場の衛生管理を徹底するチェック表を導入。養豚場に出向き小動物侵入対策などの指導を強化してきたが、感染をまたも防げなかった。

 この日の発生を受け、県庁での対策会議で古田肇知事は「本年度はざっと二十三億の予算を使う前提で、必要なことは全てやり尽くすということでやっている。改めて、それぞれの部署でしっかりとした対応をお願いしたい」と呼び掛けた。

◆現場周辺の住民ら 生活の影響に不安

 各務原市鵜沼羽場町の鵜沼福祉センターでは住民説明会があり、県中央家畜保健衛生所(家保)の山下博幸所長が「野生イノシシと接触を避ける防護柵や野鳥よけのネットを備え、対策は万全だったはず。ショックが大きい」と語った。

 現場周辺の住民や学校関係者ら約三十人が参加。防疫措置に伴う生活道路の通行止め期間や、感染源としてカラスなどの野鳥を心配する質問が相次いだ。同所長は「以前に豚コレラの陽性反応が出た農場近くでカラスを数匹捕獲して検査したが、ウイルスは検出されなかった」と回答。感染源特定の難しさを話した。

 養豚場近くの自治会役員の男性(74)は「人に感染しないとは分かっていても、生活への影響を知りたかった。自治会で情報を共有する」と話した。

 (大山弘)

 

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