柳の直球をとらえた一発が高い放物線を描き、左中間席に弾んだ。対投手としてはチーム第1号となる柵越え。ただし、打った福田は全く関心を示さなかった。
「ナゴヤドームなら外野の定位置くらいで捕られてますよ。くそ詰まりですから。沖縄の風を甘く見たらいけませんよ」
左翼フェンス直撃の一打、中越えの一打もあった。それでも目先の結果にはこだわらない。その認識は紅白戦についても同様だ。「結果を求めても出ないし、出たところでどうというわけでもない」と言い切る。
足元を見据えているからこその言葉でもある。「技術的な部分はこれから。器用なタイプではないので、いっぱい振って数を打たないと」。この日も全体練習後には室内練習場で1時間近くマシンに向き合った。
もちろん実戦に出られる準備はしてきた。「体的には大丈夫。若い選手は毎年やっていること。僕ももちろんです」。実直な選手会長は着実に歩を進める。 (高橋雅人)