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【格闘技】

尾川、2・2復帰戦 IBF王座剥奪から1年2カ月

2019年1月29日 紙面から

練習前に笑顔でバンテージを巻いてもらう尾川=東京都新宿区の帝拳ジムで(藤本敏和撮影)

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 元日本スーパーフェザー級王者の尾川堅一(30)=帝拳=が、2月2日のノンタイトル10回戦(東京・後楽園ホール)で1年2カ月ぶりにリングへ復帰する。2017年12月に米ネバダ州ラスベガスで行われたIBF同級王座決定戦に勝った直後に禁止薬物の陽性反応が検出され、世界タイトル獲得の事実自体が消された男にとって、キャリア再建を懸けた第一歩となる。尾川は28日、東京都内の所属ジムで実戦練習を打ち上げた。

 白いグローブをはめた尾川が、2017年の世界戦前を上回る動きを見せた。同門の波田を相手に、きびきびとしたフェイントから得意の右ストレートを放つ。マススパーリングを4ラウンド、仕上がりは万全のようだった。

 「コンディションはいいし、試合が契約体重でいつもより2ポンド(約900グラム)重いので、体重調整も問題ないです」

 絶頂からどん底へ落とされたのは約1年前。一昨年12月に行われたIBFスーパーフェザー級王座決定戦後のことだった。試合前のサンプルから、禁止薬物が検出されたのだ。

 尾川は一貫して意図的な摂取を否定。医師は塗り薬が尿に混入した可能性を指摘したが、立証には至らなかった。日本ボクシングコミッションは1年の資格停止処分を科し、ラスベガス・コミッションは結果を無効試合に変更、世界王座獲得の事実さえ消滅した。

 2月2日は、処分が解けて初めてのリングだ。「緊張とプレッシャーで、今までにない変な気持ちになってます。でも、勝たなければならない。そうすれば、次からはこれまでのように自信を持ってリングに上がれる」。復活を懸けたリングで、重圧とブランクを乗り越え、再びスーパーフェザー級の世界トップ戦線に返り咲く。 (藤本敏和)

<尾川堅一(おがわ・けんいち)> 1988(昭和63)年2月1日生まれの30歳。愛知県豊橋市出身。173センチ、59キロ。愛知・桜丘高から明大。2歳から父の指導で日本拳法を始めたが「敵がいなくなった」と明大2年でボクシング挑戦を決意。卒業後に帝拳ジムへ入門した。2010年4月にプロデビュー、翌11年にスーパーフェザー級で全日本新人王獲得、同最優秀選手賞受賞。15年12月に日本同級王座を獲得した。22勝(17KO)1敗1無効試合、右ボクサーファイター。家族は妻・梓さんと長男・豹くん、次男・亜陸くん、三男、皇くん。

 

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