柳田悠岐は「スケールが違う」 日米野球で侍ジャパンの選手の明暗を分けた国際試合の「対応力」
11月上旬に開催された「2018年日米野球」は野球日本代表「侍ジャパン」がMLBオールスターチームに5勝1敗で大きく勝ち越して幕を閉じた。野球解説者・野村弘樹氏は、圧勝という結果以上に国際試合でしか得られない収穫があったことを強調する。
写真提供=Getty Images
野球解説者の野村弘樹氏が分析、投手で相性が良いのは「縦変化で勝負できる投手」
11月上旬に開催された「2018年日米野球」は野球日本代表「侍ジャパン」がMLBオールスターチームに5勝1敗で大きく勝ち越して幕を閉じた。野球解説者・野村弘樹氏は、圧勝という結果以上に国際試合でしか得られない収穫があったことを強調する。
「僕も現役時代に日米野球に出場しましたが、国際試合ならではの難しさがあります。投手はメジャーの選手たちのパワーを体感するし、打者は手元で動く独特の軌道の球を打たなければいけない。日本の球と違ってMLB仕様の球は握った感覚が違うし、重さも感じる。技術も大事ですがそれ以上に重要なのが対応力だと思います」
今大会で目を引いたのが日本の投手力の質の高さだったという。野村氏は「メジャーリーグ選抜の投手陣がフルメンバーでないにしても、日本の投手はハイレベルだと感じました。岸(孝之)投手(東北楽天)、上沢(直之)投手(北海道日本ハム)はカーブを有効に使っていたのが印象的ですね。縦変化で勝負できる投手が国際試合では相性が良いかもしれません。アンダースローの高橋礼投手(福岡ソフトバンク)は牧田(和久)投手(サンディエゴ・パドレス傘下マイナー)のようになれる可能性があります。国際試合は色んなタイプの投手がいた方が良いので貴重な存在ですね」と分析した。
柳田外野手は「打った打たないではなくスケールが違う」
野手では明暗が分かれる形となった。秋山翔吾外野手(埼玉西武)が打率.350、源田壮亮内野手(埼玉西武)が打率.429と好成績を残したが、4番候補の山川穂高内野手(埼玉西武)、岡本和真内野手(読売)は共に打率.211と試行錯誤を繰り返した。「秋山選手、源田選手は動く球に見事に対応していた。山川選手、岡本選手は技術はあるんです。後は対応力。良い経験になったと思います。今後の国際試合、野球人生に必ず生きますよ」と強調する。
では、1戦目でサヨナラ2ランを放つなど打率.318、2本塁打をマークし、メジャーの首脳陣、選手から大絶賛された福岡ソフトバンクの柳田悠岐外野手はどのように映っただろうか。「一番印象に残っていますね。打った打たないではなくスケールが違う。メジャーの選手とまったく引けを取らない。松井秀喜氏よりも大きくてパワーもスピードもある。大谷(翔平)選手(ロサンゼルス・エンゼルス)が米国に行ったときはどんな成績を残すか想像できなかったですけど、柳田選手は今メジャーに行ってもかなりの活躍をすると思います」
今大会は広島東洋の鈴木誠也外野手、横浜DeNAの筒香嘉智外野手ら球界を代表する長距離砲が出場しなかった。外野の定位置争いは熾烈だが、世界基準の打者であることを証明した柳田外野手は今後も侍ジャパンに不可欠な存在になるだろう。
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次回:12月17日20時頃公開予定