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【記者コラム】

夏37度目の甲子園出場へ 捲土重来の松商学園高

2019年1月28日 18時0分

練習後のミーティングで足立修監督からの指示を聞く松商学園高の選手たち

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 2019年。サッカーJリーグの松本山雅が4年ぶりにJ1の舞台に戻ってくる。そのホームタウンが長野県松本市。その街で忘れてはならないボールゲームのチームがもうひとつある。春16度、夏36度の甲子園大会出場を誇る高校野球きっての古豪・松商学園だ。

 自分には強烈な思い出がある。右腕の上田佳範を擁した1991年夏、四日市工(三重)と延長16回、3時間46分の死闘を繰り広げた3回戦。私は甲子園のネット裏の席で固唾(かたず)をのんで観戦していた。耳に聞こえてくるのはアルプス席からの地鳴りのような応援。内野席も外野席も松商学園の選手を応援する人で埋まっていたことを今でも覚えている。

 それから幾星霜(いくせいそう)。甲子園出場を目指すチームは鍛錬にいそしむ。昨秋の長野県大会は地区予選で敗退。センバツ出場はかなわず、今は37度目の夏の甲子園出場を目指す。足立修監督(55)は「スタッフはそろってきたと思います。あとは秋の結果を選手がどう思うかでしょう」。練習後のミーティングでは厳しい声もかけられていた。捲土(けんど)重来の準備は着々と進んでいる。

 そんなナインを地域の人々が温かく見つめる。そういえば、グラウンドを訪れた時も「土手ファン」といわれる人が寒風の中、横を流れる薄川(すすきがわ)の土手から練習を見学していた。「全国でもウチぐらいでしょう。川の土手からグラウンドを自由に見られるのは…」と足立監督は苦笑いだが、チームを地域の人が支える象徴といえる風景だろう。

 そういえば、松本山雅のスタジアムも多くの観客が詰め掛ける。松本の人はスポーツ好きなのか? この疑問を足立監督にぶつけてみると、「勝負事が好きなんでしょうね」。川の水がぬるむころ、松本の街を熱くするスポーツの季節がやってくる。  (川越亮太)

夏の甲子園出場を目指して練習に励む松商学園高ナイン

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