日本ハムの金子弌大投手(35)が27日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で今年初のブルペンに入った。捕手を座らせ、変化球を交えて21球。札幌ドームを想定し、最も硬いマウンドで投げるなどシーズンを見据えた投球練習だった。
捕手のミットがほぼ動かない。速球に加えカーブ、スライダー、チェンジアップも。精密機械のように、同じ動きから自在に白球を操った。
「初めてスパイクを履いて土の上で投げたというところで、こんなもんかなと。力の入れ具合も6割程度。悪いわけでも完璧だったわけでもなく、予想通り」。涼しい顔で振り返ったものの、沢村賞右腕らしいハイレベルな投球練習だった。
屋内練習場の4つのブルペンのうち、右端を選んだのにもワケがある。「一番硬いと聞いたので。(キャンプ地の)アリゾナも札幌ドームもマウンドは硬い。一番投げる機会が多いであろうマウンドを想定して投げたかった」
初のブルペンでは立ち投げだけで終わる投手もいるが、「試合で立ち投げをすることはないので。ブルペンに入れば基本、捕手が座るという形です」。常に試合を想定して日々を過ごす金子らしい練習だった。
米国・アリゾナでのキャンプが間近に迫る。「毎年個人的な目標をあげることはないので、それは同じですが、優勝することですね。僕の場合は優勝したことがない。年々その思いは強くなっている」。金子が勝てば勝つほど、その夢は近づいてくる。 (土屋善文)