俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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どっかのカフェ。そこで大輝と紗耶香はいた。
「ここは私が奢るから、好きなの頼んでよ」
「じゃあこのイチゴパフェにチョコワッフルにミルクティーで」
「………随分頼むのね。あとヤケにラインナップが可愛い。放課後ティータイムでもするの?」
そんなわけで、2人で席に着く。その様子を、エリカ、レオ、達也、美月は見ていた。
「ふわふわ時間ね……」
「おい待て。なんで俺まで付き合わなきゃならない?」
「そ、そうですよ。覗きなんて趣味が悪いですよ?」
呟くエリカに、達也と美月がツッコんだ。
「まぁまぁいいじゃねーの。あのドSバカの大輝に女だぜ?」
ノリノリのレオがニヤニヤしながら言った。それを見ると、達也と美月はため息をつくしかなかった。
で、大輝と紗耶香の席。
「えーっと、一応聞くけど、君アレだよね?木刀一本で片っ端から色んな部活フルボッコにした二科生の真田大輝くんで合ってるよね?」
「合ってますけど?」
「なら、相談があるの。剣道部に、入らない?」
その相談にピクッと反応する大輝。
「何でまた俺なんて」
「だってさ、私はまだ真田くんの暴れた所見たことないけど、木刀を使うってことはそれなりに剣の心得があるわけでしょ?」
「安直すぎじゃないすか?中には剣は使えなくても剣で戦った人もいますけど。ほら、アーロン戦のルフィも使ってたじゃないですか」
「あー確かに使ってたわね。あの時のナミには同情しちゃったなぁ〜……」
「あー分かるわそれ。てかウソップ良かったですよね。『海賊ごっこは、終わったんだ‼︎』」
「あーそれ!ほんとそれ!なんだかんだタイマンで勝ったからね!」
と、ほんのり懐かしいトークで盛り上がるのを遠目で見ながらレオは呟いた。
「………なんの話をしてんだ、あいつら」
「分かります……。水中で魚人倒したサンジのほうが凄かったでしょうに……」
「美月、そっち?」
で、再び紗耶香と大輝の方。
「でさ、真田くんはずーっと木刀一本で暴れてきたし、初日は確かあれ箒で撃退したんだよね?余程、剣の腕がないと無理だと思うけどなぁ」
「………まぁ、剣なら多少教わってはいやすけど。で、なんで俺なんですか?達也とかあの辺は?確か、壬生先輩の目の前であいつは暴れたんですよね?」
「それはそうだけど……剣の心得のある真田くんのほうが引き受けてくれるかなって」
なるほど……と、大輝が思ったところで頼んだものが来た。早速、パフェを一口頬張る。
「………うめぇ。何このイチゴ……。で、俺を剣道部に入れる理由は?まさか、剣が使えるからってわけないでしょ」
「それは……うん。その通り。魔法科学校では魔法の成績が最優先される。そんなことは最初から分かってて、納得して入学したのは確かだけど、部活動まで魔法の腕が優先なんて、間違ってると思わない?」
「………はぁ。まぁ」
「魔法が上手く使えないからって、私の剣まで侮られるのは耐えられない。無視されるのは我慢できない。魔法だけで、あたしの全てを否定させはしない」
「ふーん……」
「それで、あたし達は、非魔法競技系クラブで連帯することにしたの。剣道部以外にも大勢賛同者を集めた。今年中に、部活連とは別の組織を作って、学校にあたし達の考えを伝えるつもり」
「ならいやです」
「えっ?」
まさかの即答に思わずあっけに取られる紗耶香。
「悪いけど、俺は今別の目的で忙しいので。それに、そういう頭使うタイプのことは俺には向きませんぜ」
「別の目的って……?」
「あんまり大きな声じゃ言えないんですけどね……」
と、言いながら大輝は紗耶香の耳元に口を持って行った。その瞬間、思わずドキッとする紗耶香。男子と剣道以外でここまで近付いたのは初めてだ。思わず頬が紅潮し、胸の鼓動が早くなる。耳に息が吹きかかると共に、大輝の声がぽしょぽしょと聞こえてきた。
「………風紀委員長を潰して俺が風紀委員長になるんですよ」
「………あたしのトキメキを返しなさいよ」
ものっそい勢いで冷めていくのを感じた紗耶香だった。