俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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翌日。昼休み。大輝は基本的に1人で飯を食っている。というか、食うつもりだった。だが、意外にも友達と呼べるものが出来てしまい、そうもいかなくなった。
「にしても達也くん、生徒会室で何の話をしてるんだろうね〜」
エリカが呟いた。
「え、何。あのシスコン軍曹、生徒会室にいんの?」
「そうですよ。朝、生徒会長に深雪さんと一緒に誘われてました」
「ふぅーん……どーせ生徒会の連中に誘われたとかそんなんだろ。はっ、ご苦労なこった」
言いながら大輝は飯をかっ込む。ちなみに今日の飯もラーメンだ。
「……なぁ、大輝。ラーメン好きなのか?」
「そりゃ男ならラーメンだろ」
「おう!気持ちはわかるぜ」
「でもちゃんと栄養取んなきゃダメよー。真田くんはそこの脳筋と違ってイケメンなんだから」
「おい、脳筋って俺のことか?」
「あんた以外にいないわよ」
と、いつものように喧嘩が始まりそうになる。それを宥める美月と、ぼんやり眺める大輝だった。
○
授業中。CADを使って、小さな台車を三往復させる、というもの。その順番待ちをしてる時に、
「達也、生徒会室の居心地はどうだった?」
と、レオが達也に聞いた。
「奇妙な話になった……」
「奇妙?」
達也の前に並んでるエリカが振り返った。
「風紀委員になれ、だと。いきなり何なんだろうな、あれは」
「確かにそりゃ、いきなりだな」
レオが言った。
「ま、見るだけで魔法式読み取れるって時点で悪目立ちしたからな。呼び出された時点で何かしらあると俺は思ったよ。良かったな達也」
他人事のように大輝は言った。
「で、風紀委員て何するんですか?」
最後尾に向かった美月が聞いた。
「校則違反者を取り締まる組織だそうだ。魔法使用に関するな。早い話が喧嘩を力づくで止めなきゃいけないようだ」
「そりゃまた、面倒そうな仕事だな……」
「危なくないですか、それって……」
「ハッ、ザマァー」
達也の説明にレオ、美月、大輝と呟いた。
「いや、でも案外良くねぇか?威張りくさった一科生にしゃしゃり出られるよりはよ」
思いついたようにレオは呟いた。
「冗談じゃねぇや。なんでこっちが喧嘩の仲裁しなきゃなんねんだ。喧嘩なんて時にはブツけた方が良いことあるもんだろ。何でもかんでも仲裁したほうがいいってもんじやねぇ」
「……大輝もまともな事言うんだな」
「よし、じゃあここで早速ブツかっとくか?」
レオの憎まれ口にガン飛ばす大輝。
「ほら、大輝の番だぞ」
達也に促され、仕方なく大輝は始めた。魔法式を構築する。が、台車は中々動かない。
「………………」
と、思ったら急に動き出した。慌てて力をセーブし、なんとか安定して動かせるようになった。大輝は、魔法の実技が苦手なのだ。
○
放課後。大輝は帰る前にトイレに寄ろうと思い、鞄を持って昇降口とは反対側に出た。で、男子トイレに入ろうとした時だ。
「お、いたいた。おーい、真田くーん!」
声を掛けられ、振り返ると真由美が立っていた。
「………確か、昨日の人?」
「あら?もしかして私のこと知らない?」
「はい」
「そう。じゃあ自己紹介するわね。生徒会長の七草真由美よ」
「ふーん、生徒会長ねぇ……。で、それが俺に何か用ですか?」
「うん!早い話がね、生徒会室に来て欲しいの。今から」
「は?い、今から?」
「そう。達也くんのご指名で」
「達也の?」
「そう」
なんとなく嫌な予感のする大輝だった。