ハリー・ポッターと野望の少女   作:ウルトラ長男
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第65話 ありふれた悲劇

 結論から言えば、8人のポッター作戦はこの上なく上手く行った。

 やはり事前に知られていなかったというのが大きかったのだろう。

 また、ダンブルドアがいたのも有利に働いた。

 ダーズリー家周辺を見回っていた死喰い人達はダンブルドアの姿を見た事で自分達では手に負えないと判断し、すぐに追撃をかけずにヴォルデモートの到着を待ったのだ。

 そのタイムロスがハリー達にとって有利に働き、ヴォルデモートが到着した時はすでに各々が目的地に辿り着いた後であった。

 

 そしてそれから数日が経った。

 ハリーは17歳になるまで『匂い』のせいで動く事が出来ない。

 つまり騎士団の活動は全て仲間に任せて引きこもっている他ないのだ。

 いや、仮に動けた所で何が出来るだろう。

 本来やるはずだった分霊箱探しは、既に無意味と化している。

 ダンブルドアの推測が正しいのなら、その大半はすでにミラベルが見付け出して破壊してしまっているのだから。

 そのミラベルも現在はイギリス国内におらず、手の打ちようがない。

 ハリーは、ただ無駄に過ぎて行く日々の中で焦燥だけを募らせていた。

 

 しかし時間はハリーに容赦なく、どんどん過ぎて行く。

 そしてそれに伴い、事態もまた刻一刻と変化していくのだ。

 スクリムジョールの死亡と、魔法省陥落という最悪の報せが届いたのは、それからわずか3日後のビルとフラーの結婚式の最中であった。

 

 

*

 

 

 ヴォルデモートが魔法省を掌握してより1ヶ月――英国魔法界は、今や地獄と化していた。

 

 

 不気味な霧が立ち込める郊外を、一人の男が歩いていた。

 その手にはしっかりと杖を握り、表情は固い。

 ほんの1ヶ月前までこの町は平和そのものだったというのに、今や人の姿をほとんど見ない。

 最近はこの辺りに『人攫い』が頻繁に出るようになり、外に出る事すら出来なくなっている為だ。

 

 人攫い――それは闇の帝王に味方する腐った魔法使い達の事だ。

 彼等はマグル生まれの魔法使いを捕らえ、魔法省に差し出す事で報酬を受け取る事が出来る。

 無論魔法省に引き渡されたマグル生まれがその後どうなるかは語るまでも無く、不当な裁判にかけられてディメンターの餌食にされるのがオチだ。

 

 この男……名をアラン・モームという若き22歳の魔法使いは、4年前にホグワーツを卒業した元ハッフルパフ生である。

 彼自身は混血の魔法使いだが、その愛する妻はマグル生まれ……つまりは彼等の獲物だ。

 妻は家の地下に隠れさせているが、それもそろそろ限界かもしれない。

 最近は随分と人攫いが増え、この辺りも怪しくなって来た。

 そろそろ、引越しを考えるべきだろう。

 

 勿論混血といえど安全というわけではない。

 ダンブルドア側に味方していればそれだけで死喰い人などに殺される事もある。

 だが、アランは己の死を恐れてはいなかった。

 何より恐れるのは、愛する妻が奴等の手にかかる事であった。

 

 妻は、彼にとって希望であった。

 思えば幼き日に初めて出会った時から惹かれていたのかもしれない。

 気が強くてお節介で、誰よりも優しい。

 彼女は彼にとって姉のようであり、妹のようであり、そして母のようでもあった。

 生来気が強い方ではなく、それ故にハッフルパフに入れられた彼を常に引っ張り、支えてくれたのはいつだって彼女であった。

 近所の悪ガキに苛められていた時、いつだって助けてくれたのは彼女だった。

 だから今度は自分が守る。

 あの笑顔を護る為ならば何だって出来る。何でもしてみせよう。

 たとえ、この身がどうなろうと。

 

「……よし、今の所付近にはいないか」

 

 アランはほっと一息をつき、家まで戻る。

 尾行される危険も考慮し、帰宅は常に姿くらましだ。

 引っ張られるような感覚と共に景色が流れ、そして親しんだ家へと到着した。

 

 そして、そこにあったのは荒れ果てた我が家であった。

 

 椅子やテーブルは床に転がり、家具が破壊され、無遠慮に踏み荒らされた跡がある。

 勿論、妻がこんな事をするはずがない。

 地震だって起こっていない。

 では何だ? 何が起こった?

 アランは嫌な予感に冷や汗を流し、顔を青褪めさせ、弾かれたように走る。

 頼む。どうかまだ無事でいてくれ……地下には気付かないでくれ!

 そう願いながら地下室の前へと走り、しかしそこにあったのは希望を裏切る惨状。

 地下への扉が開いている……! 否、壊されている!

 

「くそっ! 嘘だ……嘘だ!」

 

 頼むから……お願いだから妻には手を出さないでくれ!

 金が欲しいならいくらでもやる!

 他の物なら何だってくれてやる!

 だから、だからどうか……!

 

 そう強く願いながら地下室の扉を開け――見えたのは、愛する女性が見知らぬ男達に拘束されている姿であった。

 

「へっへへ、ほら、暴れんじゃねーよ。もう逃げられねーぜ!」

「いやあ、いい仕事ですねえ。マグル生まれを連れて行くだけで報酬をもらえるんだから例のあの人様々です」

 

 男達が口々に好き勝手な事を囀っている。

 相手の事など考えもせずに、自分達の欲望の為に……ほんの少しのはした金で懐を暖める為だけに、愛する人を連れて行こうとしている。

 冗談ではない、とアランは激昂した。

 妻は人攫い如きがその汚い手で触れていい人ではないのだ。

 下らない金などの為に犠牲になっていい人ではないのだ!

 

「貴様らあああ! 彼女から手を離せ!」

 

 アランは激昂し、男のうちの一人に麻痺呪文を叩き込む。

 だが多勢に無勢。残る男達からの呪文を受け、彼は無様に床を転がった。

 更に他の男から拘束呪文を浴び、身動き一つ取れ無くなってしまった。

 そのアランへと下卑た笑みを浮べながら人攫いが語りかける。

 

「おう色男、これはお前のワイフかい?

残念だったなあ。穢れた血は魔法省に連れていかなきゃならねえんだ。

いや俺達も本当は辛いんだよ。心が痛むねえ」

 

 全くそんな事を思ってなさそうな顔で人攫いが話す。

 アランはそれを睨み付け、しかし懇願するように口を開く。

 

「た、頼む……妻は……妻は、助けてくれ……。

欲しいなら何でもやるから……だから……」

「そうもいかねえんだわな、これが。こちとら魔法省に頼まれた大事なお仕事でねえ。

魔法界から穢れた血を一掃して浄化する為に必要な事なんだよ」

 

 楽しそうな笑みを浮べながら人攫いが騙り、他の男達がゲラゲラと笑う。

 彼らのような人間にとって今の魔法界は非常にやり易い場所であった。

 穢れた血が相手ならば何をしても許される。

 傷付けようが、ちょっと“つまみ喰い”しようがお咎めはない。

 何せ彼等の行動を後押ししているのは魔法省そのものなのだから、誰も異など唱えられないのだ。

 本来秩序を守るはずの法は、すでにその役割を失っていた。

 

「まあ安心しな。お前のワイフは俺達がちゃあんと送り届けてやるからよ」

「ついでにつまみ喰いもするんだろ?」

「当然だろ。俺ぁこれが楽しみで人攫いやってんだからな」

 

 ゲラゲラと薄汚い笑い声をあげ、男達は好き放題に話す。

 アランは、ただ悔しかった。

 愛する人を守る事すら出来ない己の無力さも。

 こんな無法者を蔓延らせた闇の帝王も。

 そして、そんな帝王に屈した魔法省も。

 何もかもが憎く、憎悪だけで人を殺せるならどんなにいいだろうとさえ思った。

 

「まあそういうこった。次はマグル生まれじゃない、魔法使いの女を探すんだな」

「ふざけるな! 彼女以上の女など、俺には……」

「っるせえよ!」

 

 人攫いの靴がアランの顔にめり込み、歯をへし折る。

 そうしてアランを黙らせた男は汚い手で妻の髪を掴み、持ち上げた。

 

「じゃあな、色男。マグル生まれなぞを選んだ自分を呪うんだな」

「おい、速く連れて行こうぜ。俺ぁもう待ちきれねえよ!」

「急くな急くな、この万年発情男。てめえは猿かっての」

 

 この後、妻の身に何が起こるのかが嫌でも分かってしまう。

 分かりたくないのに理解出来てしまう。

 やめろ……頼む、止めてくれ。

 その人だけは、どうか……。

 そんなアランの願いは届かず、散々好き勝手な事をした男達は姿くらましでそこから消えた。

 彼等を止める物など何もない。

 本来、彼等を裁くべき法は今や彼等の味方だ。

 今や、これが魔法界の正義なのだ。

 

「くそ……くそっ……畜生! 畜生!」

 

 アランは涙を流し、動かぬ身体を呪いながらただ叫ぶ。

 唇を噛み切り、涙で視界が見えなくなり、ただ喪失感と無力感だけが全身を支配する。

 これが……こんなのが法か! こんなのが正義か!?

 こんな事が許されていいのか!?

 

「誰か……誰でもいい……誰でもいいから……」

 

 ――あいつらを、殺してくれ……!

 

 

 その憎悪の叫びは、誰に届く事もなく虚しく散って行った。

 

 

*

 

 

 魔法省内部にある法廷。

 そこには、恐ろしい光景が広がっていた。

 外の廊下には黒いフードを被った吸魂鬼がひしめき合っており、獲物を選別するように右往左往している。

 そんな中で被告……連れてこられたマグル生まれ達は身を寄せ合うようにして震え、ほとんどの者が腕で顔を覆っていた。

 吸魂鬼の意地汚い口から自らを少しでも守ろうとしているのだ。

 

 その先にある法廷……いや、法廷と呼ぶのすらおこがましい地下牢には更に数多くの吸魂鬼達が存在していた。

 入るだけで意識を失いそうになるそこは狭く、裁判官の席にはアンブリッジがニンマリとした笑みを浮べて座っている。

 足元には銀色の猫が往ったり来たりしており、それが裁判官側の人間を吸魂鬼の放つ絶望から守っていた。

 どうやらアンブリッジの守護霊らしいそれは、自らが関与した歪極まりない法律を振りかざせるこの上ない喜びで鬱陶しいくらいに輝きを放っている。

 

「メアリー・エリザベス・カターモールですね?」

 

 アンブリッジの甘ったるい、滑らかな声が響いた。

 その問いをかけられているカターモール夫人は中央に置かれた椅子に座り……否、縛りつけられている。

 椅子の肘掛部分からは鎖が出ており、彼女を動けなくしているのだ。

 

「魔法ビル管理部のレジナルド・カターモールの妻ね?」

「そうだ! 私の妻だ!」

 

 傍聴席にそれまで座っていた男が立ち上がり、声を張り上げる。

 しかしアンブリッジはそちらを一瞥しただけで、まるで居ないものであるかのように話を進める。

 

「メイジー、エリー、アルフレッド・カターモールの母ですね?」

「こ、子供達は怯えています……私が家に帰らないのではないかと思って……」

「あらあらあら駄目よ、そんな事言っちゃ。母親の貴女がそんな弱気でどうするの?

もっと頑張らないと。ねえ?」

 

 弱気なカターモール夫人を励ますようにアンブリッジが言う。

 もっとも今現在彼女を追い詰めているのが他ならぬアンブリッジなので説得力など皆無に等しく、白々しいだけなのだが。

 

「カターモールさん、貴女が今日魔法省に到着した時に杖を取り上げました。

22cm、桜材、芯はユニコーンのたてがみ。この説明が何の事かわかりますか?」

 

 アンブリッジの説明にカターモール夫人がコクリと頷く。

 分からぬはずはない。

 何せそれは、11歳の時にオリバンダーの店で買って以来今日までずっと共に過ごしてきた己の杖なのだから。

 しかしそんな問わずとも分かる事を聞いたアンブリッジは、まるでそんな事実などないかのように話す。

 

「この杖を魔女、または魔法使いの誰から奪ったのか教えてもらえますか?」

「私が、奪った……!?

いいえ、だ、誰からも奪ったりしませんわ。

わ、私は買ったのです。11歳の時に、その杖が私を選んだのです」

 

 杖が魔法使いを選ぶ。それは魔法使いならば誰もが知っている事だ。

 盗んだなどと事実無根の事を言われた夫人は鳴き声を洩らし、それを見たアンブリッジは心から嬉しそうに小さな女の子のような笑い声をあげた。

 それどころかアンブリッジは自分の獲物の惨めな姿をもっと見ようと身を乗り出し、その顔を幸せそうに歪めている。

 

「いいえ。いいえ、そうは思わない事よカターモールさん。

杖は魔女と魔法使いしか選びません。貴女は魔女ではないのよ?

貴女に送った調査票へのお答えがここにあります」

 

 アンブリッジは隣のマファルダから調査票を受け取ると、妙に高い声で言う。

 

「両親の職業、青物商」

 

 それを口にし、何が可笑しいのかアンブリッジはケラケラと笑った。

 

「青物商なんて仕事は魔法界にはないわ。

つまり貴女はマグルなのよ、カターモールさん」

「た、確かに両親は魔法使いではありません!

しかし私は……」

「私は……なあに? まさか両親がマグルなのに魔法使いだと嘘を付くつもり?

駄目駄目駄目、そんなの駄目よ。嘘はとってもいけない事なの。

両親がマグルなのに魔法使いなんていうのは、有り得ない事なの」

 

 マグル生まれの魔女がいる事くらい知っているだろうに、アンブリッジはその事実を完全に無視していた。

 真実などどうでもいい。今、彼女にとって重要なのはこの獲物を如何に甚振り、その苦悶の顔を見るかだけなのだ。

 傍聴席の夫が何か喚いているのもいい気分だ。

 アンブリッジは益々嬉しそうに笑い、守護霊の猫がより一層輝きを増した。

 

「さあカターモールさん、嘘ばかり付いても罪は重くなる一方よ。

早く本当の事を言いなさい」

「わ、私は本当の事を……」

「もう、まだ嘘を続けるの? お母さんがそんな嘘付きじゃ子供達の教育にもよくないわ。

いっそ、子供達に聞いてみましょうかしらね? 貴方達のお母さんはマグルかしらって」

 

 顔をますます歪な喜びで歪め、アンブリッジが甘い声で囁く。

 だがその内容は脅しと同義であった。

 彼女は言外に認めなければ子供達に手を出す、と言っているのだ。

 

「ま、待ってください! どうか、どうか子供達だけは……!」

「あらあらあら、人聞きが悪いわねえ。私が子供に手を出すだなんて、そんな酷い人間に見えるかしら」

 

 まるでガマガエルのようなその顔は、喜悦に歪むとより一層カエルのように見える。

 カターモール夫人は一瞬、彼女の口から長い舌が出て蠅を絡め取る姿を幻視した。

 

「私もね、心が痛むの。でもこれは全て貴女の為。

嘘付きは何もいい事がないわ。だから私は心を鬼にして貴女の為に言ってあげているのよ」

 

 それが本心でない事など、彼女の顔を見れば嫌でもわかる事だった。

 いや、元より隠す気などないのかもしえない。

 すすり泣くカターモール夫人を、まるで愉快な玩具を見るようにアンブリッジは眺める。

 

「さあ、本当の事を話してしまいなさい。誰から盗んだのかしら?」

 

 勿論、その質問への答えなどカターモール夫人は持っていない。

 誰から盗んだわけでもないのだから、その質問に答えられるわけがないのだ。

 だが答えなければこの女はきっと、本当に子供達に手を出す。

 子供達を守りたい一心……また、このディメンターだらけの異常な空間で思考力が奪われているのも一因だったのだろう。

 カターモール夫人は纏まらぬ思考で、決してしてはならない嘘を口にしてしまった。

 

「オ、オリバンダー店主から……オリバンダー店主の店から、持ち出しました……」

「まあ!」

 

 カターモール夫人の嘘にアンブリッジは満面の笑顔を浮かべ、身を乗り出す。

 この瞬間が彼女にとって至上の幸せであるとでも言うかのように、全身が喜びで満ちている。

 それとは反対に傍聴席のカターモールが「駄目だ!」と叫ぶも、夫人には届かない。

 

「まあ、まあ! まあまあまあ!

それじゃ貴女は認めるというのね? 恥知らずにも杖を盗んだと認めるのね?」

「は、はい……認めます……認めますから、どうか子供達だけは……」

 

 新しい人形を貰った女の子のように飛び跳ね、アンブリッジは爪先立ちでピョコピョコと跳ねる。

 嬉しくて嬉しくて溜まらない、といった様子だ。

 

「そうでしょう、そうでしょうとも。貴女はマグルなのだから杖を盗んだに決まっているわ。

私の予想って今まで外れた事がないのよ」

 

 遂に獲物を絡め取った事でアンブリッジがはしゃぎ、普段よりも尚高い声で話す。

 そして打ちひしがれる獲物に止めを刺すべく、無情の宣告を口にした。

 

「それじゃあ貴女はアズカバンに入れるしかないわね」

「アズカバン!? そ、そんな……! いくら何でも、そこまで重い罪じゃ……?!」

「んーん、駄目駄目、貴女のした事はとっても許されない事なの。

悪人が野放しなんてそんなのは駄目。ちゃんと然るべき正義の罰が下されなきゃ、ねっ」

 

 絶望に顔を歪めるカターモール夫人の腕を吸魂鬼が掴む。

 フードで顔は見えず、ガラガラという呼吸音が響くその生物は近くにいるだけでも毒だ。

 カターモール夫人は抵抗する気力すら奪われ、まるで糸の切れた人形のように引きずられて行く。

 勿論これに黙っていないのが夫のカターモール氏だ。

 彼は怒りのままに吸魂鬼に杖を向けるも、それを予測していたかのように裁判官席から飛んできた麻痺呪文を受けて動かなくなってしまった。

 

「いやっ……いやあああああ!

助けて! 助けて、誰か! 誰か! あなた!

アズカバンは嫌ああああああああ!!」

 

 その悲鳴こそ最上の音楽であるかのようにアンブリッジはうっとりと眼を閉じ、耳を澄ます。

 まるでリズムに乗るように身体を揺すり、聞こえなくなるまで存分に悲鳴を堪能し、それから満足そうに溜息を吐いた。

 だがまだだ、まだお楽しみはこれからだ。まだまだ美味しい獲物は沢山残っている。

 

「では次の方、どうぞ」

 

 少女のような甘ったるい声が、次なる獲物を呼び求めた。

 

 

 

 これらの事は、さして特別な悲劇というわけではない。

 ヴォルデモートの支配化に置かれたイギリス魔法界においては当たり前の――ありふれた、数多くの悲劇のうちの一つに過ぎないのだ。

 

 

 




(*´ω`*)皆様こんばんわ。今回は脇役さん達の悲劇でお送りしました。
微妙に難産でしたが、その理由はやはりアンブリッジです。
彼女の原作のウザさを少しでも出そうとかなり苦労しました。
ちょっとでも出せていれば幸いです。
それではまた明日、お会いしましょう。





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