魔法科高校の変わり者   作:四葉夜々
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魔法の才能

「なあなあハヤマン」

「何だ、羊……」

 

 葉山からこの世界の勉学の手解きを受けていた羊はふと気になることを葉山に尋ねる。

 

「俺って魔法使えんの?」

「……………」

 

 その言葉に葉山は固まった。いまだ信じられないが、彼は自分は異世界の人間だと名乗った。ちなみに真夜はネトゲに毒されたのかテンプレキタコレ!と叫んでいた。

 まあそれは置いといて、彼が魔法を使える、か………。

 正直葉山としては使える方が有り難い。彼の人となりを知る者は主に女性を中心に彼を気に入っているが、彼の存在だけ知る者は彼を嫌っている。

 というのも、彼の立場がいまだ定まっていないからだ。仮にも否人道的な実験をしてきた四葉家に何もしない一般人が居るというのは、闇に生きる者には疎ましいのだろう。

 

「どんな魔法が使いたいんだ?」

「ん~……砂の巨人出したり、極大魔法放ったり魔女狩りの王とか……あ、あとついでに相手の服を吹き飛ばす魔法も覚えるの面白いかも」

「……………………」

 

 

 

 そして彼の魔法適正を判断するために、まずサイオン量を計ることにした。結果………

 

「………これ俺が弁償しなきゃならんの?」

「いや、その必要はない………しかし」

 

 計測器はドンドン数値上げていき、最終的にはERRORの文字を画面いっぱいに映して停止していた。

 

「こういう機械はここを叩けば直る。ふん!」

 

 葉山がそう言って計測器に蹴りを食らわせるとピーという音がして計測器が直った。

 

 

 

 

 

「それで、彼の魔法師としての才能はどうだったの?」

 

 ぶよぶよというパズルゲームをしながら葉山に尋ねる真夜に葉山は言葉に詰まる。葉山にしては珍しい対応に真夜は思わずゲームを止め振り返る。

 

「控えめに言っても……異常、その一言につきます。サイオン量、演算領域、干渉力。どれをとっても人とは思えません」

「そう、やっぱり……」

「!?き、気づいておいでで……?」

 

 葉山の報告に驚くどころか予想通りだと言わんばかりの真夜の反応に葉山を目を見開く。成る程、最近ネトゲから始まり様々なゲームに嵌まり仕事を葉山に押し付けて正直こいつ当主で大丈夫かよと何度も思ったが、腐っても鯛と言うことだろう。

 

「ええ、当然よ………だって、異世界から来た者は強いと相場が決まっているもの!」

「…………………」

 

 この年でどこかに再就職は……無理か、当主がこんなのでも仮にも闇に生きる一族だ。

 それにまあ、前の生活より今の生活の方が仕事量はともかく楽しめているのは確かだ。

 

「ところで今彼は?」

「CADについて教えたところ、CADの開発をしています。何でも、俺は空を飛ぶ!とか……」

「いきなり魔法の最難関を………まあ、何時出来るか楽しみにしましょう」

「ハヤマン!出来たぜ!これで飛べる!」

 

 バン!と扉が開きメカニックなボードを持った羊が入ってきた。

 

「これは移動魔法で6つフィンを回転させて固定魔法で足とボードを固定させるタイプのCADで、加重魔法で重さを変えることで高度を調整する!上空で息するために収束魔法で周囲の空気を集め凍死しないために振動魔法で温度を調整する………まあ、操作が難しいけどなれれば何とかなるよ!」

「…………そういう風に来るのね………ていうか難しいってレベルじゃないじゃない。息のあった魔法師何人使って操作するのよ」

「え?さっきやってみたけど慣れれば簡単だったよ……?」

「…………………」





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