さあ、最後はANDイベントとORイベントについてです。これに至っては知ってる人も多いかもしれません。これらはエディタ上の説明文にあるとおり、特定のイベントIDのON/OFFを参照して別のイベントIDをON/OFFするものです。
例えば「3つある?スイッチを全て押したら足場が出現する」仕掛けや「赤コインリングを一つでも取ってしまうと足場が消滅する」仕掛けなんかが作れます。
正直言いますと単独での使用用途は少ないです。本家ステージでもANDとORイベントは一度も使われていない、没スプライトといえる状態です。(動作解析大変でした)
では本家でも使われていないこんなスプライトを一体何に使うのか・・ 色々使用用途を考察していたらとある発見をしました。
実はこれらのイベントが効力を発揮するのは先述の「連鎖イベント」と噛みあわせた時なのです!
で、考えに考え抜いた結果編み出したのが次に説明する「カウンター回路」です。
これは色々な仕掛けに応用できる可能性を持っているかと思います。
それでは実際に「カウンター回路」を作ってみましょう。
では何も言わず、次の通りにスプライトを配置していって下さい。
まず「152:ON/OFFスイッチ」を作成し対象イベントIDを3とします。
次に「197:ブロック生成/破壊スプライト」を5つ作成して参照イベントIDをそれぞれ4~8番として下さい。動作は全て「ブロック生成」にします。
ここからが重要です。次のスプライトを"順番通りに"作成していって下さい。
①「164:ANDイベント」
対象イベントID:8
参照ID 1:7
参照ID 2:3
※その他設定は弄らない
②「164:ANDイベント」
対象イベントID:7
参照ID 1:6
参照ID 2:3
※その他設定は弄らない
③「164:ANDイベント」
対象イベントID:6
参照ID 1:5
参照ID 2:3
※その他設定は弄らない
④「164:ANDイベント」
対象イベントID:5
参照ID 1:4
参照ID 2:3
※その他設定は弄らない
⑤「167:連鎖イベント」
対象イベントID:4
参照イベントID:3
動作モード:A:OFF→ON(一度のみ)
※その他設定は弄らない
⑥「167:連鎖イベント」
対象イベントID:3
参照イベントID:3
動作モード:B:OFF→ON
反転モード:チェックを入れる
※その他設定は弄らない

これで「カウンター回路」の完成です!
さぁ、テストプレイしてみましょう。スイッチブロックを叩くとブロックが順番に出現していくのが分かります。
まぁ結果だけ見れば「なんだこんなもんか」と思うかもしれませんが、イベントでプログラムを組んで特定の機能を実現できるとなれば少しワクワクしてきませんか?
以下から動作説明に入ります。
まずスプライト処理において重要な法則を説明しますので頭に留めておいて下さい。それは、
「スプライトは、置いた順番通りに処理が実行されていく」という事です。つまり、内部的には①→⑥の順番で処理がされていきます。
これを念頭に入れて先程のスプライト群の動作を書き下しますと、以下の通りになります。
①【ID7番と3番がONならば】→【ID8番をONにする】
②【ID6番と3番がONならば】→【ID7番をONにする】
③【ID5番と3番がONならば】→【ID6番をONにする】
④【ID4番と3番がONならば】→【ID5番をONにする】
⑤【ID3番がOFFからONになったら】→【ID4番をOFFからONにする】
⑥【ID3番がOFFからONになったら】→【ID3番をONからOFFにする】
まずON/OFFスイッチでID3番がOFF→ONになります。すると①~④は条件が満たされないので無視され、⑤の処理が行われてID4番がONになります。次に⑥の処理が行われID3番は再びOFF状態に戻ります。
この状態で再びON/OFFスイッチでID3番をOFF→ONとしたとします。すると今度は④の処理が行われてID5番がONになります。⑤の処理は一度のみですので飛ばされて、⑥の処理より再びID3番はOFFします。
これを繰り返してID4~8番が順番にONしていく訳です。
この回路を使えば「8枚あるスターコインのうち3枚以上をとれば扉が出現するギミック」や「水位を+1、+1、+2と変化させ続けるギミック」などに応用する事が出来ます。
もちろん実現できるのはカウンター回路に留まりません。
ANDとORと擬似NOT、フリップフロップが使えるのですから、ディジタル回路に詳しい方ならばほぼ全ての論理回路が実現できる事は知っているかと思います。
つまり可能性は無限大ってコトです。皆さんも是非ともこれらのイベントを使いこなしてイベント・プログラミングを楽しんでみて下さい。
ASM触らないでここまで出来るのはNewマリならではだと思いますよ。
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